コースの特徴
大会閉幕まで約24時間。この機を逃せば、もはや総合の順列をひっくり返すことは出来ない。グアダラマ山脈に描かれたコース上には、5つの難関峠が待ち構える。大バトルが勃発する条件は整っている。
クライマーたちにとっては、ステージ優勝を持ち帰る最後のチャンス。マドリード北西からスタートを切ると、選手たちはいきなり、1級山岳プエルト・デ・ナバセラダと対峙する。ブエルタや他のメジャーレースで繰り返し使用されてきたこの難峠を、例えば2019年大会は北から上ったが、今年は2015年大会同様、南側から攻める(距離10.3km、平均勾配6.8%、最大13%)。
山を越えたら、一旦、30km以上続く長い谷間で仕切り直し。その後に改めて、2つの2級山岳と2つの1級山岳へ次々に挑みかかる。
特に最後の3峠は、息つく暇もないほど、連続で襲いかかる。しかも最後の2峠、つまり1級山岳ラ・モルクエラ(9.4km、6.9%、12%)と1級山岳コトス(10.3km、6.9%、10%)の連続登坂は、まさに2015年第20ステージでファビオ・アルがチーム戦略を炸裂させ、逆転マイヨ・ロホをさらい取ったいわくつきのセットだ!!
ちなみにモルクエラの上りアタックで距離を開き、下りで前待ちしていたチームメート2人の力を借り、さらにタイム差をこじ開けた。当時の敗者デュムラン曰く、テクニカルな下りではなかったからこそ、ひたすらクレイジーに飛ばしたライバルに追いつけなかった。
7年前はコトス峠からの下りフィニッシュだったが、今年は上りきった先で勝負が決する。山頂から尾根道を6.7km走り、この日最初に上ったナバセラダ山頂へとたどり着く。栄光を噛みしめる6.7kmになるか、それとも最後の一瞬まで全力疾走は続くのか。2022年ブエルタの総合争いは、標高1865mの高みで幕を閉じる。
文:宮本あさか
距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
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40km/h | 38km/h | 36km/h | 40km/h | 38km/h | 36km/h | ||
0km地点 | スタート地点 | 12:45 | 12:45 | 12:45 | 19:45 | 19:45 | 19:45 |
34km地点 | 1級山岳 | 13:36 | 13:38 | 13:41 | 20:36 | 20:38 | 20:41 |
126.8km地点 | 2級山岳 | 15:55 | 16:05 | 16:16 | 22:55 | 23:05 | 23:16 |
143.7km地点 | 1級山岳 | 16:20 | 16:31 | 16:44 | 23:20 | 23:31 | 23:44 |
158.8km地点 | 中間SP | 16:43 | 16:55 | 17:09 | 23:43 | 23:55 | 00:09 |
174.3km地点 | 1級山岳 | 17:06 | 17:20 | 17:35 | 00:06 | 00:20 | 00:35 |
181km地点 | ゴール地点 | 17:16 | 17:30 | 17:46 | 00:16 | 00:30 | 00:46 |