ラグビー用語集

ラグビー用語集

あ行

アーリーエンゲージ

スクラムでレフリーの「セット」のコールより先にスクラムを組む反則。相手にフリーキックが与えられる。

アーリータックル

相手がボールを持つ前にタックルする反則。ペナルティキックが与えられる。

アーリープッシュ

スクラムでボールが投げ入れられる前に相手を押す反則。相手にフリーキックが与えられる。

I(アイ)システム

イタリア代表が得意とするサインプレーからのアタック。主にセットプレーからバックスの選手を縦(Iの字のよう)に配置してアタックを仕掛ける。

アイランダー

直訳すれば「島人」。ラグビーワールドカップ出場の常連国、南大平洋に浮かぶフィジー、トンガ、サモアの3カ国を指す。身体が大きく、運動能力に長けた選手が多いのが特徴。

アカクロ(赤黒)

関東大学ラグビー対抗戦で戦う早稲田大学ラグビー部のAチームが着るファーストジャージーの色のことで、「臙脂」(えんじ)とも言われる。臙脂(えび茶)は早稲田大学のスクールカラーで、100年以上前に、早稲田大学野球部を指導したメリーフィールド氏の母校、シカゴ大学の校色からとったものとされる。「アカクロを目指す」と言えば1軍での試合出場を目指すという意味。

アクシデンタルオフサイド

ボールを持ったプレーヤーが自分より前にいる味方のプレーヤーにぶつかり、偶然に起こったオフサイド。その場所から相手ボールのスクラムで再開。

アップアンドアンダー

高いキックを蹴って、ボールをキャッチしようとする相手にプレッシャーをかけてボールを獲得し、再び、攻撃する戦術。キックアンドラッシュとも言う。

アドバンテージ

反則された位置よりも地域的、状況的に、反則された方が有利とレフリーによって判断された場合、試合を止めずにそのままプレーを続行すること。その後、反則されたチームが不利になると、遡って反則を適用する。

アドバンテージオーバー

アドバンテージをもらったチームがそのまま攻め続け、有利になり、反則を適用しなくてもいいと審判が判断すること。この掛け声で、アドバンテージは解消される。

アフターマッチファンクション

試合後に敵味方の区別なく関係者も含めて、飲み物を飲んだり軽食を食べ、お互いを称え合う会。大学生以上は軽くお酒を飲む場合も。単に「ファンクション」ともいう。

アライメント

alignment。直訳すると「整列」「1列に並ぶこと」という意味で、文字通り、選手が列をなして立っている状態を指す。アタックでもディフェンスでも使われるようになり、アタックライン、ディフェンスラインの替わりにアライメントと言い、「アライメントが良かった、悪かった」などと使う。

アンストラクチャー

ターンオーバーや相手のミスなど、攻守が入れ替わった直後で型が整っていない状況を指す。アンストラクチャーからのアタックは大きなチャンスとなるため、それぞれの選手の判断力が重要となる。

アンブレラディフェンス

ディフェンスの戦法のひとつ。ディフェンスラインを形成する中で、センターなど中盤の選手が極端に前に出るため、「傘」のようになるためそう呼ばれている。極端に1人の選手が前に出ることで、相手の外へのパスを遮断し展開させないことを狙う。

イエローカード

悪質な反則や繰り返しの反則に対して出され、10分間の退場処分(シンビン)が課せられる。

イリーガルホイール

スクラムを故意に回す反則、相手チームにペナルティキックが与えられる。

インゴール

ゴールラインとデッドボールラインの間のスペース。相手陣のここにボールをグラウンディングすればトライとなる。自陣のインゴールに自分たちでボールを持ち込みグラウンディングした場合は相手ボールの5mスクラムで再開される。

インジュアリータイム

プレーヤーのケガの治療などにより試合を止めている時間。

インターセプト

相手のパスを途中で奪うこと。大きなチャンスになる。

インテンシティ

日本語で言えば「強度」のこと。チーム力を上げるためには高いインテンシティでの試合が欠かせない。

インテンショナルノックオン

正式にはディリバレイトノックオン。故意にボールをはたき落とすなど、意図的にノックオンをすることで相手のプレーの継続を妨害すること。相手にペナルティキックが与えられる。また、この反則がなければトライになったと判断された場合は、ペナルティトライが与えられる場合もある。

ウィング(WTB)

バックスのポジションで正式にはウィング・スリークォーターバックス。トライを取ることが大きな仕事。背番号は11・14番。

HIA(エイチアイエー/Head Injury Assessment)

脳振盪の疑いのある選手を一時退出させ、専門家により脳振盪を確認すること。退出した選手を診察する間、最大10分間は一時交替の選手が出場可能。

8単(エイタン)

スクラムを起点としたアタックで、NO8(ナンバーエイト)8がスクラムからボールを拾い上げて自らアタックするサインプレーだ。ゴール前のスクラムではよく見られるプレーのひとつ。NO8がボールを持ち出し、相手を引きつけてからSH(スクラムハーフ)へボールをパスするのは「89」(はちきゅう)。

S&C(ストレングス&コンディショニング/strength and conditioning)

