コースの特徴
今大会で唯一、ツール一行がフランス国外へと走り出る。目指すはピレネー山脈の小国アンドラ。ちなみにフランスからアンドラ入りは自由で、アンドラからフランス入りはワクチン接種済み、もしくは検査陰性であれば認められる(6月15日現在)。
第11日目と同じく、ピカソやブラックが暮らした「キュビズムのメッカ」セレから、ピレネー2日目は幕を明ける。スタート直後に18kmほど上って無印フルトゥ峠を乗り越えたら、素早く足慣らし完了。35km地点過ぎから、いよいよ長く果てしない山道が始まる。なにしろこの日最初の1級モン・ルイの、正式な登坂距離は8.4kmだが..実質は60km近く上り続ける。山頂を過ぎてもまだ10km近く上るというクレイジーさ!
続いて標高との戦いが始まる。一旦谷間に下がって仕切り直した後、再び30kmほどかけて..途中2級ピュイモランスと短い下りを挟みつつ、じわじわと標高を上げていく。標高2089m地点でアンドラに入国し、さらに上って今大会最高標高地点2408mへと到着だ。この1級ポール・ダンヴァリラの頂上には、大会創始者の名を冠したアンリ・デグランジュ賞(5000ユーロ)が設置されている。
もちろん真夏でも標高の高い山々では..特に気象条件が激烈なピレネーでは、濃霧や雹、雷雨の可能性がある。つまりその後の20km以上もの長いダウンヒルは、慎重かつ大胆に攻めねばなららない。ついでに開催委員会は、「激坂」という要素さえ詰め込んだ。最終峠1級ベクサリスは、序盤2kmが11%前後の難勾配。山頂にはボーナスポイントのおまけ付きだ。
アンドラ首都での市街地フィニッシュまでは、約15kmの下り坂。凄まじいヘアピンカーブ続きだから、絶対に最後まで気を抜いてはならない。こうしてすべての苦難をかいくぐったら、翌日は嬉しい2度目の休息日。夜にはサッカー欧州選手権決勝という、ちょっとしたお楽しみも待っている。
文:宮本あさか
距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
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34km/h | 36km/h | 38km/h | 34km/h | 36km/h | 38km/h | ||
0km地点 | スタート地点 | 12:30 | 12:30 | 12:30 | 19:30 | 19:30 | 19:30 |
66.9km地点 | 中間スプリント | 14:28 | 14:21 | 14:15 | 21:28 | 21:21 | 21:15 |
86.3km地点 | 1級山岳 | 15:08 | 14:59 | 14:51 | 22:08 | 21:59 | 21:51 |
133.1km地点 | 2級山岳 | 16:28 | 16:14 | 16:02 | 23:28 | 23:14 | 23:02 |
146.7km地点 | 1級山岳 | 17:00 | 16:44 | 16:30 | 0:00 | 23:44 | 23:30 |
176.5km地点 | ボーナスポイント 1級山岳 |
17:46 | 17:27 | 17:10 | 0:46 | 0:27 | 0:10 |
191.3km地点 | ゴール | 18:05 | 17:46 | 17:28 | 1:05 | 0:46 | 0:28 |