髙橋 健太郎

幼い頃は野球少年だった。本気で甲子園を目指していたが、中学3年時に右肘のケガで野球は断念。入学願書を提出に行った米沢中央高校で関係者の目に留まり、高校からバレーボール部へ。186cmの身長と潜在能力、運動能力の高さを評価され、U18日本代表に選出、U18アジア選手権にも出場した。

筑波大学入学後の2014年には日本代表へ選出され、ワールドリーグやワールドカップに出場。ミドルブロッカーだけでなく、オポジットも経験。

東レアローズ（現・東レアローズ静岡）に入団後も日本代表として数多くの大会に選出されたが、相次ぐケガでなかなかチャンスをつかみきれず、最大の目標と掲げた東京五輪は落選。

一時は引退も決意したが、家族の支えで再び日本代表としての活躍を誓い、2023年の五輪予選に続いて、2024年のパリ五輪にも出場。日本ナンバーワンの呼び声高いブロックで勝利に貢献した。

明るいキャラクターで盛り上げ役を担う一方、バレーボールに対する探究心、特にブロックを極めるための姿勢は真面目で繊細。週末の試合に向けて、対戦相手の試合映像を1週間で10時間以上も見続けることのある研究家でもある。

プロ選手となった昨季、ジェイテクトSTINGS愛知へ移籍。自身初のタイトル制覇を目指したが、ファイナルで激闘の末に敗れ涙した。身体づくりに時間を費やし迎える新シーズン、さらなる爆発を誓う。

TEXT：田中夕子