各選手のフィジカルやフィットネスの強化だけでなく、試合や試合に臨むにあたってのコンディションの調整も含めた言葉であり、2013年にエディー・ジョーンズHCがサントリーの指揮官に就任して以来、日本のラグビー界でも一般的な言葉となった。

エッジ

サイドライン際を指す言葉。

エリアマネジメント

陣地(エリア)を考えてゲームを組み立てること。エリアを取って敵陣にいた方がトライに近づき、ペナルティを誘えばPGも狙えるため、チャンスが広がる。逆に自陣にいる時間が長いと相手にトライやPGといった得点のチャンスを相手に与えてしまうことになる。敵陣でどう戦うか、また自陣からどう脱出するか、キックの使い方が大事。

オーバーザトップ

ラックで、相手側に倒れこんでボールが出るのを妨げる反則。相手チームにペナルティキックが与えられる。

オーバーラップ

基本的には「オーバーラップを作った」「オーバーラップになった」というような表現で使う。現代ラグビーではフェイズを重ねることを良しとしているが、フェイズを重ね続けて、相手のディフェンスの枚数よりもアタックの人数が多くなったときが「オーバーラップ」した状態で、アタック側の大きなチャンスになる。

オープンサイド

スクラム、ラックなどの密集からタッチラインまでの距離の長い方のサイド。短い方をブラインドサイドという。

オールブラックス

世界最強のラグビー王国であるニュージーランド代表の愛称。由来は黒いユニフォーム、パンツ、ソックスを身につけていたためという説が有力。テストマッチですべての対戦相手に勝ち越している唯一のチーム。試合の前にニュージーランドの先住民マオリ族の踊り「ハカ」を踊ることでも知られている。1987年、2011年、2015年ワールドカップで優勝している。

オフサイド

ボールのある位置より前からプレーに関与した場合の反則。相手チームにペナルティキックが与えられる。

オブストラクション

ボールを持っていない相手プレーヤーを妨害する反則。相手チームにペナルティキックが与えられる。

オフフィート

ラグビーのプレーの原則のひとつは「オンフィート」(on feet)、つまり両足が地面についたままでプレーしないといけない。その逆は「オフフィート」(off feet)という言葉であり、海外の放送やスタジアムでよく見聞きする反則。文字通り足が付いていない状態=倒れた状態のまま、相手の球出しを妨害するノットロールアウェイや、倒れたままジャッカルを妨害するオーバーザトップを指す。

オフロードパス

タックルを受けながら行うパス。

オンサイド

ボールを持っているプレーヤーより後ろでプレーに参加できる位置。

か行

カウンターラック

相手がラックを形成した後、後ろからまっすぐラックに入って、相手のサポートプレイヤーごと押し込みボールを乗り越えてターンオーバーするプレー。「オーバーラック」や一部チームでは「タイガー」とも呼んでいる。後ろからまっすぐ入らなかったり、相手のサポートプレイヤーをしっかりとつかんで押し込まなかったりすると逆にペナルティを取られてしまう。

キックオフ

競技を始めるプレーでハーフウェイラインの中央から敵陣にボールを蹴り込む。キックオフされたボールが相手の10mラインまで届かないと、もう1度蹴り直すか、相手ボールのセンタースクラムとなる。

キックパス

足で蹴るパス。前に蹴ることができ、手のパスでは届かない距離を通すことができる。キックを蹴る方(主にスタンドオフ)と、受ける側(WTBなど)との意思疎通が大事。

逆目(ぎゃくめ)

接点を起点に、攻撃している流れと逆の方向のこと。

キャップ

テストマッチ(国代表同士の国際試合)でプレーした証。元々、選手を区別するために帽子を被っていたことから始まり、その後、代表に選ばれると帽子が与えられるようになったことに由来している。

ギャップ

ディフェンスラインが整ってないことにより生まれるスペース、アタック側はそこを狙って攻める。

キャリー(ボールキャリー)

ボールを持って前に運ぶ行為を指し、ボールキャリアともいう。

キャリーバック

自陣のインゴールにボールを持込み、グラウンディングすること。相手の5mスクラムで再開される。相手が持ち込んだボールをグラウンディングすると、ドロップアウトで再開される。

給水ルール

給水は原則、前後半で2度(気温が高い場合で、レフリーが認めればその限りではない)。それ以外に給水する場合はトライ後などに、自陣のデットボールライン後方か、チームのテクニカルゾーンで行わないといけない。また、ヘッドコーチやディレクター・オブ・ラグビーが給水することはできない。

餃子耳(ぎょうざみみ)

FWの選手に多い症状で、耳がタックルやスクラムを繰り返して擦って内出血し固まった状態。「カリフラワーイヤー」とも呼ばれる。柔道やレスリングの選手にもしばしば見られる。

クイックスローイン

ボールがタッチラインから出た時、ラインアウトが形成される前にすばやくボールを投げ入れること。ただし、ボールが障害物などに当たっていない場合のみ可能で、タッチを割った地点より後方から投げ入れなければならない。

