ジロ・デ・イタリア2021

キング・オブ・スプリンターの証「マリア・チクラミーノ」争奪戦は、大会2日目から本格的にスタートする。真ん中に小さな4級峠はあるものの、全長179kmのコースはほぼ真っ平だ。

前日に続きイタリア統一160周年にちなんだ土地を巡る。トリノ郊外のユネスコ世界遺産「サヴォイア王家の王宮群」のひとつ、ストゥピニージ狩猟宮殿のお膝下から、今大会初のラインスタートは走り出す。同じく世界遺産のモンカリエーリ城やラッコニーギ城にも立ち寄り、さらには「イタリア統一の三傑」の1人カミッロ・カヴールが眠るサンテーナの町も通過する。

ステージ終盤には2つの中間スプリントが待ち構える。また2度目のポイントでは上位通過3名にボーナスタイム（3、2、1秒）も発生。シクラメン色のジャージだけでなく、ばら色のジャージが欲しい選手にとっても重要な機会となる。フィニッシュラインでは10秒、6秒、4秒のボーナスも与えられる。

フィニッシュ地がジロを迎え入れるのは1968年以来。53年前にこの地（しかも当時も第2ステージで、フィニッシュラインも同じ道）を制したエディ・メルクスは、同時にマリア・ローザも身にまとった。しかもその後に一旦は脱ぐものの、3週間の終わりには……自身初のグランツール制覇を成し遂げている。

text：宮本あさか