木村沙織や荒木絵里香ら、女子日本バレーボール界のトップ選手を輩出してきた名門の東京・下北沢成徳高校出身。「1年でも長く」という思いを胸にプレーを続け、現在は35歳と、リーグきってのベテランの域に入りながらも第一線に立つ。

高校時代はアタッカーで、社会人になってから現在のセッターに転向。だが、入団から6シーズンを過ごしたパイオニアレッドウィングスが廃部となってしまい、上尾メディックス（現・埼玉上尾メディックス）に移籍する。

その上尾では、2部から1部への昇格や上位争いの立役者となった。また、個人としても2018-19シーズンはイタリア・セリエAのラルディーニ・フィロットラーノへ期限つき移籍を果たしたほか、出産のため2020-21シーズンは全休も。そうした数々の経験が、今の彼女を形作っている。

出産から復帰後も、司令塔として絶大な信頼を集めてチームを牽引。また、日本代表では2023年の第19回アジア競技大会に参加し、キャプテンを務めると準優勝に貢献した。2024年にはネーションズリーグで銀メダルを獲得。そして、パリ五輪出場を果たしている。膨大な経験値に裏付けされた安定感あるトスワークで、埼玉上尾を初のリーグ女王へと導く。

TEXT：坂口功将