派手さないが堅実なプレーで、気づけばチームに欠かせないピースになっている。もっともそれは、安定感抜群のサーブレシーブ、身体を張ったつなぎ、そして高いブロックに対して器用に得点を重ねるアタックなど、攻守双方で高い水準にあるからだ。

そのキャリアは輝かしいもので、今夏に全国大会で史上初の5連覇、歴代最多8回の日本一を遂げた大阪・金蘭会中学校では、3年生時に優勝を経験。一貫校の金蘭会高校でも、キャプテンに就いた3年目は国体優勝に加えて、春高バレーを制すると自身も最優秀選手賞に選ばれた。

高校を卒業後はJTマーヴェラス（現・大阪マーヴェラス）に入団したが、まだ内定選手ながら、Vリーグの決勝で起用されると、本人は「ど緊張」も、そつなくプレーしてみせた。その後もチームの主力を担い、2019-20、2020-21シーズンのリーグ連覇に貢献。2020-21シーズンはレシーブ賞に輝いた。

日本代表でも活躍し、東京五輪とパリ五輪に出場。すでに実績は十分だが、本人はどの環境であっても『縁の下』から周りを支えることをいとわない。そんな謙虚な姿勢こそが、彼女の武器だ。

TEXT：坂口功将