クラウチ

スクラムを組む時にレフリーが最初に発するコール。このコールでFW最前列の3人が腰を落とし、スクラムを組む体勢を取る。

グラウンディング

プレーヤーが持っているボールを地面につけること、または地面のボールを手や首から腰までのどこかの部分で押さえるように倒れ込むこと。

クラッシュ

ボールを持ったプレーヤーが縦に走り、意図的に相手に当たってポイントをつくること。FWやセンターがよく行う。

グラバーキック

地面を転がす短いキック。ゴロパンともいう。

クリーンアウト

日本語では「はがす」。ブレイクダウンで相手の選手をどかしてアタック側がボールを出しやすくするプレー。特にラックにはタックラーやセカンドタックラー、ジャッカルなどでボールを奪い返そうとしてくる相手の下に入ったり、ロール(胴体を掴んで転がす)して退かせて、ボールを出しやすいようにする。

ゲインライン

スクラム、ラインアウト、ラック、モールなどの中心から、ゴールラインと平行に仮想で引かれた線。このラインを越えることで前進したとされ「ゲインラインを突破した」などと使われる。

黒黄(こっこう)

1899年に日本で最初にできたラグビークラブである慶應義塾大学のファーストジャージーの色で、系列校も同じ色のジャージーを着ている。クラブができた時からこの色だったという。部歌にも出てくる言葉であり、黒黄の色にちなみ「タイガージャージー」という言い方や選手たちのことを「黒黄軍団」「タイガー軍団」と呼んだりもする。

ゴールラインドロップアウト

2021年8月から施行された新ルールで、次の場合はゴールラインの任意の位置からドロップアウトで再開される。攻撃側の選手が相手のインゴールでノックオンした場合。攻撃側がインゴールでボールがヘルドアップ(=インゴールに持ち込んだが、グラウンディングができない状態)した場合。攻撃側のキックを相手側が自陣のインゴールでグラウンディングした場合。

五角形アタック

東海大大阪仰星が得意としている、セットプレー、特にスクラムからのサインプレーのこと。バックスラインの5人を五角形に配置し、アタックを仕掛けて相手を崩す。

コミット

トイメンの選手をマークする、あるいはトイメンの選手にマークされること。

5mスクラム

ゴールラインから5mの場所で組むスクラム。キャリーバック(=守備側が自陣のインゴールにボールを持ち込んでグラウンディングした)時に行われる再開方法。

コラプシング

スクラム、モールを意図的に崩す反則。相手にペナルティキックが与えられる。

コリジョン

coollisionとは接点一般を指す言葉で、近年、よく聞かれるようになった。

紺グレ(コングレ)

1911年創部と慶應義塾大学、京都大学に次ぐ歴史を持ち、大学選手権優勝4回を誇る「関西の雄」同志社大学ラグビー部のジャージーの色のこと。紺とグレーの段柄で、それを省略して「紺グレ」と呼ばれている。そのため、紺グレと言えば同志社大学ラグビー部を指し、「紺グレ軍団」「紺グレ魂」という使い方もされる。

コンテストキック

敵と味方がボールを獲得し合う状況になるようなキック。「コンテスト」は身体がぶつかるという意味。

コンバージョンキック

トライを決めた後に得られるキック。トライ地点とタッチラインの平行線上から蹴る。入ると2点が追加される。ゴールキックともいう。

さ行

サクラセブンズ/サクラフィフティーン

「サクラセブンズ」は女子7人制日本代表の愛称。女子15人制日本代表の愛称が「サクラフィフティーン」。全国から応募があり、代表選手たちが目を通してから決まった。日本代表の桜のエンブレム、桜のジャージーにちなんでサクラという名が付いた。

桜のエンブレム

ラグビー日本代表のジャージーには3輪の満開の桜の花のエンブレム描かれている。初代日本代表監督だった香山蕃氏が選んだという。そのため日本代表のジャージーは「桜のジャージー」とも言われる。1930年、最初のエンブレムでは3輪の桜は満開、半開き、つぼみだったが、1952年のオックスフォード大学戦で3つの花びらが満開となる現在の形になった。

サンウルブズ

2016年から2020年まで世界最高峰のリーグ「スーパーラグビー」に参加していた日本を本拠地とするチーム。代表クラスの選手たちが加わり、日本の強化につながった。

GPS(ジーピーエス/Global Positioning System/ Satellite)

GPSとはグローバル・ポジショニング・システム(全地球測位システム)の頭文字で、衛星測位システムのこと。トレーニング中や試合中にGPSをつけてそのデーターを活用している。試合ではジャージーの背中につけたり、練習ではシャツの下にブラジャーのような器具をつけている。

シェイプ

広い意味ではアタック戦術の「アタック・シェイプ」も含まれているが、単に「シェイプ」といった場合は、アタック時のFWやBKのポジショニングを指す。近年はFW3人の選手が「アロー」(矢)の形を作って、浅めに立つ「シェイプ」が流行っている。カウンターからの形も「シェイプ」という場合もあり、ある程度、決まったポジショニングや立ち位置のこと。

紫紺(しこん)

