ツール・ド・フランス2024
RULE
ルール
ツール・ド・フランス 2024 の ルール
ステージ優勝
全21ステージ中、個人タイムトライアルを除く19の通常ステージでは、先頭でフィニッシュラインを通過した選手がステージ優勝を手にする。
個人タイムトライアルでは、参加選手の中で最も速いフィニッシュタイムを記録した選手が優勝を手にする。
個人タイムトライアルで同タイムが計測された場合は、1/100秒単位までタイムを比較する。
スポンサーはコンチネンタルタイヤ。
総合タイム首位/マイヨ・ジョーヌ
各ステージ終了後、ツール初日からの累積タイムが最も少ない選手が、総合首位として表彰を受ける。
また全21ステージを通して最も少ない総合累積タイムをたたき出した選手こそが、ツール・ド・フランス総合優勝に輝く。
そしてこの総合リーダーに授与されるのがマイヨ・ジョーヌ、つまり黄色いジャージだ。
※累計タイムが同じ場合
・タイムトライアルの1/100秒単位のタイムを加えて比較し、タイムの少ない選手が総合上位に立つ。
・それでもタイムが同じ場合、全区間の順位累計の少ない選手が上位に立つ。
・それでも順位が決しない場合、最後に行われた区間で上位に立った選手が、総合でも上位に立つ。
集団内を走る総合リーダーを一目で見分けるためにマイヨ・ジョーヌは誕生した。
初めて観衆の前に披露されたのは、1919年の第11ステージスタート時。
黄色が選ばれたのは、当時のツール主催元「ロト紙」の新聞紙の色が黄色だったから。
かなり突発的なアイディアだったが、今日では王者の証として定着している。
ジャージスポンサーはLCL銀行。
ポイント賞/マイヨ・ヴェール
キング・オブ・スプリンターを決める賞。
各ラインステージ途中に1箇所設けられる中間スプリントポイントと、 チームタイムトライアルを除く全ステージのフィニッシュラインの通過順に配分されるポイントを、最も多く獲得した選手に与えられる。
そしてこのポイント賞リーダーに授与されるのが、マイヨ・ヴェール=緑ジャージだ。
中間スプリントポイント(上位15人) | |
---|---|
20、17、15、13、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1 | |
フィニッシュポイント(上位15人) | |
難易度1・2ステージ(平坦・軽い起伏) | 50、30、20、18、16、14、12、10、8、7、6、5、4、3、2 |
難易度3ステージ(起伏多め) | 30、25、22、19、17、15、13、11、9、7、6、5、4、3、2 |
難易度4・5・6ステージ(難関山岳・個人タイムトライアル) | 20、17、15、13、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1 |
1.ステージ優勝の数
2.中間スプリントポイント首位通過の数
3.総合タイム
※レース審判の裁定によりタイムアウト救済措置が行われた場合、この措置で救われた全ての選手は、そこまでに収集してきた全ポイントが没収される。
このジャージが作られたのは、ツール生誕50周年記念の1953年。
百貨店ベル・ジャルディニエールがスポンサーに就任し、同時に緑色のジャージが採用された。
現在のジャージスポンサーはチェコ自動車メーカーのスコーダ。
山岳賞/
マイヨ・ブラン・ア・ポア・ルージュ
山岳王を決定する賞。
各峠の頂上に設定された山岳ポイントの合計で争われる。
そしてこの山岳賞リーダーに授与されるのがマイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュ=白地に赤玉ジャージだ。
超級(8人) | 20、15、12、10、8、6、4、2 |
1級(6人) | 10、8、6、4、2、1 |
2級(4人) | 5、3、2、1 |
3級(2人) | 2、1 |
4級(1人) | 1 |
※第19ステージの超級ボネット峠に限り、ポイントは倍増される(20→40ポイント)
※第4ステージのガリビエ先頭通過者にアンリ・デグランジュ記念賞が、第14ステージのトゥルマレ先頭通過者にジャック・ゴデ記念賞が与えられる。
1.超級峠をトップ通過した数
2.1級峠をトップ通過した数
3.2級峠をトップ通過した数
4.3級峠をトップ通過した数
5.4級峠をトップ通過した数
6.総合タイム
※レース審判の裁定によりタイムアウト救済措置が行われた場合、この措置で救われた全ての選手は、そこまでに収集してきた全山岳ポイントが没収される。
山岳賞自体は1933年から存在していたが、お馴染みのかわいい赤玉ジャージが誕生したのは1975年。
当時のスポンサーであった製菓会社ショコラ・プーランが、自社のキャンディパッケージをモデルに、デザインを考案した。
ジャージスポンサーは大型スーパーマーケットチェーンのEルクレール。
新人賞/マイヨ・ブラン
1999年1月1日以降に生まれた選手の中から、個人総合タイムトップの選手に与えられる。
制限年齢以下なら何度でも受賞できるため、「新人賞」というよりは「最優秀若手賞」の意味合いが強い。
そしてこの新人賞リーダーに授与されるのがマイヨ・ブラン=白ジャージだ。
新人賞が誕生したのは1975年。
色の由来は「汚れない若さの色」という説と、「色とりどりのチームジャージが氾濫する中、あえて無色」という説がある。
スポンサーは眼鏡店チェーンのクリス。
チーム総合順位
<ルール>各チームの各ステージ上位3選手のタイム合計でチーム順位が決定される。
総合首位のチームに所属する全選手は、黄色地に黒い数字が書かれたゼッケンを身に着けて走る。
