コースの特徴
まるで今ツールの2週目は「フランス人が勝てなかった山巡り」のようだ。2015年はピノとバルデがお見合いしすぎて勝利を落とし、2018年は赤玉アラフィリップが追走むなしく2位に終わったマンドの激坂へ、悔しい思い出の上書きに向かう。
前区間のフィニッシュを争ったサンテティエンヌから、プロトンは南下を開始。スタート直後から2つの3級峠を含む細かいアップダウンが続き、逃げの形成を誘発する。5年前に休息日を過ごしたピュイ・アン・ヴレーを過ぎ、ステージ半ばをすぎると、起伏は高さも長さもボリュームを増す。そこから無印の峠をひとつと、3級峠を2つこなしたら、いよいよ最終登坂へ。
マンド街中の観光案内所の角を、ふと曲がると、いきなり平均勾配10.2%、最大16%の上り坂が始まる。2級クロワ・ヌーヴ坂=新十字との名が示す通り、山の上には、巨大な十字架がマンドの町を見下ろすように立っている。ただし自転車界ではむしろ、1995年大会で初登場のこの坂を制したフランス人ローラン・ジャラベールにちなんで、「モンテ・ジャラベール」として知られる。あれ以来4度、ツールのプロトンはこの激坂で熱戦を繰り広げてきたが、前述の通り、フランス人たちはあとわずかのところで勝利を逃してきた。
全長3kmの激坂を上り詰めただけでは、勝負は終わりではない。フィニッシュラインは、山頂から1.5km先の、マンド・ブルヌー飛行場の平坦な滑走路に引かれている。
Fumyのステージチェック
走っている方も、見ている方も、長くて苦しい1日になりそうですね。びっくりするほど遅れたり、リタイアする選手も出てきそう……。1つ1つの上りはきつくないですけど、最初から最後まで延々とアップダウンが続くので、序盤で脱落してしまうともはや遅れが取り戻せなくなるかもしれないです。
3級、3級、3級、3級、2級と、カテゴリー的には大した山ではないように見えるかもしれません。でも選手的には、平坦か、それとも大きな上りだけか、どっちかはっきりしてもらった方が楽なんですよ。こんな風に、もしかするとトータルの獲得標高的には結構上ってるんじゃないの?ってコースは嫌なもの。細かく上って下ってを延々と繰り返していると、知らないうちに脚が削られていく。だから序盤は調子が良くても、後々になってあれ?おかしいぞ?となる。ペダリングに支障が出て、スムーズに走れなくなる。
ステージ中盤以降にダメージが確実にじわじわ来ますね。しかもこのステージ中にダメージの影響が現れなかったとしても、翌日とか、翌々日とか、疲れが尾を引いて残りますよ。
とにかくラスト3kmは10%あるので、脚のある選手しか前に残りません。きついアップダウンがあるステージなので、逃げを行かせちゃう感じかな。総合勢はムキになるよりも、スマートに済ませたいんじゃないかなと思いますけどね。
いや、でも、もしかしたら総合10位圏外に落ちて、タイム差も結構ついてしまった総合系リーダーが、本気で動いて遅れを埋めに行く展開もあるかもしれないです。そうなると、どっちに転がるか読めなくなります。色々とサスペンスを起こす余地があるのも、このタフなステージが挟み込まれた理由かもしれないです。
解説:別府史之 / 文:宮本あさか
距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
42KM/H | 40KM/H | 38KM/H | 42KM/H | 40KM/H | 38KM/H | ||
0km地点 | スタート地点 | 12:30 | 12:30 | 12:30 | 19:30 | 19:30 | 19:30 |
14.2km地点 | 3級山岳 | 12:50 | 12:51 | 12:52 | 19:50 | 19:51 | 19:52 |
39.1km地点 | 3級山岳 | 13:26 | 13:29 | 13:32 | 20:26 | 20:29 | 20:32 |
50.7km地点 | 中間スプリント | 13:42 | 13:46 | 13:50 | 20:42 | 20:46 | 20:50 |
135.3km地点 | 3級山岳 | 15:43 | 15:53 | 16:04 | 22:43 | 22:53 | 23:04 |
162.1km地点 | 3級山岳 | 16:22 | 16:33 | 16:46 | 23:22 | 23:33 | 23:46 |
191km地点 | 2級山岳 | 17:03 | 17:16 | 17:32 | 0:03 | 0:16 | 0:32 |
192.5km地点 | ゴール地点 | 17:05 | 17:19 | 17:34 | 0:05 | 0:19 | 0:34 |