コースの特徴
アルプスを抜け出したプロトンは、ピレネーへ向けた大移動を始める。行く手に立ちはだかるのは3つの小さな山岳と細かい起伏のみ。総合勢は静かな1日になることを願い、平地巧者たちは久しぶりのチャンスに奮闘する。
前日の熱戦地ラルプデュエズの麓から、下り基調のスタート。30km地点で3級峠を越えると、そこから30kmほどは、山に囲まれた平坦な道を進む。
この平地の終わりに、ツール一行は、いわゆる「ローヌの谷」へと走り入る。東のアルプスと西の中央山塊に挟まれたこの長い谷間は、地方風ミストラルの通り道。ただ強風は吹き抜けるのはもう少し南……のはずだ。それでも各コーナーの前後は、緊迫感が集団を包み込むかもしれない。このローヌ谷の入り口で2級峠をこなし、ステージ半ばで中間ポイントも争われる。
そして残り60km、中央山塊の端っこの、ピラ山地へと足を踏み入れる。3級峠と小さなアップダウンが、ステージ最終盤を活気づける。
フィニッシュはサンテティエンヌ。20世紀初頭には自転車産業で栄えたこの都市の誇りは、むしろ60年代から70年代にかけて無敵を誇ったサッカーチームで、今回もやはりASサンテティエンヌのホーム、ジョルフォワ・ギシャール競技場前にフィニッシュラインは引かれた。
ちなみに同チームの愛称は「レ・ヴェール(緑軍団)」。3年前は、この地で、デヘントが脅威の逃げ切りを成功させた。2022年こそ、緑をこよなく愛するこの町で、マイヨ・ヴェールへ向けたスプリントが見られるだろうか。
Fumyのステージチェック

休息日……にはならないですね。距離も長いし、この辺はすごく暑いし、丘もいくつもある。気が抜けないですし、結構、脚にくるステージです。それでも、ゆっくり走るとは、思うんすけど。逃げ集団を早めに行かせて、総合系リーダーたちは、連日の山岳ステージでの消耗を回復できるような走りをしたいんじゃないかな。
風が吹くなら、北風か南風かのどちらか。つまり横風が吹く可能性があるって事です。ただ、風が本当に強いのは、ここよりもっと北とかもっと南。もちろんローヌ川を挟んで谷間になっているせいで、風が強いと言われてる地域ではあるので……その日の天候次第ですね。2級山岳から3級山岳にかけて、なんだかんだ風が吹きそうな気もしますけど、まあ、それほど心配しなくても大丈夫なはずです。
いわゆるトーマス・デヘントが好きそうなタイプのプロファイルです。ピュアスプリンターチームが果たしてコントロールできるか、そして確実にピュアスプリンターが勝てるか、って考えると、逃げの方が有利かな。
でも、たしかに、じゃあここを逃したらスプリンターの活躍する場所ってどこ?ってことにもなっちゃう。だからヤスパー・フィリプセンのような、生き残ったスプリンターたちが、張り切って仕事しそうな感じもしないでもないです。
つまり残り少ないスプリントが出来るステージ。ただ連日、山を登ってきたから、スプリンターや彼らを取り巻くアシストたちの体調は100%ではない。だからこそ、いわゆる「逃げ屋」たちが、ゲームを挑んでくる。最後に勝つのは、上手くプレーした選手です。
解説:別府史之 / 文:宮本あさか

距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
47KM/H | 45KM/H | 43KM/H | 47KM/H | 45KM/H | 43KM/H | ||
0km地点 | スタート地点 | 13:20 | 13:20 | 13:20 | 20:20 | 20:20 | 20:20 |
30.4km地点 | 3級山岳 | 13:59 | 14:00 | 14:02 | 20:59 | 21:00 | 21:02 |
79.2km地点 | 2級山岳 | 15:01 | 15:06 | 15:10 | 22:01 | 22:06 | 22:10 |
101.6km地点 | 中間スプリント | 15:30 | 15:35 | 15:42 | 22:30 | 22:35 | 22:42 |
148.6km地点 | 3級山岳 | 16:30 | 16:38 | 16:47 | 23:30 | 23:38 | 23:47 |
192.6km地点 | ゴール地点 | 17:26 | 17:37 | 17:49 | 0:26 | 0:37 | 0:49 |