ツール・ド・フランス2022

STAGE 07

第7ステージ

トンブレーヌ>ラ・シュペールプランシュ・デ・ベルフィーユ

176.3km
7月8日(金) 午後8:55 - 深夜1:45
/ J SPORTS 4J SPORTSオンデマンド
【現地実況・解説版】ステージ全編 午後7:55 - 深夜2:00 /J SPORTSオンデマンド限定
プランシュ・デ・ベル・フィーユの激坂

コースの特徴

第7ステージ

10年前に初めて登場し、今回で早くも6回目。あっという間にツール常連となったプランシュ・デ・ベル・フィーユの激坂だが、「シュペル=スーパー=最高」の枕詞がつくのは2019年に続く2回目。つまり激坂の先の、もっとすごい激坂が、総合争いの選手を審判にかける。

スタートは10年前と同じくトンブレーヌで、使用されるコースとパターンもほぼ同じ。ステージ前半は、平坦でほぼ真っすぐな道を延々と南下する。後半でいよいよヴォージュ山塊に突入するが、2つの3級峠と小さな起伏をいくつかこなすだけ。つまり最終登坂前にすでに1級3つを含む6峠を越えた2014年や2019年とは違うのだ。開催委員会の定める区分によれば今区間はあくまで「起伏ステージ」扱いで、純粋に、プランシュ・デ・ベル・フィーユでの登坂がステージを決する。

登坂口からいきなり勾配13%という恐るべき坂道は、6kmほど上った先では20%にも達する。そう、いつもなら、この切り立った地点で、勝敗は争われる。しかし「シュペル」のフィニッシュ地点へは、そこからさらに1.1kmもよじ登らねばならない。この付け足し部分の平均勾配は9.5%で、しかもグラベルあり、24%あり。ちなみに壁のような道をびっしり埋め尽くすのは、地元っ子ピノを応援する「Pinot」ペイントだ!

総合優勝を狙う選手は、このトータルで全長7km、平均勾配8.7%の試練を、絶対に失敗することはできない。ポガチャルがとんでもない逆転劇を成功してしまった2020年大会を含め、この山のてっぺんでは、毎回、総合首位交代劇が起こってきた。しかも5回中4回は、ここでマイヨ・ジョーヌを着たものが、パリでも黄色の栄光に輝いている。




Fumyのステージチェック

fumyのステージチェック

勝負が動くのは間違いなく最後の最後。でも、大きな逃げができるかもです。こういうステージって、20人ぐらいの逃げが行くことが多い。あまりにも勾配がきついフィニッシュだと、集団も無理には追わずに、総合系は総合系だけでタイム差を争うみたいな。

ただ逃げはさくっとは決まらないでしょう。みんな同じこと考えてるから、逃げができるまで長いはずです。ゴールデンチケットを手に入れようとがんがん行くんですけど、なかなか逃がしてもらえない。あまり集団が大きすぎても潰されますし。

しかも最初の方はイージーですから。これで序盤にきつい山が1つでもあれば、そこで強い選手が動いて、面白い逃げが形成されるんですけど。ただここで逃げたい選手たちって、すでにタイムもかなり失っているだろうし、さらにタイムを失ったところで別に総合には関係ないから、逃げられたらそれで良し、逃げられなくてもそれで良し!みたいな。まさに当たって砕けろの精神のはず。最初の1時間くらいはアタック合戦で、50kmくらい走ってから、ようやく逃げができるんじゃないかな。

最終登坂以外はそれほど厳しくないので、アシストたちは麓までしっかり仕事ができます。ただ、プランシュ・デ・ベルフィーユの上りに入ってからは、逆にアシストがいても大して意味はない。勾配が厳しすぎるんです。

勾配7%を超えると、山の表情は大きく変わります。で、ここは、平均勾配が9%近くて、マックスは24%。もう別問題ですね(笑)。しかも休むところもなく、常にずっと登りっぱなし。もはやチームの仕事でも、駆け引でもなく、単純に個々の力の差が成績に反映されます。ひたすら上りに特化した強いクライマーだけの勝負です。下から頂上まで、パワーを上手くマネージできた選手が勝ちます。

早い段階でマイヨ・ジョーヌを着ちゃうと、その分チームが疲労してしまうので、本来は避けるべきです。今年のジロもカラパスが結構早目にマリア・ローザを着て、アシストたちのダメージが大きかった。それでも、この山では、望む望まないに関わらず、本当に強い選手がジャージを取らざるをえないかもしれない。まあ、でも、なんだかんだタデイ・ポガチャルがさくっと行っちゃうんじゃないかと思いますけどね(笑)。あまり後のことは考えずに「勝てるなら勝っておいた方が良いじゃん」みたいな。

実はアシスト陣にとっては、このステージはイージーです。序盤に山岳があるわけでもないし、最後がコントロールできるような勾配の山でもない。つまり山の麓まで引ききれば、ほぼ仕事終了。後はのんびりと「また明日に備えよう」って感じですかね。最終登坂は距離も短いので、タイムカットを気にする必要もない。まあこの勾配だと、グルペットよりも1人で走ったほうが楽ですよ。

解説:別府史之 / 文:宮本あさか

Difference in height
高低差図
第7ステージ
Time schedule
タイムスケジュール
距離 ポイント 現地時間 日本時間
44KM/H 42KM/H 40KM/H 44KM/H 42KM/H 40KM/H
0km地点 スタート地点 13:15 13:15 13:15 20:15 20:15 20:15
101.2km地点 中間スプリント 15:30 15:36 15:43 22:30 22:36 22:43
107.7km地点 3級山岳 15:41 15:48 15:56 22:41 22:48 22:56
136.1km地点 3級山岳 16:17 16:26 16:35 23:17 23:26 23:35
176.3km地点 1級山岳
ゴール地点
17:17 17:29 17:43 0:17 0:29 0:43

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