雨が降ってきたら……

SUPER GTのドライタイヤは、溝が刻まれていないため排水性が悪く、ウェットコンディションには適さない。ただし、ちょい濡れと呼ばれる、小雨によって路面がわずかに湿った状態においては、高温を維持しているドライタイヤは意外とグリップする。そこでどこまで踏ん張れるか、ドライバーの力量やメーカーの技術が試されることともなる。
しかし、強く降ってきた場合はもう対処できなくなってしまうので、溝の刻まれたウエットタイヤを装着。雨が降れば路面温度も低くなるので、発熱を促すため表面のゴムが柔らかめの傾向にあるのも特徴のひとつである。ウェットタイヤはメインポストで「WET」と記されたボード提示による、ウェット宣言が出されてからしか使えないものの、ポツリと来た段階ですぐ出され、「このぐらいなら、まだ大丈夫」とばかりに、曖昧に判断されることはない。
走行中の降雨であればタイヤだけで対処されるが、走行前から降っている場合は、むしろセッティング変更の方が効果的である。車高を上げたり、足回りを柔らかくしたり、ウィングを立てたりして、最適な状態とした上でコースに車両は送り出される。