コースの特徴
ピンク色のレースは最後まで甘くはない。翌日にミラノ到着を控え、いまだ行く手には標高2000m超の2峠を含む3つの厳しい山が立ちはだかる。しかも164kmの短距離ステージの、前半はほぼ平坦だから……つまり後半だけで累計獲得標高は4200mに達するのだ。
昨大会の初日マリア・ローザ+区間4勝のフィリッポ・ガンナの故郷から走り出し、しばらくはマッジョーレ湖畔を優雅に進む。25kmほど走った先で隣国スイスに立ち入ると、いよいよ道は険しさを増していく。
最初の難関、山頂に美しき湖をたたえる1級パッソ・サン・ベルナルディーノの山道は、ひたすら長い。正式な登坂距離23.7kmだが、そもそも標高200m程度から山頂2065mまで、50km以上かけて一気に上り詰めるのだ。続けて1級シュプリューゲンパス=パッソ・デッロ・スプルガへ。標高2115mの山頂で、ジロ一行はイタリアへと帰還を果たす。
1965年大会にただ1度だけ登坂したこのスプルガ峠は、どうやらダウンヒルも曲者のようだ。20kmで一気に標高差1000mを駆け下りる坂道は、逆勾配がきつく、細かいヘアピンカーブの連続。下り切ったら休む間もなく、すぐさま1級アルペ・モッタへと取り掛かる。
全長7.3km、平均勾配7.6%の山道が、正真正銘、2021年ジロ最後の「直接対決」の舞台だ。前半4kmは平均8.7%の急坂で、5つの短いトンネルも点在する。登り中盤に訪れる平坦ゾーンでは、今大会最後の「ボーナスタイム」チャンス、中間スプリントも待ち構える。ちなみに同ポイントは過去2回、ジロの区間フィニッシュを受け入れた。一方でそこから先の2.3kmは、完全なる未知の世界。つまりジロ初登場の山道で、1.5kmに渡って、最大13%を含む9.8%の急勾配ゾーンが続く。
今大会7つ目にして、最後の山頂フィニッシュを終えても、もちろん肩の荷を降ろすことはできない。総合争いはいまだ打ち止めではない。最終日には孤独な全力疾走が待っている。
text:宮本あさか

距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
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33km/h | 35km/h | 37km/h | 33km/h | 35km/h | 37km/h | ||
0km地点 | スタート | 12:30 | 12:30 | 12:30 | 19:30 | 19:30 | 19:30 |
16.9km地点 | 中間SP | 12:55 | 12:53 | 12:52 | 19:55 | 19:53 | 19:52 |
106.2km地点 | 1級山岳 | 15:40 | 15:28 | 15:18 | 22:40 | 22:28 | 22:18 |
134.9km地点 | 1級山岳 | 16:37 | 16:21 | 16:08 | 23:37 | 23:21 | 23:08 |
161.7km地点 | 中間SP | 17:23 | 17:04 | 16:48 | 00:23 | 00:04 | 23:48 |
164.0km地点 | ゴール | 17:31 | 17:12 | 16:55 | 00:31 | 00:12 | 23:55 |