ツール・ド・フランスとは
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ツール・ド・フランスとは


ロードバイクでフランス一周!ツール・ド・フランスとは
賞金は億超え!
2024年の賞金総額は230万ユーロ(約4億円)。個人総合優勝賞金は50万ユーロ(約8700万円)だが、マイヨ・ジョーヌ着用やステージ優勝などにも賞金が提供されるので総合優勝者の獲得した金額は当然それ以上になる。ただしサイクルロードレースはチームプレーで栄冠を目指すスポーツなので、エースを勝たせるためにアシスト選手は自らの成績を犠牲にしてサポートする。そのため、チームが獲得したすべての賞金をチーム内で均等に配分する習わしがある。もちろん貢献度により多少の増減もあるはずだが、頑張ったアシスト選手の努力の対価として「せめておカネだけでも」という慣例なのだ。
総距離は3000km以上!
ツール・ド・フランスという言葉は、「フランス一周」という意味。その名の通り、最初の50年余りは円を描きつつ、忠実にフランスを一周していた。2024年の総距離は約3500km。23.5kmと33.7kmの個人タイムトライアルがあり、集団スタートのステージは平均すると約180km。1903年の第1回大会は総距離2428kmで、第4回大会は4637kmと一気に距離が伸びた。1920年代は5500km前後を走ったが、近年は3500km前後に。距離が短くなったことで高速化されたこともあり、過酷さという点では変わらない。近年の傾向としては、2回の休息日に大移動をせず、その前後のステージを含めてしっかりと1都市に滞在することだ。今回は欧州で最も高い舗装道路のボネット峠(標高2802m)がコースに含まれていて、バーチカルゲイン(累積獲得標高)は5万2230mというから恐ろしい!
ツール・ド・フランスのルールは?
最も価値のあるのが個人総合時間賞。ステージごとに全選手が一斉にスタートするのが基本で、ゴールまでの所要時間を計測。個人タイムトライアルは1人ずつスタートし、その所要時間を計測。その日終わって個人総合時間が最も少ない選手が首位となり、表彰式でマイヨ・ジョーヌを着用する。それ以外にもポイント賞、山岳賞、ヤングライダー賞がある。ステージをトップフィニッシュした選手はステージ優勝。チームの総合成績で順位を決めるチーム賞もある。敢闘賞は各ステージで最も果敢に走った選手に与えられるもので、選考委員の主観も介在することからルールが設定された記録とは性質の異なる存在。

これまで4人が出場!日本人選手の活躍【一覧】
1926年、1927年 | 1926年に日本人初のツール参戦を果たした。当時フランス在住で、1927年にも出場したがいずれも第1ステージで棄権し、完走は叶わなかった。その後、欧州でオートバイペーサー付き自転車競技ドミフォンの選手として活動を続けたという。 | |
1996年 | 1994年に渡欧し、数々の大きな大会に挑戦し、渡欧2年目で「ツール・ド・フランス」に出場。川室氏が出場したいた当時はルール等が近代のように整備されていなかったこともあり、今中氏は「日本人で初めて近代ツールを走った人物」とも言われている。 | |
2009年 | 2005年に日本人初のUCIプロツール選手となり、2008年にアジアチャンピオンタイトルを獲得。北京オリンピック出場を果たし、2009年に日本人として13 年ぶりとなるツール・ド・フランス出場。最終第21ステージで「敢闘賞」を獲得し、日本人初の完走も同時に果たした。 | |
2009年~2013年、2016年 | 別府史之氏と共に日本選手として13年ぶりにツール・ド・フランスに出場し、完走を果たした選手の一人に。2012年のツール・ド・フランスでは第4ステージで敢闘賞を獲得し、日本人で初めてグランツールの表彰台に上がった。2024年はパリ五輪への出場も控えている。 |
見どころまとめ!
ルートは100%フランス国内
3週間かけてフランスを巡る旅──。過去3年連続で国外開幕を祝い、続く2大会も外国グランデパールが予定されているツール・ド・フランスだが、2025年大会のルートは、100%フランス国内に描かれた。24年ぶりにフランスの北端ノール県からスタートすると、プロトンは半時計回りで国土をぐるりと一周する。
5年ぶりスプリンターに初日マイヨ・ジョーヌの機会
古き良き伝統に立ち返る21日間でもある。開幕地リールでは、5年ぶりに、スプリンターに初日マイヨ・ジョーヌの機会がもたらされる。つまりマイヨ・ヴェール争いも、間違いなく初日から激化する。純粋なる大集団スプリントが予想されるステージは、全部で7つを数える。
・【ツール・ド・フランス2025 ルートプレゼンテーション】「100%フランス」の3週間 2年ぶりシャンゼリゼ帰還で感動のフィナーレ必至!
