コースの特徴
アルプスとピレネーを無事に乗り越えた平地巧者たちにとって、ようやく脚の見せ所。2日後のシャンゼリゼの予行練習も兼ねて、思い切り全力でスプリントを争いたい。一方で大逃げ巧者にとっては、この日が間違いなく最後のチャンスとなる。
大移動を兼ねた188.3km。サッカー大国の中の、ラグビー熱の高い土地からスタートを切る。人口1000人にも満たない小さなカステルノー・マニョアックは、昨季「ワールドラグビー年間最優秀選手賞」を受賞したアントワーヌ・デュポンがラグビーを始めた村。つまり2023年秋のラグビーW杯フランス大会に胸を膨らませつつ、プロトンはひたすら北を目指す。
序盤の中間ポイントは軽い足慣らし。ところどころに小さな起伏が顔を出し、残り53kmと36kmに4級峠が登場するものの、3週間生き残ってきたスプリンターたちが乗り越えられないような難所ではないはずだ。
ただし、3週目の終わりは、いつだって集団コントロールが難しい。5月のジロでは、平坦な第18ステージで、わずか4人の逃げ集団がまさかの逃げ切りをもぎ取った。しかも最後にカオールでフィニッシュした……28年前は、やはり平地ステージだったのにも関わらず、大胆な独走逃げ切り勝利が決まっている。スプリンター隊列と逃げ集団の思わぬ駆け引きが、見られるかもしれない。
フィニッシュはロット川のほとりで争われる。14世紀に建立されたヴァラントレ橋を横目に見つつ、残り1.5kmから川の蛇行に合わせて長い左カーブをこなしたら、ラスト900mはラインまで一直線だ。
Fumyのステージチェック
たしかに最後の最後に逃げ切りのスペクタクルも見たいですけどね。総合系リーダーたちにとっては、逃げを許したところでなんの問題もないわけです。だから放っておくはずです。そうなると、あとは、スプリンターチームがちゃんと制御を保って、最後まで引き切れるかどうか。それだけです。
でも、まあ、すんなりとスプリントフィニッシュになるんじゃないかな。ジロの第18ステージのような、逃げ切りの可能性は少ないと思います。ジロは最終盤にスプリンターの人数がかなり少なくなってましたけど、ツールは、たとえ今年のコースがきついにしても、まだかなりたくさんのスプリンターが残ってるはずなんです。シャンゼリゼに備えて。
しかも、連日のぎざぎざの山岳コースで、スプリンターたちはひたすら我慢してきましたから。総合系のリーダーばかりがずーっと前で争っていて、その他大勢はレースを消化してきただけ。だから、ここぞという出番がやってきたスプリンターたちが、奮起して活躍してくれるんじゃないかな。
もちろん「逃げ屋」がゲームを仕掛けてくる可能性もあるとは思います。たいして協力せずに、最後4級山岳が終わったら引き始めるか……というチームもあるかもしれません。結局のところスプリンターとアシストたちに脚が残っているか残っていないかにかかってます。
ラスト5kmを見ると、大きくループしてはいます。ただテクニカルかテクニカルじゃないかって言われたら、それほどテクニカルじゃない。難しいフィニッシュではないので、個人タイムトライアルの前日ですし、総合系リーダーは落ち着いて1日を終えることになるでしょう。
解説:別府史之 / 文:宮本あさか
距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
46KM/H | 44KM/H | 42KM/H | 46KM/H | 44KM/H | 42KM/H | ||
0km地点 | スタート地点 | 13:10 | 13:10 | 13:10 | 20:10 | 20:10 | 20:10 |
38.4km地点 | 中間スプリント | 14:00 | 14:02 | 14:05 | 21:00 | 21:02 | 21:05 |
135.7km地点 | 4級山岳 | 16:07 | 16:15 | 16:24 | 23:07 | 23:15 | 23:24 |
152.6km地点 | 4級山岳 | 16:29 | 16:38 | 16:48 | 23:29 | 23:38 | 23:48 |
188.3km地点 | ゴール地点 | 17:16 | 17:27 | 17:39 | 0:16 | 0:27 | 0:39 |