ツール・ド・フランス2022

STAGE 12

第12ステージ

ブリアンソン>ラルプデュエズ

165.1km
7月14日(木) 午後7:40 - 深夜2:25
/ J SPORTS 4J SPORTSオンデマンド
【現地実況・解説版】ステージ全編 午後7:55 - 深夜2:45 /J SPORTSオンデマンド限定
伝説的なステージ

コースの特徴

第1ステージ

フランス革命記念日に、伝説的なステージが用意された。勝負の舞台は、今から70年前の夏に、ツール史上初めての「山頂フィニッシュ」が争われたラルプデュエズ。しかもスタートからフィニッシュまでのコースは、1986年大会第18ステージの完全なる再現だ。

スタート11.8km地点に中間ポイントが設定されているのは、グルペットで1日を過ごさねばならないスプリンターたちへの、開催委員会からのちょっとした優しさ。なにしろブリアンソンから始まるステージには、3つの巨大な超級峠と、4750mもの累計獲得標高が待ち構える!

まずは一直線に超級ガリビエへ向かう。前日にも登場した「2022年グランツールの屋根」標高2642mの山頂へは、今区間は反対側(登坂距離23km、平均勾配5.1%)から攻める。そこからの40kmも続く長い長い下りの途中には、当然、前日は1級山岳に指定されたテレグラフ峠への5kmのミニ登坂も含まれる。

続いて超級クロワ・ド・フェールの、29kmという果てしない上り。全体的な平均勾配こそ5.2%に留まるが、これは単に途中で2度の下りを挟むから。序盤の上りパートには1kmの約10%ゾーンがあり、第2パートでは4kmに渡って9〜10%超の勾配が続く。また標高2000mを超える山頂手前は、ひどく道の細いつづら折りが続く上に、勾配も8%前後と決して簡単ではない。

そしてこの日の主役、超級ラルプデュエズへ。4年ぶりに訪れる全長13.8km・勾配8.1%の山道は、コロナ前のように、とてつもない数の熱狂的ファンで埋め尽くされるのだろう。山道を一番に駆け上がった王者には、「21のつづら折り」の第12カーブの表示版に、1984年大会区間覇者ルイス・エレラと共にその名を永遠に刻むことが許される。

ただし今年オマージュを贈るのは、上述通り1986年大会。前区間のフィニッシュ地でベルナール・イノーが永遠にマイヨ・ジョーヌを失ったのだとしたら、その翌日に、フランス最後のツール王者イノーが若きチームメートノグレッグ・レモンと手と手を取ってフィニッシュし、世代交代を印象づけたのがここラルプデュエズ山頂だった。




Fumyのステージチェック

fumyのステージチェック

スプリンターにとってはまるで悪夢。だってガリビエもテレグラフもまたまた登場しますから……。「昨日走ったじゃん!逆走じゃん!」って愚痴りたくなっちゃうと思いますよ。いやー、これはきつい。しかも最初がガリビエで、最後がラルプデュエズと言ったら、嫌がらせとしか思えない(笑)。

同時に総合系リーダー泣かせでもあります。だってグランツールって、山頂フィニッシュと個人タイムトライアルをがんばれば、リーダージャージが見えてくる……というレースですよね?でも今大会は、肝心の山頂フィニッシュが、1週目の後半からずーーーっと続いてる。つまり総合系リーダーは毎日毎日がんばらなきゃならない。アシストよりも、総合系リーダー本人のほうが、はるかにがんばらなきゃならない。ちょっと可哀想にも思うくらい、きつい。

もちろん真のチャンピオンを決めるために、あえて厳しいコースを作ったのかもしれません。でも、連日がんばりすぎたせいで、この辺で調子を大きく崩して総合争いから完全に脱落していく選手がいる可能性もあります。

今年はこういうコースだからこそ、総合系リーダーは本当に慎重になるべきです。大会序盤から飛ばして早めにマイヨ・ジョーヌを取るのは、できるだけ避けるべき。別にステージが取れなくてもいいから、逃げに行かせて、体調をコントロールしながら、バランスを見ながら連日レースを組み立てていく……。心にゆとりと自信があるならば、そういう走りをしたほうがいい。さもなきゃ総合系リーダー本人をがんばらせすぎて、このへんで急ブレーキがかかることになりかねません。まあUAEチームエミレーツとかは、そういう上手い振る舞いができそうな気がしますけど。

それにしても、イノーとレモンの物語を聞くと、そんな昔も同じ場所を走ってたというのだから恐ろしいですね。機材の進化した現代なら、まだありえるコースだと思うんです。でも、こんなえげつないステージを、当時も走ってたって思うと……泣きそうになります。でも総合系リーダーたちは、こんな道でも平気で走り、走り終えてもピンピンしているという。それもまた恐ろしい話ではあるんですけど、つくづくサイクリストの身体能力の高さを思いしらされます。

解説:別府史之 / 文:宮本あさか

Difference in height
高低差図
第12ステージ
Time schedule
タイムスケジュール
距離 ポイント 現地時間 日本時間
36KM/H 34KM/H 32KM/H 36KM/H 34KM/H 32KM/H
0km地点 スタート地点 13:20 13:20 13:20 20:20 20:20 20:20
11.8km地点 中間スプリント 13:40 13:41 13:42 20:40 20:41 20:42
33.2km地点 超級山岳 14:15 14:18 14:22 21:15 21:18 21:22
110.6km地点 超級山岳 16:24 16:35 16:47 23:24 23:35 23:47
165.1km地点 超級山岳
ゴール地点
17:55 18:11 18:29 0:55 1:11 1:29

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