紫紺と白の段柄の明治大学のファーストジャージーのことを指す。明治大学やラグビー部を象徴する色となっている。紫紺のジャージーを洗濯するのは1年生の役目で、白の部分が真っ白になるまで洗わないといけない、洗っている姿を見られてはいけないというルールがあったという。

静岡の衝撃

「静岡の衝撃」(Shock of Shizuoka)は2019年9月28日に静岡・小笠山総合運動公園エコパスタジアムで行われた、ラグビーワールドカップの予選プールAの2戦目、日本代表が19-12で、アイルランド代表に勝利した試合のこと。大会前は世界ランキング1位だった優勝候補の一角であるアイルランド代表に、ホームの日本代表が勝利したことが世界中に衝撃を与えた。

ジャッカラーの安全

守備側でジャッカルに入っている選手(ジャッカラー)の下肢を狙った、または下肢に衝撃を与えるようなクリーンアウトはペナルティとなる。

ジャッカル

タックルで倒れた選手からボールを奪うプレー。ジャッカルが獲物を食べる様子に似ていることから、このプレーが上手い元豪州代表ジョージ・スミスの愛称が「ジャッカル」となり、さらにプレーの名前となった。

シャドー

ブレイクダウンの真後ろやバックドアの選手の内側に配置された選手のことで、ノミネートされにくいような位置取りをしてる選手のこと。

順目(じゅんめ)

アタックでラックやモールで接点を起点に、攻撃している流れの方向。

正月越え(しょうがつごえ)

全国高校ラグビー大会や大学選手権で使う。正月まで負けることなく勝ち上がり、正月を越すこと。高校ラグビーは12月30日の2回戦を勝ち、1月1日の3回戦進出。大学ラグビーは1月2日に行われる準決勝に進出することを意味する。

ショートラインアウト

フォワードの7人全員が参加せず、3~4人などで行われるラインアウト、少なくとも2人以上が必要となる。

ショットクロック

2023年のラグビーワールドカップで、時間短縮のために導入されたルールの1つ。トライ後のゴールキック(=コンバージョンキック)は90秒以内、相手の反則後のペナルティキックは60秒以内に蹴らなければならないルール。時間を越えると無効、つまり失敗となる。スタジアムのビジョンや放送で規定の時間が表示される。

ショルダーチャージ

肩や肘から相手にぶつかる危険なタックルで反則。相手にペナルティキックが与えられる。

シンビン

悪質、危険なプレーや反則を繰り返す選手を10分間、一時退場させること。その選手にイエローカードが提示される。

菅平(すがだいら)

長野県の東部に位置する菅平高原のこと。上信越高原国立公園に属し、上田市を中心とした標高1300mを超える高原。ラグビー場が100面以上あり、夏合宿のメッカ。ラグビーの合宿地としては戦前から使用され、戦後、早稲田大学が使うようになり、徐々にチーム数が増えて小学生から社会人まで毎年1000近くのチームが合宿しているという。

スクール☆ウォーズ

1981年に発表されたノンフィクション。京都市立伏見工業高等学校ラグビー部とその監督で元日本代表FLの山口良治が荒廃した高校を立て直し、高校ラグビーで日本一になるまでを描いた。1984~85年にはドラマ化されヒットし、ラグビー人口が増加したほどの話題作となった。オープニングでは、ヒットした主題歌「ヒーロー」の曲とともに、実際にモデルとなった全国大会決勝戦の映像が流れた。映画にもなっている。

スクラム

ノックオンやスローフォワードなど軽い反則の後で試合が再開される際に行われるプレー。両チームのフォワード8人同士がレフェリーの3つのコールでスクラムを組む。「クラウチ」で身をかがめ、「バインド」で相手と組み合い、「セット」でスクラムが始まる。

スクラムハーフ(SH)

バックスのポジションでフォワードからボールをバックスへ供給する。スタンドオフとともにハーフバックスとも言われる。背番号は9番。

スコッド

もともと軍隊用語で「分隊」を意味する言葉だったが、同じ仕事をする隊、チームを指す言葉になった。ラグビーでは選ばれたあるチームの選手という意味で、「日本代表スコッド」となると、日本代表候補選手という意味。

スタンドオフ(SO)

バックスのポジションで司令塔の役割。スクラムハーフとともにハーフバックスとも言われる。背番号は10番。

スチール

ボールを奪うこと。特にラインアウトで相手のボールを強奪することを「スチール」という。スチールは相手の攻撃権を奪うことになり、自陣ゴール前では一気にピンチを脱し、敵陣ゴール前では一気にチャンスとなるため、流れを変えるビッグプレーのひとつ。

ストラクチャー

攻撃や守備で陣形が整った状態。逆に陣形が整っていない状態をアンストラクチャーと呼ぶ。

スプリングボクス

南アフリカ代表の愛称。スプリングボック(Springbok)とは、サバンナに住むウシ科で、南アフリカのナショナルアニマル。複数形でスプリングボクスとなる。もともとすべてのスポーツの南アフリカ代表の愛称だったが、変更されることが一度は決まった。しかし、当時のマンデラ大統領がその決議を1人で覆して今に至る。その逸話は映画「インビクタス-負けざる者たち-」に詳しい。2019年のワールドカップでは3度目の優勝を飾った。

