デービッド・ベッドナー

その辺にいそうな気の良いおじさん的風貌をしているが、実はまだ29歳。平均96.6マイル（155.5キロ）のフォーシームを軸に、カーブとスプリットを巧みに織り交ぜ試合を締めくくる。速球の勢いもさることながら、チェース率（ボール球を振らせる率）はリーグトップレベルで、カーブの空振り率は40％を超える。2023年のナショナル・リーグ最多セーブ投手。

出身はペンシルベニア州ピッツバーグで、2016年ドラフト35巡目でパドレスに指名されプロ入り。2019年9月1日のジャイアンツ戦でMLBデビューを果たすも、2019年は11イニング、そして短縮シーズンの2020年は6イニングの登板に留まった。

しかし、2021年1月に3チーム間のトレードでパイレーツに移籍すると、これが転機に。この年はブルペンの主要メンバーの1人として61試合に登板して、60回2/3を投げ、防御率2.23、13ホールド、3セーブをマークし、一躍存在感を高める。

クローザーに定着し、19セーブをマークした2022年は、オールスターゲーム初選出を果たすと、続く2023シーズンは2季連続でのオールスターゲーム選出を果たす中、最終的に42セーブ機会で39セーブと抜群の安定感でナ・リーグ最多セーブのタイトルをカミロ・ドバルと分け合った。

なお、2023年のオールスターゲーム選出は、出場を辞退したクレイトン・カーショーに代わっての選出だったことから、7月4日に行われたドジャース戦で、ベッドナーが試合前にドジャースのダグアウトへカーショー宛で、クーラーボックスにピッツバーグの地ビールを入れて差し入れしたことが話題に。

2024シーズンを前にブルペンの戦力充実を狙うパイレーツは、経験豊富なクローザー、アロルディス・チャップマンを獲得しているが、デレク・シェルトン監督はベッドナーに直接電話して「君が引き続きクローザーだ」と伝えている。

これについて、ベッドナーは「何度もプレーオフを経験している彼（チャップマン）のアドバイスはとても貴重」だから、「期待に胸を膨らませている」と述べ、前向きに捉えていることを明かしている。

※データは2024年2月29日時点
※1ドル＝150円で換算