エリス・ゲンジ

イングランドのブリストル生まれ。幼少期はサッカーをやっていたが、12歳でラグビーを始めて、最初はバックローだったという。

U17、U20のイングランド代表に選ばれるようになると、コーチの勧めがありフロントローでプレーするようになった。18歳の時、PRであれば契約すると言われて本格的に1番に転向し、ブリストルに入団。2013年にシニアチームにデビューを飾った。

2016-17シーズン、レンタルでレスタータイガースへ移籍。2016年5月、トゥイッケナムでのウェールズ代表戦で初キャップを得た。そのままオーストラリア遠征のメンバーにも選ばれ、その年のイングランド国内の新人賞を受賞。翌年、追加招集で『ブリティッシュ＆アイリッシュ・ライオンズ』のオーストラリア遠征に参加した。

2019年、自身初の『ワールドカップ』メンバーに選出され、プールステージのトンガ代表戦と、アメリカ代表戦の2試合に途中出場。2020年からはイングランド代表の1番に定着した。キャプテンを務めていたレスターでは、2021-22シーズンに『プレミアシップ』のタイトルを獲得した。翌シーズンからは地元のブリストルに復帰を果たした。

2022年はワールドラグビーの『ベスト15』にも選ばれ、2度目となる2023年フランス『ワールドカップ』では、副キャプテンも務めた。2025年の『シックス・ネーションズ』では全試合に出場し、うれしいライオンズ初招集となった。

◆母方の祖父はアフリカ系アメリカ人。ニックネームは「サイの赤ちゃん」（Baby Rhino）。若い頃は発達性協調運動障害や、偏見で苦しんだ時期もあったという。妹が1人いてラグビーをやっている。ブリストルの若者の機会均等を支援する財団を設立した。故郷の地区10文字「Knowle West」タトゥーを10本の足の指に1文字ずつ入れている。

TEXT by 斉藤健仁