1週目から4つの上りフィニッシュ
ただフランス北西へと進路を取る序盤戦は、むしろ細かい起伏の多いレイアウトで彩られている。2週目以降に「難関山頂」フィニッシュが6つもそびえ立っているが、1週目からすでに、4つの上りフィニッシュが待ち受けるのだ。大会2日目には、坂の上の目的地に向かって、パンチャーや上れるスプリンターたちが全力を振り絞るだろう。もしかするとクライマーや、最終マイヨ・ジョーヌ候補たちさえも、早々に自慢の脚を披露するかもしれない。
英雄ルイゾン・ボベの生誕100周年
大会5日目の平坦な個人タイムトライアルで、健脚ルーラーたちが全力疾走を行った翌日、ツール一行は4年ぶりにブルターニュ地方へと足を踏み入れる。なにしろ今年は記念イヤーである。「アナグマ」ことベルナール・イノーがフランス人として最後に総合優勝を果たしてから40年。さらにはブルターニュが生んだ英雄ルイゾン・ボベの生誕100周年にして、この彼がツール史上初の「3年連続大会制覇」を成し遂げてから75周年でもある。第7ステージはブルターニュの「壁」で勝負を争い、第8ステージはボベの故郷からスタートが切られる。
マイヨ・ブラン、マイヨ・ア・ポワ50周年
2025年はマイヨ・ブランが「新人賞」ジャージとして採用されてからちょうど50周年でもあり、いよいよ今年から、対象選手は完全に2000年以降生まれに絞られる。山岳賞のマイヨ・ア・ポワも同じく50歳。白地に赤玉でおなじみの派手なジャージの誕生から半世紀を記念し、大会中に最初に山岳ポイント50点に達した選手には、特別賞も用意された。序盤からこつこつ順調に貯めていけば、大会1週目の締めくくり……中央山塊で繰り広げられる第10ステージで、受賞者が誕生する。
革命記念日が月曜のため変則スケジュール
ちなみに第10ステージが開催されるのは月曜日。例年であれば、9日間走った後の月曜日は休息日にあてられるが、今年は7月14日=革命記念日が月曜日に当たるせいか、変則的なスケジュールが組まれた。プロトンはいつもより1日多く走ってから、火曜日に1回目の休息をとる。その後、2週目はいつもより1日少ない5日間のバトルを経て、翌月曜日に2回目の休息日を迎える
3日連続の恐るべき山頂大戦
ピレネー山脈に戦いの舞台を移す2週目は、短くとも、凄まじく濃厚だ。12日目にオタカムでの超級フィニッシュ、13日目にはペイラギュードの1級登坂タイムトライアル、さらに14日目には「ピレネーの巨人」トゥルマレ越えからのシュペール・バニエール超級フィニッシュと、3日連続の恐るべき山頂大戦が待ち構えている。マイヨ・ジョーヌ争いは、必ずや大きく前進する。
新旧「魔の山」が立ちはだかる
もちろんグランツールのクライマックスは、3週目にやってくる。今大会3つ目の山岳地帯であるアルプスでは、新旧「魔の山」が立ちはだかる。第16ステージの超級モン・ヴァントゥ山頂フィニッシュは、禿山の灼熱と強風が選手たちを震え上がらせる。第18ステージの超級コル・ド・ラ・ロズ山頂フィニッシュは、文字通りサバイバル戦。累積獲得標高は今大会最多の5450m──大会トータルは52500m、つまり1日で大会全体の10分の1以上の標高を上る──を誇り、今大会最高地点である標高2304mの高みへと向かう。翌第19ステージの今大会最後の山頂フィニッシュで、おそらく総合争いに完全に決着が付くが、翌日に大会最後の山地ジュラへも足を伸ばす。
五輪で盛り上がりを見せたモンマルトルの丘
平坦7区間、丘陵6区間、山岳6区間、個人タイムトライアル2区間──こうして熱い戦いを終えたツール一行は、ついにパリへと凱旋する。前年は五輪の影響で、1903年の創設以来初めてパリ以外の都市で締めくくられたが、2025年は黄色の一団がふたたび首都の街角へと戻ってくる。しかも、五輪で盛り上がりを見せたモンマルトルの丘が、なんとツールのコースに組み込まれた。もちろんフィニッシュラインが引かれるのは、世界で一番美しい大通り。ツールのフィナーレ迎え入れて今年でちょうど50周年のシャンゼリゼで、夏が、華やかに幕を下ろす。
text:宮本あさか

ツール・ド・フランス歴代大会まとめ
2024年
ポガチャルが圧倒的な強さを見せつけ現役選手として最多となるツール3勝目を記録
2023年
ヴィンゲゴーが宿敵ポガチャルも脱帽の総合力。山岳でも個人タイムトライアルでも強さを発揮して連覇
2022年
