コースの特徴
大会唯一の超級山岳オヤ・デ・ラ・モラ、大会最高標高地点2512m、大会最多累計獲得標高差3990m。正真正銘、2022年ブエルタ・ア・エスパーニャの、最難関ステージ。マドリード閉幕まで1週間に迫り、翌日に3回目の休息日を控え、大会の最終成績を左右する熾烈な戦いが巻き起こる。
はるか遠く50km先からでも見える巨大な岩ラ・ペニャに守られたマルトスから、重要な1日は始まる。前半の3級山岳+小さなアップダウンは、軽い足慣らし。ならば中盤の平坦路は、隊列を組み上げ、本格な戦闘態勢への移行期間だろうか。残り60km、かつて王都として栄えたグラナダで中間ポイントを争ったら、いざ、山へと突進だ。
1級山岳プルチェの、全長9.1kmの山道を上り切る頃には、早くも集団は小さく絞り込まれているはずだ。山頂間際に短い下りがあるため「平均」勾配こそ7.6%程度だが……実際は途中1km近くに渡って10.8%ゾーンがあり、9%超も1km✕2ヶ所と難所が点在する。最大勾配は17%。
ちなみに2017年大会では、この山頂から、一切下りを経由せずに最終山岳オヤ・デ・ラ・モラへと上り始めた。今回は約10kmのダウンヒルが挟まれた。下りは要注意。道幅は広く舗装も良好なものの、テクニカルなヘアピンカーブがあちこちに待ち構えている。
一旦下りきったら、改めて、難関オヤ・デ・ラ・モラへと挑みかかる。おかげで登坂距離は5年前より数キロ延びた(全長22.3km)。しかも肝心の長くなった部分……序盤5kmこそが、凄まじい勾配地獄。山道全体の平均勾配は6.9%ながら、この5kmに限っては平均12%。いきなり20%の最大勾配から突入するというおまけ付き!
長い山道の中盤は勾配も落ち着くけれど、フィニシュまで9kmを切ると、いよいよ標高は2000mを超える。薄い酸素の中で、高い心肺能力と山の脚が試される。初登場時はコロンビア人ミゲルアンヘル・ロペスが、まさに2000m超のタイミングでアタックを打った。45秒差の前走サイモン・イェーツをあっという間に回収し、後続に36秒の大差を押し付けるという、驚異的な勝利をさらい取っている。
文:宮本あさか
距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
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38km/h | 36km/h | 34km/h | 38km/h | 36km/h | 34km/h | ||
0km地点 | スタート地点 | 13:16 | 13:16 | 13:16 | 20:16 | 20:16 | 20:16 |
33.8km地点 | 3級山岳 | 14:09 | 14:12 | 14:15 | 21:09 | 21:12 | 21:15 |
92.3km地点 | 中間SP | 15:41 | 15:49 | 15:58 | 22:41 | 22:49 | 22:58 |
110.4km地点 | 1級山岳 | 16:10 | 16:20 | 16:30 | 23:10 | 23:20 | 23:30 |
152.6km地点 | 超級山岳 ゴール地点 |
17:16 | 17:30 | 17:45 | 00:16 | 00:30 | 00:45 |