コースの特徴
強風に警戒せよ。天候と作戦次第では、大会2日目にして早くも、総合争いから吹き飛ばされる選手が続出するかもしれない。
176人で構成されたプロトンをまず待ち受けるのは、バルト海に浮かぶシェラン島の海岸線巡り。コペンハーゲンの真西約35km、ロスキレから走り出すと、細かいフィヨルドを縁取るように走り続ける。今大会初の「逃げ」も盛り上がるだろう。ステージ前半には4級峠が3つ連続で登場し、今大会マイヨ・ア・ポワ第1号を大急ぎで決する。
200kmを超える長いステージは、今大会初の中間ポイント=残り75.3km地点を通過する頃には、緊迫感でいっぱいになっているはずだ。周囲に遮るものの何もない野原を突っ切り、ときには海沿いの道に出る。海の中には、これから自分たちが立ち向かう難関が見え隠れする。
そして残り21km、ツール一行は、いよいよグレート・ベルト橋へと走り込む。途中で上陸する小さなスプロウエ島に、風力発電塔がびっしり立ち並ぶことからも明白だ。ストア海峡(大ベルト海峡)を横切る全長18kmのこの橋には、いつだって凄まじい強風が吹き抜けている!
2015年第2ステージでツールが「海の上」を走った時(オランダのゼーラント)、雨と風とクイックステップのせいで、先頭に残れたのはたったの24人だった。2022年大会の第2ステージでは、フュン島の入り口のニュボーには、果たして何人でたどり着くのだろうか。
Fumyのステージチェック
これは恐ろしいステージですよ。ただでは済まない、そんな1日です。残念だけど総合系ですでに遅れちゃう選手もいるかもしれない。だって18kmの橋が終わった後にすぐフィニッシュですから。どう考えても橋の上ではすさまじい争いが巻き起こるし、しかも確実に横風が吹くでしょう。
途中に山岳が3つありますけど、第4カテゴリーなので、いわゆる丘みたいな感じ。もちろん、ツール・ド・フランスでマイヨ・ア・ポワを着るのは名誉なことなので、飛び出す選手は結構いるんじゃないかな?
ただ、おそらく中間ポイント前後から、レース展開はがらりと変わります。ここから海沿いの道を南下していく道の、「風向き」によっては、ものすごいことになりそうです。もしも追い風だった場合、とんでもなくスピードが上がる。その高速のまま橋に突入したら、一気にバラバラです!
大体、橋の上というのは、風が強いと決まってるもの。いやいや、でも、ここまで長いと、ちょっと泣きそうになりますね。しかも中間ポイントから動きだしたとしたら、18kmだけでは済まない。50km以上の戦いです。厳しすぎます。
横風スペシャリストの多いチームが必ず仕掛けてきます。フランドル系クラシックハンターやスプリンターが、最前線で集団を形成するでしょう。とにかく、このステージ後にマイヨ・ジョーヌを着ている選手は、しばらく守れる可能性が高いです。
総合系選手はできるかぎりチームでまとまって動くしかない。前に行こうと1人で無茶したら、最終的な被害が大きくなりかねない。たとえ少し遅れても、チームで動いたほうが、被害を最小限に留めることができる。そういう意味では、アシストの顔ぶれを考えると、イネオス・グレナディアーズやユンボ・ヴィスマは有利かなと。UAEチームエミレーツはクライマー系が多いのでちょっと気になるところではありますね……。
解説:別府史之 / 文:宮本あさか
距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
46KM/H | 44KM/H | 42KM/H | 46KM/H | 44KM/H | 42KM/H | ||
0km地点 | スタート地点 | 12:35 | 12:35 | 12:35 | 19:35 | 19:35 | 19:35 |
62km地点 | 4級山岳 | 13:56 | 13:59 | 14:03 | 20:56 | 20:59 | 21:03 |
72.5km地点 | 4級山岳 | 14:10 | 14:14 | 14:19 | 21:10 | 21:14 | 21:19 |
84km地点 | 4級山岳 | 14:25 | 14:30 | 14:35 | 21:25 | 21:30 | 21:35 |
126.9km地点 | 中間スプリント | 15:21 | 15:28 | 15:36 | 22:21 | 22:28 | 22:36 |
202.2km地点 | ゴール地点 | 16:59 | 17:11 | 17:24 | 23:59 | 0:11 | 0:24 |