MLB(メジャーリーグベースボール)とは
MLBチーム一覧

MLBは「アメリカン・リーグ」と「ナショナル・リーグ」の2つのリーグから構成され、それぞれ15チーム、計30チームが所属している。両リーグはさらに3つの地区(東・中・西)に分かれており、各地区に5チームずつ配置されている。試合は主にリーグ内で行われるが、シーズン中に「インターリーグ」として、リーグをまたいだ試合も実施される。
アメリカン・リーグ
【東地区】
ボルティモア・オリオールズ
ボストン・レッドソックス
ニューヨーク・ヤンキース
タンパベイ・レイズ
トロント・ブルージェイズ
【中地区】
シカゴ・ホワイトソックス
クリーブランド・ガーディアンズ
デトロイト・タイガース
カンザスシティ・ロイヤルズ
ミネソタ・ツインズ
【西地区】
ヒューストン・アストロズ
ロサンゼルス・エンジェルス
アスレチックス
シアトル・マリナーズ
テキサス・レンジャーズ
ナショナル・リーグ
【東地区】
アトランタ・ブレーブス
マイアミ・マーリンズ
ニューヨーク・メッツ
フィラデルフィア・フィリーズ
ワシントン・ナショナルズ
【中地区】
シカゴ・カブス
シンシナティ・レッズ
ミルウォーキー・ブリュワーズ
ピッツバーグ・パイレーツ
セントルイス・カージナルス
【西地区】
アリゾナ・ダイヤモンドバックス
コロラド・ロッキーズ
ロサンゼルス・ドジャース
サンディエゴ・パドレス
サンフランシスコ・ジャイアンツ
※オークランド・アスレチックスは、2028年にラスベガスへ本拠地移転するまで、2025~27年はサクラメントでホームゲームを開催。この期間のチーム名は「アスレチックス」となります。
リーグフォーマット
レギュラーシーズン
3月下旬から9月下旬にかけ、1チームは162試合のレギュラーシーズンを行う。対戦する相手は以下の通り。
・同リーグ同地区の4チームと各13試合(計52試合)
・同リーグ他地区の10チームのうち、4チームと各7試合、6チームと各6試合(計64試合)
・インターリーグ(別リーグと対戦)計46試合
ポストシーズン
各リーグのレギュラーシーズン成績上位6チームが進出し、トーナメントでワールドチャンピオンを決定する。
・地区優勝3チーム:各リーグ各地区の勝率1位
・ワイルドカード3チーム:各リーグ全体で地区優勝を除いた勝率1~3位
勝ち上がると、「ワイルドカードシリーズ(2戦先勝)」→「ディビジョンシリーズ(3戦先勝)」→「リーグチャンピオンシップシリーズ(4戦先勝)」→「ワールドシリーズ(4戦先勝)」の順に行っていく。
ワイルドカードシリーズは地区優勝で最も低い勝率のチームとワイルドカードの3チーム、計4チームが出場。地区優勝の勝率1・2位チームはディビジョンシリーズから出場する。
メジャーリーグとマイナーリーグ
アメリカやカナダにはMLB以外にも、いくつかのリーグ(マイナーリーグ)が存在する。この中でMLBの所属球団と、選手育成契約を結んでいるチームで構成されたのが「MiLB」(マイナーリーグベースボール)。
MiLBのチームはMLBチームの傘下にあり、選手たちはMLBへの昇格を目指す。MiLBのチームは基本的に独立採算制で、MLBチームとは資本関係がない場合が多い。また、傘下のチームが変わることもある。
MiLBは5つのクラスに分かれており、レベルの高い順から「AAA」(トリプルA)、「AA」(ダブルA)、「A+」(ハイA)、「A」(シングルA)、「ルーキーリーグ」となっている。
ちなみに2025シーズンのドジャースは、AAAが「オクラホマシティ・ドジャース」、AAが「タルサ・ドリラーズ」、A+が「グレートレイクス・ルーンズ」、Aが「ランチョクカモンガ・クエークス」、ルーキーリーグが「アリゾナ・コンプレックスリーグ・ドジャース」と「ドミニカン・サマーリーグ・ドジャース」となっている。
日本人所属選手
2025シーズン、プロ野球出身でMLBに所属(マイナー契約含む)している選手は下記の通り(2025年2月20日現在)。
ア・リーグ
19 菅野 智之 ボルティモア・オリオールズ
7 吉田 正尚 ボストン・レッドソックス
18 前田 健太 デトロイト・タイガース
16 菊池 雄星 ロサンゼルス・エンジェルス
19 藤浪晋太郎 シアトル・マリナーズ
ナ・リーグ
青柳 晃洋 フィラデルフィア・フィリーズ
34 千賀 滉大 ニューヨーク・メッツ
16 小笠原 慎之介 ワシントン・ナショナルズ
18 今永 昇太 シカゴ・カブス
27 鈴木 誠也 シカゴ・カブス
11 佐々木 朗希 ロサンゼルス・ドジャース
17 大谷 翔平 ロサンゼルス・ドジャース
18 山本 由伸 ロサンゼルス・ドジャース
1 松井 裕樹 サンディエゴ・パドレス
11 ダルビッシュ 有 サンディエゴ・パドレス
プロ野球選手のMLB移籍方法
日本のプロ野球選手が、MLBに移籍する場合、以下の方法がある。
海外FA権
海外FA権を取得後、行使して移籍する方法。選手はMLBのチームと直接交渉ができる。出場選手登録(一軍登録)145日を1年として換算し、9年で資格が取得できる。
ポスティング
海外FA権のない選手が、MLBへ移籍を希望する場合に使われる制度。所属チームが承認し、ポスティング申請を行う。所属チームは移籍先のMLB球団から譲渡金を受け取る。
申請期間は11月1日~12月15日。交渉期間は、MLB機構が各球団へ公示した翌日から45日間で、この期間を過ぎると移籍は不成立となる。
譲渡金はメジャー契約の場合、契約総額が2500万ドル以下の場合は20%、2500万~5000万ドルは2500万ドルの20%(500万ドル)+2500万ドルを超えた金額の17.5%。5000万ドルを超えると、5000万ドルで支払われる937.5万ドル+5000万ドルを超えた金額金額の15%となる。
マイナー契約の場合は契約金の25%だが、入団後に選手が追加で得た金額(出来高やメジャー昇格時に受け取る年俸)の15%も加わる。また、25歳未満やプロ6年未満の選手の場合は「25歳ルール」が適用され、マイナー契約となる。
自由契約
在籍しているチームから自由契約の公示をされた選手が、MLBのチームと交渉したり、トライアウトなどで契約を目指す方法。
メジャーリーグの歴史
19世紀半ばに、アメリカ北部で盛んだった「ベースボール」が全米に広まり、1869年には初のプロチーム「シンシナティ・レッドストッキングス」が誕生した。
その後、1871年に最初のプロ野球リーグ「ナショナル・アソシエーション」が創設。1876年にはこれを引き継ぐ形で「ナショナル・リーグ」が設立され、MLBの基盤が築かれた。一方で、「ユニオン・アソシエーション」など、いくつかの新たなリーグが立ち上がっては消滅を繰り返した。
1900年、ウエスタンリーグが「アメリカン・リーグ」へ改称し、1901年に「メジャーリーグ」を名乗る。「ナショナル・リーグ」はこれに反発したが、1902年の合意により、「メジャーリーグ」は「ナ・リーグ」と「ア・リーグ」の2リーグ体制を確立。1903年から両リーグ優勝チームによるワールドシリーズが始まり、現在のMLBの形が整った。