ギヨーム・マルタン
ギヨーム・マルタンGuillaume MARTIN
- チーム
- コフィディス
- 生年月日
- 1993年6月9日
- 身長/体重
- 173cm/55kg
- 国籍
- フランス
- Strava
- Guillaume Martin
- @GuilmMartin
- guillaumemartinpro
- Guillaume Martin
- 【Past results】
- ツール・ド・フランス:2021年総合8位
- ブエルタ・ア・エスパーニャ:2020年山岳賞、2021年総合9位
- 2016年:ツアー・オブ・オーストリア総合2位、ツール・ド・ラン総合4位
- 2017年:ジロ・ディ・トスカーナ総合優勝、ツール・デュ・リムザン区間優勝、ツール・デュ・ジュラ総合3位
- 2018年:サルト・サーキット総合優勝、ツール・デュ・フィニステール3位
- 2019年:ジロ・ディ・シチリア総合2位、ツール・デュ・リムザン総合3位、ブエルタ・ア・ブルゴス総合5位
- 2020年:ブエルタ・ア・サンフアン総合7位&山岳賞、クリテリウム・デュ・ドーフィネ総合3位、モンヴァントゥー・チャレンジ3位
- 2021年:メルカントゥール・クラシック・アルプ=マリティーム1位、パリ〜ニース総合6位、ヴェネト・クラシック8位
- 2022年:ツール・ド・ラン総合優勝、ツール・デ・ザルプ=マリティーム・エ・デュ・ヴァール総合3位、コッパ・サバティーニ3位、ジャパンカップ6位
仮定、実践、結論。総合争いから区間獲りへの移行を試みたものの、自分の身体能力や理念にはふさわしくない。「走る哲学者」が、こう心から理解したのは、2021年だった。パンチ力よりも、むしろ安定性に長ける自分には、総合争いのほうが向いている。なにより「総合争いこそがノーブル(高尚)である」との考えに至った。
昨季は初めてジロに挑戦。年間2グランツール参戦の1戦目=総合争いと定め、十分に準備を重ね、2週目終盤までは総合5位と好位置につけていたが……最終的には14位で終了。さらに2戦目のツールは、コロナ陽性で途中棄権。その悔しさから一念発起、8月のラン一周では総合優勝をもぎ取ったわけだが、もろもろの経験から導き出された結論は「2023年はグランツールは1戦のみ」。
つまり3年間続けてきた「年間2戦」を見直して、今年は大きな目標をツール・ド・フランスひとつに絞り込む。23位、21位、12位、11位、8位……と少しずつ、しかし着実に総合順位を上げてきたダイナミズムを、全力で活かし切るためでもある。優勝どころか表彰台さえ現実的ではないと理解する一方で、この「数字だけの組み合わせではない」自転車競技だからこそ、大きなサプライズも可能なのだと考える。
もちろんアスリートとして勝利も欲する。キャリア9勝ながら、いまだワールドツアーでの勝利はゼロ。30歳となる今シーズン、そろそろ1つ勝つべき時が来たと感じている。
行動する哲学者は著作2冊に戯曲1本だけではモノ足りず、両親が経営してきたジット(独立型宿泊施設)を、2年前に「芸術家サロン」をコンセプトに大きく創り変えた。中世の荘園を利用した12ヘクタールの広大な敷地内に、2023年春には、新たに旅館スタイルの「パヴィヨン・ジャポネ(日本亭)」もオープン。そもそもは父が敷地内で師範を務める合気道道場にちなんでのこと。もちろん昨秋のジャパンカップからさいたまクリテリウムまでの滞在を利用して、マルタン本人がいろいろな装飾品や小物を買い集めたのだとか。
text:宮本あさか