マイアミ・マーリンズ（ナショナルリーグ東地区） チーム紹介

1993年のMLBエクスパンションで、コロラド・ロッキーズとともに誕生した比較的新しい球団。創設時の球団名はフロリダ・マーリンズ。これまで31年に及ぶ歴史の中で地区優勝は皆無で、プレーオフ進出は現行のMLB30球団では最少の4回ながら、すでに2度（1997年、2003年）のワールドシリーズ制覇を遂げている（ちなみに地区優勝を経験していないのはマーリンズとロッキーズのみ）。

また、永久欠番も全球団共通であるジャッキー・ロビンソンの42番のみであり、自前の選手は皆無で、こちらもMLB最少となっている。

1990年代後半から2000年代にかけて、ワールドシリーズ制覇後に主力選手を大量放出するというサイクルを繰り返し、球団名をマイアミ・マーリンズと改めた2012年以降、勝率5割未満のシーズンが続いたが、短縮シーズンの2020年に久方ぶりのプレーオフ進出を果たす。

スキップ・シューマッカーを監督に招聘した2023年も、東地区3位ながらワイルドカードでのポストシーズン進出を果たした。なお、シューマッカー、そして2020年にチームを率いたドン・マッティングリーは、ともにその年の最優秀監督賞を受賞している。

2024年もナ・リーグ東地区は、引き続きレベルの高い優勝争いが展開すると予想されるが、本命のブレーブス、対抗のフィリーズ、昨季からのバウンスバックを期すメッツに対し、マーリンズは昨季チーム最多の36本塁打、77得点、そしてチーム2位の75打点をマークしたホルヘ・ソレルをFAで放出。

さらにエースのサンディ・アルカンタラがトミー・ジョン手術を受けたことで今季は全休が決まっており、これまでのところその投打の穴埋めをできていないないだけに、駆け込みで有力選手を補強するか、あるいは有望株が期待を大きく上回る活躍をしない限り、今季は苦しい戦いを強いられることが予想される。

本拠地は、侍ジャパンによるWBC制覇で、日本における知名度が一気に高まったローンデポ・パーク。2012年開場の開閉式屋根付き球場で、開場時のフィールドは天然芝だったが、2020年に人工芝となった。

2021年から2023年にかけてのスタッツでは、本塁打はナショナル・リーグで4番目に出にくい半面、三塁打は同リーグで4番目に出やすく、スタットキャストにより同期間のパークファクターは98と、やや投手有利な数値となっている。ちなみに、野球開催時のキャパシティは立ち見を入れて37,442人で、こちらもMLB最少となっている。