史上初めて北欧のデンマークで開幕し、ポガチャルとの死闘を制したのもデンマークのヴィンゲゴーだった
2021年
ポガチャルが完ぺきなレース運びで連覇。しかも山岳賞とヤングライダー賞も受賞して天下無双の存在に
2020年
コロナ禍で秋開催となった異例の大会はポガチャルが最終日前日に同じスロベニアのログリッチを大逆転
2019年
荒天打ち切りのアルプス山岳ステージで首位に躍り出たベルナルがコロンビア選手として初の総合優勝
日本で開催!「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」も注目
埼玉県さいたま市で開催されている自転車競技のロードレース大会で、2013年にツール・ド・フランス100回を記念してスタート。夏の本大会入賞者・チームや、国内選手・チームが集まり、さいたま新都心の道路を封鎖して特設コースを走行する。最初の大会はクリス・フルーム(イギリス)が圧倒的な強さを見せ総合優勝を果たし、これまで数々のスター選手が活躍を見せた。2019年には新城幸也、2023年はタデイ・ポガチャルが優勝している。2024年も11月に開催されることが発表されている。

歴代優勝者
- 第1回
- 1903年 モリス・ガラン (FRA)
- 第2回
- 1904年 アンリ・コルネ (FRA)
- 第3回
- 1905年 ルイ・トゥルスリエ (FRA)
- 第4回
- 1906年 ルネ・ポティエ (FRA)
- 第5回
- 1907年 ルシアン・プティブルトン (FRA)
- 第6回
- 1908年 ルシアン・プティブルトン (FRA)
- 第7回
- 1909年 フランソワ・ファベール (LUX)
- 第8回
- 1910年 オクタブ・ラピーズ (FRA)
- 第9回
- 1911年 ギュスタヴ・ガリグー (FRA)
- 第10回
- 1912年 オディル・ドフレイエ (BEL)
- 第11回
- 1913年 フィリップ・ティス (BEL)
- 第12回
- 1914年 フィリップ・ティス (BEL)
- 第13回
- 1919年 フィルマン・ランボー (BEL)
- 第14回
- 1920年 フィリップ・ティス (BEL)
- 第15回
- 1921年 レオン・シウール (BEL)
- 第16回
- 1922年 フィルマン・ランボー (BEL)
- 第17回
- 1923年 アンリ・ペリシエ (FRA)
- 第18回
- 11924年 オッタビオ・ボテッキア (ITA)
- 第19回
- 1925年 オッタビオ・ボテッキア (ITA)
- 第20回
- 1926年 ルシアン・ビュイス (BEL)
- 第21回
- 1927年 ニコラ・フランツ (LUX)
- 第22回
- 1928年 ニコラ・フランツ (LUX)
- 第23回
- 1929年 モリス・デワール (BEL)
- 第24回
- 1930年 アンドレ・ルデュック (FRA)
- 第25回
- 1931年 アントナン・マーニュ (FRA)
- 第26回
- 1932年 アンドレ・ルデュック (FRA)
- 第27回
- 1933年 ジョルジュ・スペシェ (FRA)
- 第28回
- 1934年 アントナン・マーニュ (FRA)
- 第29回
- 1935年 ロマン・マース (BEL)
- 第30回
- 1936年 シルベール・マース (BEL)
- 第31回
- 1937年 ロジェ・ラペビー (FRA)
- 第32回
- 1938年 ジーノ・バルタリ (ITA)
- 第33回
- 1939年 シルベール・マース (BEL)
- 第34回
- 1947年 ジャン・ロビック (FRA)
- 第35回
- 1948年 ジーノ・バルタリ (ITA)
- 第36回
- 1949年 ファウスト・コッピ (ITA)
- 第37回
- 1950年 フェルディナント・キュプラー (SUI)
- 第38回
- 1951年 ユーゴ・コブレ (SUI)
- 第39回
- 1952年 ファウスト・コッピ (ITA)
- 第40回
- 1953年 ルイゾン・ボベ (FRA)
- 第41回
- 1954年 ルイゾン・ボベ (FRA)
- 第42回
- 1955年 ルイゾン・ボベ (FRA)
- 第43回
- 1956年 ロジェ・ワルコビャック (FRA)
- 第44回
- 1957年 ジャック・アンクティル (FRA)
- 第45回
