コースの特徴
開幕から1週間。2024年ジロ初の「5つ星」難関山岳ステージにして、大会2度目の山頂フィニッシュ(前日の個人タイムトライアルを含めば3度目)がやって来た。アペニン山脈を横切る道には、1mたりとも平らな場所はなく、152kmという短距離ながら獲得標高は3820mに達する。
イタリア半島の、ほぼ真ん中に位置するスポレートを飛び出すと、すぐさまヘアピンカーブの上りが始まる。登坂距離7.3km・平均勾配5%超の「無等級」の山で、熾烈な飛び出し合戦が巻き起こるに違いない。直後の2級山岳フォルカ・カピストレッロの山道は16.3kmと長く、序盤3.5kmにわたって9%弱の難勾配も待ち構える。
2級山岳を終えたら、ステージ中盤は緩やかなアップダウンの繰り返し。終盤の3級山岳クローチェ・アッビオは、上りより、むしろ下りに注意したい。延々25km近くも続くダウンヒルは、細かく曲がりくねり、途中で2つの長いトンネルも通過する。下り切った先では、息つく暇さえないまま、最終登坂へと挑みかかる。
最後の1級山岳には22のヘアピンカーブ
ヘアピン満載の1日の締めくくりにふさわしく、1級山岳プラティ・ディ・ティーヴォの全長14.6km・平均勾配7%の山道は、22のヘアピンカーブで彩られている。平均勾配は7%で、麓から山頂までほぼ一定の勾配が延々と続く。中盤に横たわる最大12%ゾーンには、ボーナスタイム収集用ポイントも設定された。
ジロでは1975年以来の登場となる最終プラティ・ディ・ティーヴォだが、一部の選手にとっては、未知の山ではない。2021年ティレーノ〜アドリアティコ第4ステージで、3級クローチェ・アッビオの下り途中以降の道を走っているからだ。その3年前の春は、タデイ・ポガチャルが5kmの独走の果てに、2位に6秒、3位以下に29秒の差をつけ勝利を手にした。山頂ではリーダージャージも手に入れ、そのまま最後まで決して脱がなかったことも付け加えておきたい。
text:宮本あさか
関連観光グルメ
第8ステージのスタート地点となるスポレートは、ローマから電車で約1時間のところにある郊外の穴場スポット。古代ローマ時代から食べられており、カーニバルに欠かせない伝統菓子として愛されている『カスタニョーレ』が人気。栗(カスターニョ)に似た小さく丸い形からその名前が付けられており、高温の油で揚げて砂糖をまぶし、アルケルメス(甘い赤いリキュール)などを振りかけた揚げドーナツのようなものだ。
イタリアのデザートワインを代表するヴィンサントとの相性は抜群。ローマでは「カスタニョーレ」と呼ばれているが、ミラノでは「フリテッレ」と呼ばれている。
ポイント | 残り距離 | 現地時間 | 日本時間 | ||||
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36 km/h | 34 km/h | 32 km/h | 36 km/h | 34 km/h | 32 km/h | ||
オフィシャル スタート |
152.0 km | 12:45 | 12:45 | 12:45 | 19:45 | 19:45 | 19:45 |
2級山岳 | 114.9 km | 14:00 | 14:06 | 14:13 | 21:00 | 21:06 | 21:13 |
中間SP | 94.0 km | 14:28 | 14:36 | 14:44 | 21:28 | 21:36 | 21:44 |
インテルジロ | 47.6 km | 15:31 | 15:42 | 15:54 | 22:31 | 22:42 | 22:54 |
3級山岳 | 39.4 km | 15:51 | 16:03 | 16:18 | 22:51 | 23:03 | 23:18 |
中間SP | 6.0 km | 16:43 | 16:58 | 17:16 | 23:43 | 23:58 | 00:16 |
1級山岳 フィニッシュ |
0.0 km | 16:57 | 17:14 | 17:33 | 23:57 | 00:14 | 00:33 |