スリーチアーズ

試合後にキャプテンやリーダーが、「スリー・チアーズ・フォー○○」(Three cheers for ○○)と言ったあと、「ヒップ、ヒップ」(hip,hip)と言いながら親指を立てて、他の選手たちも親指を立てながら「フレー」(hooray)と言う。これを3回繰り返すので「スリーチアーズ」(万歳三唱)という。エールの交換なので、終わればもう片方のチームが行う。もともと英語圏で行われていたのが、日本の大学ラグビーでエールの交換が一般的になった。

スローフォワード

ボールを前に投げてしまう反則。相手のスクラムで試合再開。

スローワー

ラインアウトでボールを投げ入れるプレーヤー。誰が行ってもいいがフッカーが務めることが多い。

スワーブ

弧を描くようにディフェンダーの外側をかわしていくプレー。

セービング

身を投げ出して地上にあるボールを確保するプレー。

セット

スクラムの際、審判が発する3つのコールの最後。このコールでスクラムが組まれる。

セットプレー

スクラムやラインアウト、キックオフといった試合を再開するプレー。セットピースとも言う。

セブンズ

7人制ラグビーのことで、7対7で行い、前後半7分で行うが、15人制ラグビーとほとんどルールは変わらない。1883年、スコットランド南部のメルローズで、肉屋の店員がメルローズクラブの財政難を救うために開催したことから発祥したという。2016年のブラジル・リオデジャネイロから五輪の正式競技となった。

センター(CTB)

バックスのポジションで正式にはセンター・スリークォーターバックス。背番号は左が「12」、右が「13」だが、常にスクラムやラインアウトなどに近い方に位置するインサイドセンターが「12」、遠い方のアウトサイドセンターが「13」をつける場合が多い。

センタースクラム

ハーフウェイラインの中央で組まれるスクラム。キックオフでボールが10mラインに届かない時や、ボールが直接タッチに出た時などに行われる。

た行

退場

非常に悪質、危険な反則や、2枚目のイエローカードを受けた後に出される処分。レフリーがレッドカードを提示する。

ダイレクトタッチ

自陣の22mラインより前で蹴ったボールが直接タッチラインの外に出ること。蹴った地点のタッチラインから相手のラインアウトで試合再開。

タッチキック

タッチラインの外側にボールを蹴り出すキック。地域を挽回する目的で行われる。

チャージ

キックで蹴り出されたボールを身体で止めるプレー。この場合は手に当たってボールが前に落ちてもノックオンにはならない。

チャンネル

攻撃する地点のこと。ブレイクダウンの真上をチャンネル0、インサイドをチャンネル1、ミッドフィールドをチャンネル2、アウトサイドをチャンネル3と呼ぶ場合が多い。

チョークタックル

上半身を抱え込むようにタックルして、相手のボールに絡むタックル。「チョーク」(choke)とは「息を詰まらせる、ふさぐ」という意味で、実際に首にタックルすることは反則となる。1人がチョークタックルで相手を止めてモールを形成し、隙があればボールを奪うか、味方がフォローしモールの停滞(モールアンプレアブル)を狙うこともできる。

ちょこパン

ちょこっと高めのパントキック。相手のディフェンスラインの裏に蹴り、自らボールの再獲得を狙う場合が多い。

チョップタックル

一番ポピュラーで基本的なタックル。チョップ(chop)とは「斧などで叩き切る」という意味の通り、相手の腰から下に入る低いタックルで相手を倒すタックル。味方が周りにいれば、チョップタックルで相手が倒れた後すぐにジャッカルすることができる。

(ティエムオー/Television Match Official)

ビデオ判定のこと。

ディリパレイトノックオン

ボールをわざとはたいてノックオンする、インテンショナルノックオンのこと。「Deliberate」とは意図的という意味で、ディリバレイトノックオンが正式な名称。

テクニカルゾーン

自陣ベンチ前にある3m×18mのゾーン。監督やヘッドコーチはこのエリアから指示をださないといけない。また決められた回数(原則、前後半で2度)以外の給水もこのエリアやデッドボールライン後方で行わないといけない。

デコイ

狩猟で使う囮(おとり)のこと。パスを受ける選手の囮になるという意味で、ダミーランナー、ブロッカーとも呼ばれる。現代ラグビーでは、相手のドリフトディフェンスを止めるために、デコイを置きつつ、外への展開を狙うことが多い。

テストマッチ

国の代表同士の国際試合のこと。

テリトリー

地域のこと。陣取り合戦の部分もあるラグビーにおいて、「テリトリー」(領域、陣地)を取っていくことは戦略的に大きな意味を持つ。敵陣に近ければ得点のチャンスが増えて、自陣にいれば相手に得点されてしまうリスクがある。テリトリーはエリアとほぼ同義語で、エリアマネジメントとはテリトリーを取っていくことを意味している。

トイメン(対面)

