ツール・ド・フランス2022

STAGE 11

第11ステージ

アルベールビル>コル・ド・グラノン・セッレ=シェヴァリ

151.7km
7月13日(水) 午後6:50 - 深夜1:15
/ J SPORTS 4J SPORTSオンデマンド
【現地実況・解説版】ステージ全編 午後7:05 - 深夜1:30 /J SPORTSオンデマンド限定
ベルナール・イノーが永遠にマイヨ・ジョーヌを失った場所

コースの特徴

第1ステージ

急勾配と標高。長い伝統と日付のせいで、翌第12ステージが「エタップレーヌ(女王ステージ)」と呼ばれるのだとしたら、今ステージの最終登坂は、今大会最難関との呼び声高い。2022年ツールを左右する熾烈な戦いが、薄い酸素の中で繰り広げられる。

30年前に冬季五輪の会場となり、10年前に史上2度目のツール会場となって以来すっかり常連と化したアルベールヴィルから、山の1日は始まる。ただ幸いにも、マイヨ・ヴェールを争う選手たちも、モチベーション高くステージに臨めそうだ。序盤の45kmは平坦で、16.5km地点に中間ポイントが設置されているからだ。

151.7kmという短距離ステージの、後半3分の2は、もちろんピュアクライマーだけに許された世界。まずは17のつづら折りで名高い2級ラセ・ド・モンヴェルニエ(3.4km、8.2%)へ。さらには1級テレグラフ(11.9km、7.1%)+5kmの軽い下り+超級ガリビエ(17.7km 6.9%)のおなじみ連続登坂へ。「2022年グランツール最高地点」である標高2642mのガリビエ山頂には、ツール創始者を記念したアンリ・デグランジュ賞もかけられる。

ガリビエのてっぺんからは、33kmもの長い長いダウンヒル。過去2回ガリビエがツールに登場したときは、このダウンヒルで勝負が決した。なにより2017年大会では、山頂手前でアタックを打ったログリッチが、今区間残り18km前後の地点で人生初のツール区間勝利をさらいとった。

しかし今回は、この先にクライマックスが待っている。超級グラノン峠の、全長11.3km、平均勾配9.2%の上りへと挑みかかる。中盤には3kmに渡って10%超のゾーンも続く。しかも標高2413mの山頂では、2022年グランツールで最も標高の高いフィニッシュが争われる。

この凄まじい山は、ツール史上、たった1度しか使用されたことがない。1986年にこの地で、フランス最後の総合覇者ベルナール・イノーが、永遠にマイヨ・ジョーヌを失ったせいかもしれない。




Fumyのステージチェック

fumyのステージチェック

アルベールヴィル。現役時代には聞きたくなかった地名です(笑)。だってこの町の名前を聞いただけで、「あ、山だ」って一瞬で悟りますから。もう諦めるしかないという。それにしても、このステージはえぐい。それしか言葉が出てこない。逆に笑っちゃいます。これぞツール・ド・フランス。走行距離は短いですけど、おそらく走行時間は他のステージと変わらないという……。

テレグラフ、ガリビエ、グラノン。どれも勾配が高いし、標高も高い。一応、酸素が薄くなるのって、ヨーロッパでは標高1500mからなんです。高地トレーニングも1500m以上から効果があると言われてます。だからガリビエの標高2600m超というのは、かなり酸素濃度が薄いということ。ただ、本来クライマーと呼ばれる部類の選手は、そういう低酸素の中でも問題なく走れる場合が多いので、標高によるトラブルは少ないかなと思います。

むしろグラノンの勾配って、プランシュ・デ・ベルフィーユと同じくらいきついんですよね……。つまりは、あそこでいい走りを見せた選手が、ここでも前に残る。そう考えると、第7ステージって、すごく重要です。今年のツール・ド・フランスの総合争いを占うステージであり、あそこで脚をどれくらい示せるかで、そこから先の戦い方が決まってくるという。

当然ですけど、上れる選手しか、前に行けないステージです。調子が良いとか、チームが良いとか、そういうの云々関係ない。山岳のスペシャリストしか絶対に勝てません。ここまで勾配がきついと、自動的に強者だけがセレクションされていきます。

ただ、序盤の平坦部分を利用して、ギヨーム・マルタンとかピエール・ローランとか、そういったタイプの選手が飛び出していくんじゃないかな。この頃になると、マイヨ・ア・ポワ狙いも視野に入ってくるし、絶好の山岳ポイント収集デーでもありますから。平地でアドバンテージを稼いで、山岳ポイントを争っていくはずです。

解説:別府史之 / 文:宮本あさか

Difference in height
高低差図
第11ステージ
Time schedule
タイムスケジュール
距離 ポイント 現地時間 日本時間
36KM/H 34KM/H 32KM/H 36KM/H 34KM/H 32KM/H
0km地点 スタート地点 12:30 12:30 12:30 19:30 19:30 19:30
16.5km地点 中間スプリント 12:53 12:54 12:55 19:53 19:54 19:55
49.9km地点 2級山岳 13:43 13:47 13:52 20:43 20:47 20:52
83.8km地点 1級山岳 14:43 14:51 15:00 21:43 21:51 22:00
106.7km地点 超級山岳 15:33 15:43 15:57 22:33 22:43 22:57
145.9km地点 超級山岳
ゴール地点
16:40 16:54 17:13 23:40 23:54 0:13

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