2022年大会よりスポンサーはオート・ソーヌ県。
敢闘賞/プリ・ド・ラ・コンバティヴィテ
<ルール>個人タイムトライアルと最終ステージを除く各ステージで、成績には関係なく、最も勇敢な走りを見せてくれた選手に与えられる。
大会関係者・ジャーナリスト・元選手で構成される審判団が投票と話し合いで決定する主観的な賞である。
1.闘志 2.毅然さ 3.努力を惜しまない姿勢 4.勇気 5.オーラ 6.チームへの奉仕精神
他の賞と違ってポイント総計制・タイム制ではなく、各ステージごとに新たな受賞者が誕生する仕組み。
またツール全期間を通して最も奮闘した選手は、スーパー敢闘賞として、シャンゼリゼで表彰を受ける。
敢闘賞が誕生したのは1952年、スーパー敢闘賞が誕生したのは2003年。
長年赤ゼッケンでおなじみだったが、2023年大会から「金ゼッケンに黒い数字」が採用された。
スポンサーは不動産会社のセンチュリー21。
ジャージの優先順位
同一選手が複数のジャージを獲得した場合、以下の優先順位で着用する。
1.マイヨ・ジョーヌ 2.マイヨ・ヴェール 3.マイヨ・ア・ポワ・ルージュ 4.マイヨ・ブラン
各賞首位選手によって着用されなかったジャージは、2位の選手が着用する(2位選手が着用できない場合は3位選手へ繰越)。
ただし2位以下の選手が世界チャンピオンジャージ、大陸チャンピオンジャージ、もしくは国内チャンピオンジャージの保持者である場合は、チャンピオンジャージの着用が優先される。
ちなみにゼッケンで最も優先順位が高いのは敢闘賞。
ボーナスタイム
タイムトライアルを除く全ステージのフィニッシュラインを上位通過した3名に、それぞれ10秒、6秒、4秒のボーナスタイムが与えられる。
また4つのステージ(第2、4、11、17ステージ)では戦略的な山岳の頂に「ボーナスポイント」が設定され、上位通過した3名に、それぞれ8秒、5秒、2秒のボーナスタイムが与えられる。
制限タイム
通常ステージでは、ステージ難易度と当日のステージ首位選手の平均走行速度によって、各ステージの制限タイム基準が決定される。
制限タイム内にゴールできなかった選手は、通常タイムアウト失格となる。
たとえば平坦ステージでは、首位選手の平均走行時速が36km以下の場合は勝者のフィニッシュタイムから4%、時速50km以上の場合は12%が、足切りの基準となる。
また第7・21ステージ個人タイムトライアルは首位選手のタイムから30%と一定基準が設けられた。
第20ステージに限っては、ステージ難易度6の通常の制限タイム計算に、さらに3%が加えられる。
ただし悪天候、道路の状態、レース中に発生した事故や負傷者数など、状況によって審判団は制限時間を変更することができる。
また制限時間から遅れてゴールした選手も、走行平均速度や、事故の有無・発生場所などの状況次第で、審判団から救済措置を与えられる場合がある。
フィニッシュ順位・タイム計測
通常のステージでは、同一集団でフィニッシュした選手全員に、集団の先頭選手と同タイムが与えられる。集団が分断し、2つの集団の間隔が1秒以上開いていた場合(前方集団最後尾選手の後輪の後端と、後方集団先頭選手の前輪の先端の差)は、後方集団には新たなタイムが与えられる。
例外として集団スプリントフィニッシュで終わるであろうステージでは、2集団の間隔が3秒以内であれば、同一集団と認められる。つまり2024年大会では第3、5、6、8、9、10、12、13、16ステージで適応される。
ステージ順位は実際にフィニッシュラインを通過した順番で付けられる。違反行為などで降格処分を受けた場合は、フィニッシュ時に属していた集団の最下位の順位が与えられる。
1/10秒までが総合タイムとして反映されるが、タイムトライアルステージのみ1/100秒まで記録され、総合で同タイム選手が出た場合の順位決定に使用される。
フィニシュまで3kmを切った地点で、落車やメカトラブルなどのアクシデントで遅れた場合、ステージ順位はフィニッシュラインを本当に通過した順位が記録されるが、フィニッシュタイムはそのアクシデント発生時点で所属していた集団と同じタイムが与えられる。ただし個人タイムトライアル(第7・21ステージ)と上りフィニッシュ(第14、15、17、19、20ステージ)では、この3km救済ルールは適応されない。
全ステージは6つの難易度(平坦、起伏、起伏多め、難関、距離の短い難関、タイムトライアル)で区分され、各区分とステージ勝者の走行時速の関係によりステージ制限タイムが決定される。走行時速や事故の有無、道路状況により、制限タイムは変更される場合もあり。
スタートルール
通常のラインステージでは、仮スタートラインから集団が一斉に走り出した後、しばらく先の本スタート地点から実際のレースを始める。
ステージ難易度
ゴールポイントや制限タイム設定のため、各ステージには難易度が設けられている。
難易度の種類は6つ。
難易度 | ステージ |
---|---|
難易度1(特に難所の存在しないステージ) | 第3、5、6、10、12、13、16ステージ |
難易度2(起伏のあるステージ) | 第2、8、9ステージ |
難易度3(起伏の非常に多いステージ) | 第1、11、17、18ステージ |
難易度4(難関山岳ステージ) | 第15ステージ |
難易度5(距離の短い難関山岳ステージ) | 第4、14、19、20ステージ |
難易度6(個人タイムトライアル) | 第7、21ステージ |
タイムトライアル
個人タイムトライアルでは、前ステージ終了時点の総合最下位選手から降順で1人ずつ等間隔でスタートし、前ステージ総合首位選手が最終出走者となる。