アタックラインやディフェンスラインで、自分の対している相手のこと。もともとは麻雀で卓の向かいにいる人を指す言葉。

トップリーグ

リーグワンの前、2003年から2021年まで行われていた15人制ラグビーの全国リーグで、正式名称は「ジャパンラグビー トップリーグ」。12チームで始まったが、最終的には16チームによるリーグ戦とプレーオフによって優勝が決められていた。優勝チームは4チームのみで、東芝、サントリー、パナソニックが5回ずつ、そして神戸製鋼が2度優勝した。

ドライビングモール

モールの状態で相手を押し込んでいくプレー。

トラッキング

タックルに入るまでのタックラーの動き、追い込み方。

トランジション

アタックからディフェンス、ディフェンスからアタックと局面が切り替わることを指す。

ドリフトディフェンス

ディフェンスシステムのひとつ。ドリフト(drift)とは「横滑り」という意味で、相手がパスしたら、その選手をマークしていた選手は流れていくを繰り返し、最終的にはタッチラインを味方にしつつ2対1を作ることが狙い。相手にゲインされてしまうが、破綻の少ない組織ディフェンスだ。

ドロップアウト

ドロップキック(ボールを一度地面でバウンドさせる)で試合を再開する方法。ペナルティゴールが外れ、そのボールを守備側がインゴールでグラウンディングしたときなどは、22mドロップアウトとなる。また、攻撃側がインゴールに持ち込んでグラウンディングできなかった場合などは、ゴールラインからのドロップアウトとなる。

ドロップキック

ボールを一度地面に落下させ、跳ね返ってきたボールを蹴るキック。

ドロップゴール

相手のゴールポストの間とクロスバーの上をドロップキックでボールを通すゴール。3点が与えられる。

な行

ナンバーエイト(NO8)

フォワード第3列(サードロー、バックロー)真ん中のポジションでスクラムの最後尾に位置する。背番号は「8」。

ニーリング

スクラムやラックで意図的にひざをつくなど形を崩そうとする反則。相手にペナルティキックかフリーキックが与えられる。

22mドロップアウト

次の場合は22mドロップアウトで再開される。決まらなかったペナルティゴールやドロップゴール、そしてペナルティキックを守備側がインゴールにグラウンディングしたり、ボールがデッドになった場合。さらに攻撃側が相手のインゴールでデッド(外に出た)場合。

22mライン

ラグビーで特徴的で重要なライン。22mラインとゴールラインの間は守備に有利なルール設定されている。ここから蹴り出すキックはノーバウンドでも「ダイレクトタッチ」にならず、相手の蹴ったボールをノーバウンドで取ると「フェアキャッチ」が認められる。

ネックロール

相手をクリーンアウト(ブレイクダウンで相手をはがすプレー)するとき、相手の首に手を掛けて横に倒してはならない(ペナルティ)。胴体を持ってロールすることは問題ない。

ノーサイド

試合終了のこと。試合が終わったら両チームのサイドがなくなり、仲間になるという精神に由来。

ノーバインド

スクラムからボールが出る前にバインドを外してしまう反則。相手にペナルティキックが与えられる。

ノーバインドタックル

相手を捕まえるようにタックルせず、ぶつかるタックルは危険なため反則。相手にペナルティキックが与えられる。

ノーホイッスルトライ

キックオフからプレーが途切れず、ホイッスルが吹かれることなくトライすること。

ノーボールタックル

ボールを持っていないプレーヤーにタックルする反則。相手にペナルティキックが与えられる。

ノックオン

プレーヤーがボールを前に落とすこと。相手ボールのスクラムで再開。

ノックオンオフサイド

ノックオンしたボールをオフサイドの位置にいたプレーヤーが触れること。相手にペナルティキックが与えられる。

ノックバック

プレーヤーが手や腕でボールを後ろに落とすこと。反則にはならない。

ノットストレート

スクラムやラインアウトの時に、ボールを入れるプレーヤーが両チームの間にまっすぐ入れられなかったこと。相手ボールでのスクラムで再開。

ノット10m(テンメーター)

ペナルティキック、フリーキックを蹴る地点より、10m以上下がらない反則。相手にペナルティキックが与えられる。

ノット5m(ファイブメーター)

ラインアウトでタッチラインから5mより奥に投げ入れない反則。相手のフリーキックで再開。

ノットリリースザボール

タックルを受けて倒されたプレーヤーがボールを離さない反則。相手にペナルティキックが与えられる。

ノットロールアウェイ

タックルをしたプレーヤーがすぐに立ち上がらなかったり、相手を離さなかったりしてプレーの妨害をした場合に取られる反則。相手にペナルティキックが与えられる。

ノット1m(ワンメーター)

ラインアウトで相手と1m以上離れなかった反則。相手のフリーキックで再開。

ノミネート

ディフェンスの選手がプレーが止まっている時、自分の守るべき相手を決めて、チームのメンバーに知らせること。

は行

バージング

ラインアウトで相手を掴んだり押したり妨害する反則。相手にペナルティキックが与えられる。

ハイタックル

相手の肩のラインより上にするタックルで危険なため反則。相手チームにペナルティキックが与えられる。

ハイパフォーマンスユニオン(ティア1)