- 1958年 シャルリー・ゴール (LUX)
- 第46回
- 1959年 フェデリコ・バーモンテス (ESP)
- 第47回
- 1960年 ガストネ・ネンチーニ (ITA)
- 第48回
- 1961年 ジャック・アンクティル (FRA)
- 第49回
- 1962年 ジャック・アンクティル (FRA)
- 第50回
- 1963年 ジャック・アンクティル (FRA)
- 第51回
- 1964年 ジャック・アンクティル (FRA)
- 第52回
- 1965年 フェリーチェ・ジモンディ (ITA)
- 第53回
- 1966年 ルシアン・エマール (FRA)
- 第54回
- 1967年 ロジェ・パンジョン (FRA)
- 第55回
- 1968年 ヤン・ヤンセン (NED)
- 第56回
- 1969年 エディ・メルクス (BEL)
- 第57回
- 1970年 エディ・メルクス (BEL)
- 第58回
- 1971年 エディ・メルクス (BEL)
- 第59回
- 1972年 エディ・メルクス (BEL)
- 第60回
- 1973年 ルイス・オカーニャ (ESP)
- 第61回
- 1974年 エディ・メルクス (BEL)
- 第62回
- 1975年 ベルナール・テヴネ (FRA)
- 第63回
- 1976年 ルシアン・ファンインプ (BEL)
- 第64回
- 1977年 ベルナール・テヴネ (FRA)
- 第65回
- 1978年 ベルナール・イノー (FRA)
- 第66回
- 1979年 ベルナール・イノー (FRA)
- 第67回
- 1980年 ヨープ・ズートメルク (NED)
- 第68回
- 1981年 ベルナール・イノー (FRA)
- 第69回
- 1982年 ベルナール・イノー (FRA)
- 第70回
- 1983年 ローラン・フィニョン (FRA)
- 第71回
- 1984年 ローラン・フィニョン (FRA)
- 第72回
- 1985年 ベルナール・イノー (FRA)
- 第73回
- 1986年 グレッグ・レモン (USA)
- 第74回
- 1987年 ステファン・ロシュ (IRL)
- 第75回
- 1988年 ペドロ・デルガド (ESP)
- 第76回
- 1989年 グレッグ・レモン (USA)
- 第77回
- 1990年 グレッグ・レモン (USA)
- 第78回
- 1991年 ミゲル・インドゥライン (ESP)
- 第79回
- 1992年 ミゲル・インドゥライン (ESP)
- 第80回
- 1993年 ミゲル・インドゥライン (ESP)
- 第81回
- 1994年 ミゲル・インドゥライン (ESP)
- 第82回
- 1995年 ミゲル・インドゥライン (ESP)
- 第83回
- 1996年 ビャルヌ・リース (DEN)
- 第84回
- 1997年 ヤン・ウルリッヒ (GER)
- 第85回
- 1998年 マルコ・パンターニ (ITA)
- 第93回
- 2006年 オスカル・ペレイロ (ESP)
- 第94回
- 2007年 アルベルト・コンタドール (ESP)
- 第95回
- 2008年 カルロス・サストレ (ESP)
- 第96回
- 2009年 アルベルト・コンタドール (ESP)
- 第97回
- 2010年 アンディ・シュレク (LUX)
- 第98回
- 2011年 カデル・エヴァンス (AUS)
- 第99回
- 2012年 ブラッドリー・ウィギンス (GBR)
- 第100回
- 2013年 クリス・フルーム (GBR)
- 第101回
- 2014年 ヴィンチェンツォ・ニバリ (ITA)
- 第102回
- 2015年 クリス・フルーム (GBR)
- 第103回
- 2016年 クリス・フルーム (GBR)
- 第104回
- 2017年 クリス・フルーム (GBR)
- 第105回
- 2018年 ゲラント・トーマス (GBR)
- 第106回
- 2019年 エガン・ベルナル (COL)
- 第107回
- 2020年 タデイ・ポガチャル (SVN)
- 第108回
- 2021年 タデイ・ポガチャル (SVN)
- 第109回
- 2022年 ヨナス・ヴィンゲゴー (DEN)
- 第110回
- 2023年 ヨナス・ヴィンゲゴー (DEN)
- 第111回
- 2024年 タデイ・ポガチャル (SVN)