コースの特徴
フランス全土の子どもたちが待ちに待った夏休みに突入する日、自転車ファン待望の目玉ステージがやって来る。ずばりモン・ヴァントゥ二重登坂。自転車界屈指の伝説的な峠を、文字通り、2度上って下りる!
魔の山への冒険は、かつてピカソやブラックといった画家が拠点を置いたソルグから始まる。まずは足慣らし程度に4級峠を2つ。地平線には「プロヴァンスの巨人」の姿が、常にちらちらと見え隠れするに違いない。さらにステージ半ばの1級峠でウォームアップを済ませたら、いよいよヴァントゥ=風の多い山へ突入だ。
2度の登坂は、標高1417mシャレ・レナールから山頂までの6kmは同じ道を通るものの、そこに至るまでは別々のルートをたどる。1度目1級は東側からまっすぐ山頂を目指す。勾配は全体で平均5%、ラスト6kmを除くと約4%と緩やかだが、登坂距離は22kmと長い。一方の2度目超級は西側ベドゥワンからぐるりと上る、おなじみの山道だ。全長15.7kmで平均勾配は8.8%に達し、特に前半は9〜10%の難勾配が続く。
もちろん山頂までの6kmこそが、最も恐ろしい。樹木は完全に姿を消し、見渡す限り白い岩だけが転がる禿山には、身を隠す場所が一切ない。灼熱、雨、強風..すべての気象状況に身体ひとつで立ち向かわねばならない。ちなみに2016年大会では突風が吹き荒れ、ラスト6kmは使用されなかった。
しかも上りきった先で戦いは終わりではない。2度目の山頂通過でボーナスポイントを争った後、22kmの長いダウンヒルが待っている。
2021年ツールもちょうど折り返し地点。総合のヒエラルキーもそろそろ確立してくる頃だ。過去モン・ヴァントゥ区間の終わりにマイヨ・ジョーヌを着ていた全17人中、実に14人が、パリでも栄光を収めている。
文:宮本あさか
距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
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35km/h | 37km/h | 39km/h | 35km/h | 37km/h | 39km/h | ||
0km地点 | スタート地点 | 12:15 | 12:15 | 12:15 | 19:15 | 19:15 | 19:15 |
32.1km地点 | 4級山岳 | 13:07 | 13:04 | 13:02 | 20:07 | 20:04 | 20:02 |
40.2km地点 | 中間スプリント | 13:19 | 13:16 | 13:13 | 20:19 | 20:16 | 20:13 |
43.7km地点 | 4級山岳 | 13:26 | 13:23 | 13:19 | 20:26 | 20:23 | 20:19 |
83.6km地点 | 1級山岳 | 14:37 | 14:29 | 14:22 | 21:37 | 21:29 | 21:22 |
122.5km地点 | 1級山岳 | 15:58 | 15:44 | 15:32 | 22:58 | 22:44 | 22:32 |
176.9km地点 | ボーナスポイント 超級山岳 |
17:34 | 17:14 | 16:57 | 0:34 | 0:14 | 23:57 |
198.9km地点 | ゴール | 17:57 | 17:36 | 17:18 | 0:57 | 0:36 | 0:18 |