アンソニー・サンタンデール

事の発端は2019年8月4日に、オリオールズのホームで開催されたブルージェイズ戦。当時、アメリカで開催されたスカウトジャンボリーに来ていた英国代表団（ボーイスカウトとガールスカウトに所属する約3000人の男女）が試合に招待された。

その際、左翼スタンドに陣取っていたその英国の少年少女に対し、左翼を守っていたサンタンデールがキャッチしたボールをスタンドへ投げ入れるなどしたため。

英国ではサンタンデールの名称が銀行の名として知名度もあったことから、一躍大きな声援を送られる存在となった。ちなみに国際的なファンクラブの名称は「ザ・ファンタンデールズ」。

本人はベネズエラ、マルガリータ島の出身で、2011年7月に国際フリーエージェントとして、クリーブランド・インディアンス（現ガーディアンズ）と契約してプロ入り。

その後の数年をマイナーでプレーし、2016年のルール5ドラフトでオリオールズに指名され移籍。2017年8月18日のドジャース戦でMLBデビューを果たすと、その後、徐々にMLBでの出場試合数を増やし、60試合の短縮シーズンとなった2020年に37試合に出場し、11本塁打、32打点、OPS.890をマークして頭角を表す。

2022年には152試合に出場して33本塁打をマークすると、2023年春先のWBCにベネズエラ代表として出場。ホセ・アルトゥーベ、ロナルド・アクーニャJr.、サルバドール・ペレスを擁するスター軍団のなかで5試合に出場し、2本塁打、5打点、打率.353／出塁率.450／長打率.882、OPS 1.332と存在感を示してチームのベスト8入りに貢献する。

続く、2024年はレギュラーシーズン155試合に出場し、いずれもキャリアハイとなる44本塁打（ア・リーグ2位）、102打点（同9位）をマークし、チームのポストシーズン進出に貢献すると、シーズン終了後、自身初となるシルバースラッガー賞を獲得した。

このオフシーズンは大物FA選手の1人として注目されるなか、2025年1月20日にブルージェイズと5年9250万ドルで契約した。なお、2025年を迎えるにあたり、『MLB.com』の発表した現役トップ100プレーヤーでは53位に選出されている。

※データは2025年3月1日時点
※1ドル＝150円で換算