フリオ・ウリアス

2021年は最多勝、2022年は最優秀防御率と、2年連続で投手タイトル獲得しているメジャー屈指の先発左腕であり、90マイル台中盤の速球を軸に、チェンジアップ、カーブ、そしてスライダーを交えて打者を手玉にとる。特にチェンジアップとカーブは一級品。愛称は「エル・クリチ」。

2012年にメキシコでドジャース・スカウトの目に止まり、16歳でドジャースと契約しプロ入り。その後、マイナーリーグで経験を積むと2016年5月のメッツ戦でMLBデビューを果たす。先発ローテーションに定着したのは、短縮シーズンとなった2020年からで、2019シーズン終盤は前田健太と先発争いをしたことも。ちなみに、2020年はワールドシリーズ制覇を遂げたドジャースの胴上げ投手となった。

大ブレークした2021年は32試合に先発し、20勝3敗、防御率2.96をマークし、最多勝のタイトルを獲得した。メキシコ人投手によるシーズン20勝以上は、MLB史上4人目であり、ナショナル・リーグでのシーズン20勝は2016年のマックス・シャーザー以来だった。

続く昨季は31試合に先発し、17勝7敗、防御率2.16をマークし、最優秀防御率のタイトルを獲得。また、WHIP 0.96、被打率.199はともにリーグ3位の高水準で、シーズン後のサイ・ヤング賞投票ではナショナル・リーグ3位に入った。

このオフには、年俸調停を回避し、ドジャースと今季契約を1425万ドル（19億2000万円）で合意。2023シーズン終了後にFAとなるウリアスの契約は、総額2億ドル（270億円）を上回ると見る向きもある。WBCにはメキシコ代表キャプテンとして出場。マウンド上ではチーム最多の9イニングを投げ、自責点7と苦戦するも、精神的支柱としてダグアウトから同国初のベスト4進出を支えた。

※データは2023年2月20日時点
※1ドル＝135円で換算