2023年5月のワールドラグビーの理事会で、日本ラグビー協会はワールドラグビーにより5つの区部による最上位「ハイパフォーマンスユニオン」となり、理事会に参加できる人数が2人から3人に増加した。これで、日本ラグビー協会はいわゆる北半球6カ国、南半球の4カ国の強豪国「ティア1」に入ることになり、世界のトップユニオン(協会)に認められることになった。今後、日本はアジア、そして世界のラグビーをリードしていくことが求められている。

ハイパント

滞空時問の長い、高く蹴り上げるキック。

パイルアップ

ラックやモールの状況で、ボールを奪い合うプレーヤーが重なって倒れて、ボールが出ずプレーが続行できない状態。ラックの場合は前の段階で有利とされるチームのボールとなるスクラムで再開。モールはボールを持っていなかった方のチームのスクラムで試合が再開。

バインディング

スクラム、ラック、モールで他のプレーヤーの身体を腕全体で抱え込み、ひとかたまりになること。

バインド

スクラムの際、レフリーが発する2つ目のコール。このコールで相手選手と掴み合い、「セット」のコールでスクラムを組む。

バックドア

FWなどが相手のディフェンスラインに対して浅く立ち、その後方にアタックライン(シェイプ)を形成しダブルラインを形成する。その後方のアタックラインが「バックドア」と呼ばれる。

バッファロー

ラグビー界ではアフターマッチ・ファンクションなど、飲み会の席でビールなどのジョッキ、グラスを右手で持ってはいけないという暗黙のルールがある(握手を冷たい手でするのは失礼であるため)。右手でもしグラスを持っていたら、周りから「バッファロー」という掛け声がかかり、その人はジョッキ、グラスのお酒を飲み干さないといけない(牛のひづめが冷たいからバッファローとなったという)。

花園(はなぞの)

大阪府東大阪市にあるラグビー場。高校ラグビーの全国大会が開催されるため、大会自体を「花園」と呼ぶこともある。花園近鉄ライナーズのホストスタジアムでもあり、2019年のワールドカップ会場の1つだった。

「バンカー」システム

2023年のラグビーワールドカップで、時間短縮のために導入されたルール。U20チャンピオンシップやテストマッチで試され、実施が決まった。「バンカー」は、レフリーが反則をした選手に対して退場処分にするべきかどうか迷った際にサポートするシステム。

少なくともイエローカードが妥当で、レッドカードかどうか迷った場合には、レフリーはその選手を10分間の退場とし、その間に「バンカー」にいる審判団(ファール・プレー・レビュー・オフィシャル)にレビューを求めることができる。その結果は8分以内にスタジアムなどで発表される。

「バンカー」(bunker)はゴルフのバンカーと同じで、「地下壕」や「防空壕」など、半地下の堅固な建物を指す軍事用語だが、転じて見ない部屋で判定するという意味で使用されている。

ハンド

スクラムやラックで地面にあるボールに対し、手を使った場合の反則。相手にペナルティキックが与えられる。

ハンドオフ

ボールを持ったプレーヤーがタックルしようとする相手を、手で突き離して防ぐこと。

ハンドリング

ボールの手捌きのことで、ラグビーではキャッチやパスといった手を使うスキルのことを意味する。

ピックアップ

スクラムやラックで地面にあるボールを手で持ち上げる反則。相手にペナルティキックが与えられる。

ピラー(ポスト)

ラックができた後、ディフェンス側から見れば、その周りを抜かれると一番、トライに結びついてしまう。そのため、ラックやモールができたら、その両側に2人ずつ(1人~2人目を両方をピラー、1人目をピラー、2人目をポストと呼ぶ場合も)選手を立たせてゾーンで守り、近場をしっかり固めるのが定石となっている。

フィジアンマジック

リオ、東京五輪で2大会連続金メダルを獲得するフィジーではセブンズが国民的なスポーツ。7人制ラグビーで活躍した選手が15人制ラグビーでも躍動し、変幻自在のステップからオフロードパスでボールをつないでいく様子は魔術のようということで「フィジアンマジック」と呼ばれる。15人制のフィジー代表の愛称は「フライング・フィジアンズ」。

50:22(フィフティ・トゥエンティトゥ)

攻撃側が自陣(ハーフウェイラインの手前)からボールを蹴って、相手陣の22mラインより内側でワンバウンド以上させてタッチに出た場合、その後のラインアウトはボールを蹴り出した側のボールでのスタートとなる。ただし、攻撃側のポイントがハーフウェイラインを越えていて、ボールをパスで自陣に戻してから蹴った場合には適用されない。

フェアキャッチ

相手がキックしたボールを自陣22mラインの内側で「マーク」と言ってキャッチすること。フリーキックが与えられ、キャッチしたプレーヤーのキックで再開される。

フェーズ

ボールが密集から出て、その攻撃が次の密集で止まるまでの一連の攻撃を指す。連続攻撃の時などに「フェーズを重ねる」と言うふうに使われる。

フェッチャー

fetcherはボールを取ってくる人を意味し、ボールを奪う選手のことで、ジャッカルをする人とのこと。ジャッカラーと同義。

フォールディング

ブレイクダウン周囲にいるディフェンスの選手が順目側にポジショニングすること。フォールディングが遅れてしまうとピンチになる場合が多い。

フッカー(HO)

