ワールドカップで活躍したタレント3人も加入、王座奪還を目指す

昨季はレギュラーシーズンで3位、プレーオフでは準決勝で敗れて4位に終わった東京サントリーサンゴリアス。トップリーグは5度優勝しているだけに、今季こそ、伝統のアタッキングラグビーで、リーグワン初優勝を飾りたいところだ。

リーグワンとなり、「東京から世界へ日本ラグビーを牽引し、世界へ認知されるクラブへ」という意味を込め、ホストエリアを東京都・港区・府中市・調布市・三鷹市と定め、「東京」を冠してサントリーサンゴリアスから現チーム名となった。ホストスタジアムは主に『味の素スタジアム』を使用している。

サンゴリアスは「アグレッシブ・アタッキング・ラグビー」を掲げて常に優勝争いを演じてきたが、昨シーズンは失点こそリーグ3位の少なさだったものの、得点はリーグ5位とやや低迷してしまった。今季はよりアグレッシブに得点、トライを重ねていきたいところだ。

前オーストラリア代表監督で、日本代表監督でもあったエディー・ジョーンズは引き続き、DOR（ディレクター・オブ・ラグビー）としてチーム作りに関わっており、今季も2018年度に明治大学を大学選手権優勝に導いた田中澄憲監督が、指揮を執っている。また、OBであり元日本代表の小野晃征、ヒュー・ホーガンが新たにアシスタントコーチに就いた。

自身もサンゴリアスの選手としてプレーしていた田中監督は「もう一度、サンゴリアスらしいチームを作りたい」と、昨季は「SUNGOLIATH PRIDE」を掲げたが、今季は「THIS IS SUNGOLIATH」をスローガンに掲げた。「チャンピオンを目指して、みんなで進んでいく。1人ひとりの努力、行動がすごく大事になってくる。本当にサンゴリアスですか、と常に自分に問いかけてほしい」（田中監督）。

また、今季のサンゴリアスには3人のビッグネームが加入した。ワールドカップでオールブラックスの主将を務めたFL（フランカー）サム・ケイン（チーフス）、ワールドカップ連覇に貢献した南アフリカ代表WTB（ウイング）で「ポケット・ロケット」の異名を取るチェスリン・コルビ（RCトゥーロン）、そしてワールドカップのウェールズ代表SO（スタンドオフ）ガレス・アンスコム（オスプリーズ）の3人だ。

さらにワールドカップ日本代表にはPR（プロップ）垣永真之介、HO（フッカー）堀越康介、FL下川甲嗣、SH（スクラムハーフ）齋藤直人、流大、CTB（センター）中村亮土、FB（フルバック）松島幸太朗と7選手が選ばれており、ワールドカップには出場できなかったが、日本代表CTB中野将伍、日本代表候補だったPR小林賢太らとともにチームの中軸となる。

他にもPR石原慎太郎、森川由起乙、中野幹、細木康太郎、HO呉季依典、LO（ロック）小林航、辻雄康、ラインアウトの要、ハリー・ホッキングス、カラム・マクドナルド、バックローにはベテランの元日本代表ツイ ヘンドリック、飯野晃司、元オーストラリア代表ショーン・マクマーン、箸本龍雅、タックラーの山本凱らがおり、層は厚い。

BK（バックス）もSH大越元気、CTB尾﨑泰雅、イザヤ・プニヴァイ、バックスリーには昨季のトライ王WTB尾﨑晟也に、中靍隆彰、江見翔太、仁熊秀斗、河瀬諒介、FB雲山弘貴、UTB（ユーティリティーバックス）森谷圭介、トニー・アロフィポらがいる。

また、他チームからHO土一海人（日野レッドドルフィンズ）、LOトレヴァ・ホゼア（レベルズ）、FL／LOサム・ジェフリーズ（ブリストル）、FL／LOシオネ・ラベマイ（浦安D-Rocks）、タマティ・イオアネ（レベルズ）、FL／NO8フェインガ・ファカイ（クリタウォーターガッシュ昭島）、CTBジョー・カマナ（豊田自動織機シャトルズ愛知）が加入。

大卒新人としてPR大賀宗志（明治大学）、LO／NO8サイモニ・ヴニランギ（大東文化大学）、FL／NO8（ナンバーエイト）相良昌彦（早稲田大学）、SO髙本幹也（帝京大学）らも加わり、さらに選手層が厚くなった。

今季のリーダ陣には、昨季は共同キャプテンを務めたHO堀越が単独でキャプテンに、そして副キャプテンには春からチームを引っ張ってきたLOホッキングス、昨季のトライ王であるWTB尾﨑晟也の2人がそのまま就いた。

2017年度のトップリーグ以来、タイトルを手にしていないサンゴリアス。今季は、リーグ戦からチーム一丸となってアタッキングラグビーでトライを重ね、リーグワン初優勝を飾りたい。

TEXT:斉藤健仁