ブエルタ・ア・エスパーニャ2022

ABOUT
ブエルタ・ア・エスパーニャとは

コースを走る選手たち

ブエルタ・ア・アスパーニャとは

ブエルタ・ア・アスパーニャとは 栄誉ある「マイヨ・ロホ」こと、真っ赤に燃えるリーダージャージを目指して男たちが凌ぎを削る

燃えるような赤は、血と、情熱と、そして勝者の印。イタリアのジロ・デ・イタリア、フランスのツール・ド・フランスに続くシーズン3番目のグランツール、ブエルタ・ア・エスパーニャが、8月の灼熱の太陽の下、スペインの大地を駆け巡る!

ただし第77回大会、全23チーム✕8選手=184選手がスタートを切るのは、スペインからはるか遠い北の大地。しかも奪い合うのは、序盤3日間限定、スペシャルデザインのマイヨ・ロホだ(赤地に白と青の格子模様)。

そう、本来は2020年開幕予定地だったハンガリーからイタリア一周が、2021年開幕予定地だったデンマークからフランス一周が、それぞれ2022年大会へと繰り出したしたように……スペイン一周もまた、新型コロナウイルス禍のせいで2020年夏から延期されていたオランダスタートを実現する。

ブエルタにとっては5年ぶりの外国スタートで、オランダから幕を開けるのは、2009年のアッセンに続く史上2回目。2015年ツールでは個人タイムトライアルが行われた運河の町ユトレヒトで、ブエルタ恒例、チームタイムトライアルが繰り広げられる。

平坦な国での残り2日は、もちろん平坦なスプリントステージ。やはりジロやツールと同じく、例年よりも1日早い金曜日開幕で、序盤3ステージ後には「移動日」という名の休息日も待っている。

1300kmの大距離移動を経て、プロトンは大会の母国へと上陸。4日目からはいよいよ、名実ともに、本格的なスペイン一周の始まりだ。つまり、以降、道はあきれるほど起伏に満ち満ちている!

バスクで過ごす2日間がパンチ力勝負なのだとしたら、カンタブリア地方へと脚を踏み入れる第6ステージは、本格派クライマー向け。大会初の山頂フィニッシュが、最終マイヨ・ロホ候補たちを第1のふるいにかける。また第1週目の終わりの週末、第8ステージの土曜日と第9ステージの日曜日には、2日連続でアストゥリアス地方の1級山頂フィニッシュが襲いかかる。

その後は「休息日」とは名ばかり、約900kmの移動を経て、地中海沿岸のアリカンテへ。約31kmのフラットな個人タイムトライアルで、2週目の戦いは再開される。その後さらにアンダルシア地方へと南下し、第12・14・15ステージと3つの難関山頂フィニッシュ(1級✕2、超級✕1)をたっぷりと。特に大会3つ目にして最後の休息日前日、第15ステージのホヤ・デ・ラ・モラ峠は、登坂距離は22.3kmと極めて長く、フィニッシュでは今大会最高標高地点2512mへと達する。

3週目に入ると、栄光のフィニッシュ地マドリードへ向けて、一行は北上を始める。もちろん最後までブエルタ開催委員会は手を緩めない。第17ステージ2級フィニッシュ、第18ステージ1級フィニッシュ、第20ステージ(ほぼ)1級フィニッシュと、やはり恐ろしい山の戦いがこれでもかと用意されている。

開催委員会による全21ステージの内訳は平坦6区間(第2、3、11、13、16、21ステージ)、中級山岳4区間(第4、5、7、19ステージ)、難関山岳7区間(第6、8、9、14、15、18、20ステージ)。いわゆるブエルタ独特の「平坦ながら山頂フィニッシュ」という区間も2つ存在する(第12、17ステージ)。等級のつく山頂フィニッシュは8回(第6、8、9、12、14、15、17、18ステージ)。また山を上りきったほんの数キロ先にフィニッシュが引かれた区間や(第20ステージ)、軽い上りフィニッシュ(第4、13ステージ)もあり。タイムトライアルは第1ステージがチームTT、第10ステージが個人TTとそれぞれ1つずつ。

そして最後は2年ぶりの首都帰還。マドリードでの市街地周回コースでの、華やかなスプリントフィニッシュで、3週間の熱戦は幕を閉じる。

文:宮本あさか

SHARE

  • Facebook
  • LINE
  • Twitter