ジロ・デ・イタリア2021

ついに大会最後の週末に突入し、運命の山頂フィニッシュ2連戦。3週間前に開幕を祝ったピエモンテ州を再び訪れ、マリア・ローザ争いはもちろん、総合表彰台やトップ10を巡る戦いはいよいよクライマックスに達する。

3つの山をよじ登る1日はまた、北イタリアの湖水地方を巡る旅でもある。2日後に到着予定のミラノ郊外から走り出すと、まずはオロタ湖へ。ユネスコ世界遺産に登録された湖畔の「聖なる山（サクロ・モンテ）」を、横目に仰ぐ幸運にも恵まれそうだ。その後いよいよ第1の登山。1級モッタローネ（登坂距離15.4km、平均勾配6.7％）は道幅がひどく細く、中盤には3.5kmに渡り10％超の難ゾーンも潜む。

そこからマッジョーレ湖めがけてダウンヒル。邸宅の並ぶ美しき湖畔を堪能し、もう一度だけオルタ湖へと立ち寄ったら、湖に別れを告げ3級峠へ。そして最終1級アルペ・ディ・メーラへ。

ジロ史上初登場の頂は、九十九折の連なる全長9.7kmの道の果て。平均勾配は9％と高く、しかも登れば登るほど苦しみは増していく。なにしろ後半7kmで一気に難度は上がり、残り4kmでさらに勾配は跳ね上がる。ラスト3kmは、最大14％を含む10〜12％の勾配が延々と続く！

苦労してたどり着いた山の上からは、お天気さえ良ければ、スイス国境にそびえるモンテ・ローザ（ばら色の山）への美しき眺めが楽しめる。ばら色のジャージを巡る争いも、残すは2日だ。

text：宮本あさか

※5月26日にルート変更がありました
スタート・フィニッシュ地点は変わらず、先日ロープウェイの落下事故が発生した1級山岳モッタローネ回避、代わりに4級山岳が追加され、距離は176kmから166kmになりました