幼少期よりバレーボールの指導者だった父親の英才教育を受けて育った。「身長が低かったので、バレーボール選手として成功するにはこのポジションしかない」と、小学生のときからリベロ一筋。

日本体育大学では1年春からレギュラーとして試合に出場。大学卒業後、FC東京（現・東京グレートベアーズ）に入団、2018年に堺ブレイザーズ（現・日本製鉄堺ブレイザーズ）へと移籍。2019年、初めて日本代表に選出されると2021年には東京五輪に出場し、リベロとして存在感を示す。

パナソニックパンサーズ（現・大阪プルテオン）に移籍したばかりの2023-24シーズンは初めてベストリベロ賞を獲得し、続くネーションズリーグ2024ではチームを銀メダルに導き、自身もベストリベロに選ばれた。日本が誇る世界一の守備職人だ。

信条は「どんなに劣勢でもリベロだけは心を折られてはいけない」。大きな声とゼスチャーでチームメートを鼓舞し、ときにはブロッカー陣に的確な指示も出す。日本随一と言われている高いディグ能力に加えて、近年はサーブレシーブの成功率もアップ。パリ五輪で対戦相手や海外のバレーボールファンをうならせたプレーを武器に、SVリーグではチームを優勝に導くのが目標だ。

TEXT：市川忍