コースの特徴
休息日の前日の、難関山頂フィニッシュ連戦2日目。アストゥリアス地方独特の、海抜の低い土地からにょきっと突き出す山々を相手に、誰もが翌日を気にすることなく全力を尽くす。
2020年第11ステージにもプロトンの出発を見届けたビリャビシオサから、今年は異なる方角へと進路を取る。2年前はスタート直後に南下して3級山岳ラ・カンパを上ったが、この日は4つ目(最後ら2番目)の登場だ。今年は海沿いに東へとちょっと遠出しつつ、西へと折り返して2級トルノ、1級フィト(登坂距離9km、平均勾配6%、最大10%)、3級ラ・リャマをぐるりと巡る。その後ようやく3級ラ・カンパ登坂に取り掛かる。
もちろん、ラ・カンパの次の1級山岳こそが、この日のラスボスなのだ。2018年第14ステージに初めてブエルタで使用されたレス・プラエレスの山道は、登坂距離こそ3.9kmと短いものの、破壊力満点だ。
なにしろ平均勾配は12.9%。途中でわずか数百メートル勾配が緩むがあるせいで、実質的には15%前後の激勾配が延々と続く。しかもアスファルト舗装ほやほやだった初登場時は、最大勾配17%と謳われていたけれど……今回おそらく再計測したのだろう。正確に「24%」と書き換えられた!!
4年前はサイモン・イェーツが山頂を制した。残り1kmのセメント路には8人が団子状態で突入し、ラスト750m、勾配が急激に跳ね上がる地点でのアタック一発で、見事にライバルを振り払った。2位にはたったの2秒差しかつかなかったが、8位には27秒差をつけた。つまり激勾配だからこそ、ぎりぎりのせめぎあいでほとんど差がつかない場合もあれば、激勾配だからこそ、ほんのわずかな脚の緩みが、大差に直結する可能性もある。
激坂を無事によじ登ったら、選手たちは約1000kmをひとっ飛び。大会後半へ向けて、スペイン北海岸から、東の地中海岸へと戦いの場を移す。
文:宮本あさか
距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
39km/h | 37km/h | 35km/h | 39km/h | 37km/h | 35km/h | ||
0km地点 | スタート地点 | 12:53 | 12:53 | 12:53 | 19:53 | 19:53 | 19:53 |
55.6km地点 | 2級山岳 | 14:18 | 14:23 | 14:28 | 21:18 | 21:23 | 21:28 |
93km地点 | 1級山岳 | 15:16 | 15:23 | 15:32 | 22:16 | 22:23 | 22:32 |
118.1km地点 | 3級山岳 | 15:54 | 16:04 | 16:15 | 22:54 | 23:04 | 23:15 |
138km地点 | 中間SP | 16:25 | 16:36 | 16:49 | 23:25 | 23:36 | 23:49 |
148.6km地点 | 3級山岳 | 16:41 | 16:53 | 17:07 | 23:41 | 23:53 | 00:07 |
171.4km地点 | 1級山岳 ゴール地点 |
17:16 | 17:30 | 17:46 | 00:16 | 00:30 | 00:46 |