ブエルタとは?

ブエルタ・ア・アスパーニャとは

ブエルタ・ア・アスパーニャとは 栄誉ある「マイヨ・ロホ」こと、真っ赤に燃えるリーダージャージを目指して男たちが凌ぎを削る

年間3つ目のグランツール、スペイン一周は、未だ灼熱の太陽が照りつける乾いた大地で行われる。 見渡す限りの荒野、もしくは果てしないオリーブ畑の中をプロトンは延々と進む。風景の変化は乏しいが、その代わり地形の起伏はとてつもなく激しい。大会序盤から難関山岳が組み込まれることもしばしば。山頂ゴールの数も容赦なく多い。

地中海岸のコスタ・ブランカ(白い海岸)にて、第74回ブエルタ・ア・エスパーニャは開幕する。1年前は9年ぶりに個人タイムトライアルで走り出したが、今年は「伝統」に立ち返って、全22チーム・8選手制によるチームタイムトライアルで初日マリア・ロホを決定する。

2019年大会のタイムトライアルは、団体種目の第1ステージ・13.4kmと個人走の第10ステージ・36.2kmの2区間。開催委員会のデータによれば3週間21日ステージの走行総距離は3272.2km。ステージの内訳は平坦6、起伏4、山の大好きなスペイン一周にふさわしく難関山岳ステージは全部で9区間。なにより起伏・難関ステージに散らばる山頂フィニッシュは、昨大会と同じく全部で9回用意された。うち5つの上りフィニッシュがブエルタ初登場の山だ。また21日間でプロトンは全部で57の山岳を乗り越える。これは昨大会より11も多い!ちなみにブエルタにありがちな「平地ステージに区分されているのに最後が上り」的なステージも、3つほど隠されている。

3週間で初めての山頂フィニッシュは、早くも5日目に訪れる。いきなりフィニッシュラインは……標高2000m級(1950m)に引かれるからして、準備の出来ていない者はあっさり振り落とされてしまう危険性あり。しかも3日連続の山頂フィニッシュ。1週目の終わりに総合争いが大きく絞り込まれるかもしれない。

3連戦からほんの中1日で、恐ろしい第9ステージがやってくる。1回目の休息日の前日、開催委員会が選手たちにぶつけるのは、近頃流行りの超短距離ステージ94.4km。ピレネーの山奥の小国、アンドラを舞台に繰り広げられる山岳ステージは、スタートからフィニッシュまで上って下りての繰り返しのみ。全部で5つの峠を越え、最終盤には4kmの未舗装路を走り、しかも締めくくりは標高2095m!

フランスのポーで一休みしたプロトンは、隣国で個人TTを戦った後、再びスペインへと入国する。次なるマイヨ・ロホの勝負地は第13ステージ。中級山岳を6つ乗り越えた後に……突然やって来る超級山岳の恐怖。しかも最終峠ロス・マチュコスは最大勾配28%という異次元の世界へと我々を誘う。

第15、16ステージで2日連続の山頂フィニッシュを終え、2度目の休息日を迎えるころには、総合争いの大勢は決しているだろうか。第20ステージには大会最後の難関山岳ステージが待ち受ける。しかも最終峠グレドスは3級カテゴリーながら、大会初登場にして、勾配20%超のゾーンも潜んでいる。そして山頂でマイヨ・ロホを身にまとっていた選手こそが、翌日のマドリードにて、2019年ブエルタ・ア・エスパーニャの総合覇者として祝福を受けるのだ。

前回大会を振り返る

アンダルシアのマラガから、シーズン最後のグランツールは走り出した。チームスカイ(現イネオス)のクリス・フルームとゲラント・トーマス……「以外」のほぼ全グランツールレーサーがスタートラインに集結し、栄光の赤いジャージを豪華に奪い合った。

3週間の前半は、むしろ「虹色ジャージ争奪戦」の行方を占う戦いとなった。初日と第16ステージに2度の個人タイムトライアルを制したローハン・デニスは、閉幕10日後に同種目で念願のアルカンシェルを身にまとった。またアレハンドロ・バルベルデは開幕1週間で2つのアップヒルフィニッシュを勝ち取ると、9月末には38歳で世界チャンピオンに輝いた。

全部で9つの山頂フィニッシュが組み込まれた山岳大戦は、第9ステージ、つまり2つ目の山頂フィニッシュで本格的な総合争いが勃発した。アレハンドロ・バルベルデからわずか1秒差で、マイヨ・ロホを手にしたのはサイモン・イェーツ。同年のジロ・デ・イタリアでは6日目から12日間連続でマリア・ローザを着用しながら、閉幕2日前に力尽きたひどく苦い思い出を教訓に、サイモンは12日目で一旦リーダーの座を手放した。

ただし第13ステージからの3連続山頂フィニッシュの中日、つまり第14ステージでステージを制すると、再び総合首位の座を掌握。翌第15ステージではアスタナの組織的な動きと、総合ですでに大きく後れを取っていたティボー・ピノの攻撃を利用して、危険な位置につけるモビスターコンビ(ナイロ・キンタナ&バルベルデ)を突き放すことにまんまと成功する。

大会2回目の休息日を終え、32kmの個人タイムトライアルで好走を見せたイェーツは、最終週になっても勢いを落とさなかった。第19ステージでは再びピノの攻撃にすばやく飛び乗り、総合ライバルたちからことごとくリードを奪い取った。

一方で第17ステージでキンタナは、総合争いから大きく後退。そのキンタナの攪乱作戦もむなしく、長らく総合2位の座にしがみついてきたバルベルデも、ついに第19ステージで力尽きた。翌第20ステージの、全長100kmにも満たないコースに6つの山がぎゅうぎゅうに押し込められたコースで、若きエンリク・マスとミゲルアンヘル・ロペスがワンツーフィニッシュを果たし、総合表彰台の座をつかみ取ったのに対して、40間近の大ベテランは人生9度目のグランツール表彰台乗りのチャンスを完全に失った。

ジロに忘れ物をしてきた……というサイモン・イェーツが、27歳でついに初めてのグランツールタイトルを手に入れた。サイモンの総合制覇はまた、大英帝国の栄華をあまねく世界に知らしめた。スペイン一周を2年連続で英国選手が制したばかりか、2018年の3つのグランツール全てを英国人が勝ち取ったことになる(ジロ:フルーム、ツール:トーマス、ブエルタ:イェーツ)。また総合2位の23歳マス、3位の24歳ロペスと合わせて、表彰台に上った3選手の平均年齢は24.8歳。1965年ツール・ド・フランス以来最年少表彰台という若くフレッシュな顔ぶれは、新しい時代の幕開けを感じさせた。

photo : ©Yuzuru Sunada

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