フォワード第1列(フロントロー)の真ん中のポジション。背番号は「2」。

フッキング

スクラムで投げ入れられたボールを足で後ろに蹴り出すこと。

フットアップ

スクラムでボールが投げ入れられる前にFW第1列が足をあげる反則で、相手チームのフリーキック。

ブライトンの奇跡

2015年ワールドカップ、予選プールで日本代表が南アフリカ代表を34-32で破った試合。開催スタジアムがロンドンの南にあるブライトンだったため、こう呼ばれる。日本代表は前半から接戦を演じ、29-32で迎えた終了間際のペナルティで、PGを狙わずスクラムを選択し、WTBカーン・ヘスケスが左隅にトライを挙げて逆転勝利。日本代表のワールドカップの24年ぶりの勝利は、世紀の大金星となった。

フライハーフ

スタンドオフの別称。よくボールを蹴るハーフバックからこの名がついた。

フライングウェッジの反則

相手とコンタクトする前、ボールキャリーの選手に味方1人の選手がバインドしてキャリーするのはOKだが、ボールキャリーに対して2人以上でバインドした(=フライングウェッジ)状態のままコンタクトするとペナルティとなる。相手にコンタクトした後に2人以上、バインドすることは反則とならない。

ブラインドサイド

スクラムや密集から見てタッチラインまで狭い方のサイド。ショートサイドとも言う。反対に広いサイドはオープンサイド。

ブラッドビン

止血のための一時退出のこと。出血した選手は止血する義務があり、その間は交代メンバーが認められ、止血が終わると再出場できる。

フランカー(FL)

フォワード第3列のポジションでサードローやバックローとも言われる。背番号は左フランカーが「6」、右が「7」だが、スクラムで狭い方のスペースに位置する「ブラインドサイドフランカー」が「6」、広い方の「オープンサイドフランカー」が「7」を付ける場合もある。

フリーキック

やや重い反則を犯した時に与えられるキック。ゴールを狙うことはできない。タッチに蹴った場合、相手ボールのラインアウトで再開。

ブリッツディフェンス

ディフェンスラインが極端に前に出て、相手に考える時間、空間を奪うディフェンスシステム。シャローディフェンス、ラッシュディフェンスとほぼ同義で、近年、採用するチームが増えた。

ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ

イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドのホームユニオンによる合同チーム。1891年から第1回遠征が始まり、1910年に4協会全てが参加するようになった。基本的にワールドカップ開催の中間年、4年に1度結成され、南半球のニュージーランド、オーストラリア、南アフリカへ順次遠征する。

フルハウス

1試合で1人の選手がトライ、コンバージョンゴール、ペナルティゴール、ドロップゴールをすべて決めること。ラグビーワールドカップでは2003年大会で、日本代表のSO(スタンドオフ)アンドリュー・ミラーがフィジー代表戦で、リーグワンでは2023年3月5日、埼玉ワイルドナイツの山沢拓也が達成している。

フルバック(FB)

バックスのポジションで全体の最後尾に位置する。背番号は「15」。

ブレイクダウン

モールやラックなどの接点の総称。パスやランニングによる攻撃が止められ、動かなくなった状況。

ブレイブ・ブロッサムズ

ラグビー日本代表の愛称。きっかけは2003年ワールドカップ オーストラリア大会。スコットランドと対戦した日本は11-32で負けたものの、健闘した日本代表に対して地元紙が「BRAVE BLOSSOMS」(勇敢な桜の戦士たち)という見出しを出した。また、日本在住で世界に日本のラグビー情報を発信するイギリス人記者もウェブサイトの記事で「BRAVE BLOSSOMS」という表現を使うなど、世界に浸透していった。

ブレーキフット

よりスクラムを安定的、そして安全に組むため、HOはスクラムを組むとき、片方の足を前に出して、スクラムの自重を支えられるようにコントロールする(=ブレーキフットする)ことが義務化された。首を相手の肩に当てるなどHO(フッカー)がブレーキフットをせずにスクラムを安定させなかった場合、相手にFKが与えられる。

プレースキック

トライ後のゴール(コンバージョン)キックや、ペナルティゴールなど地面に置かれたボールをキックすること。昔は砂でボールを固定していたが、現在はティーを用いることがほとんど。

プロップ(PR)

フォワード第1列のポジションで、フロントローとも言われる。背番号「1」は左プロップ、「3」は右プロップ。左プロップはスクラムで片方の肩のみで組むため「ルースヘッドプロップ」、右は両肩に相手の体重がかかるため「タイトヘッドプロップ」という。

フロントドア

接点から見て、ダブルラインの浅く立っているFWのアタックライン(シェイプ)のことは「フロンドドア」と呼ばれる。

ヘッドキャップ

「ヘッドギア」とも呼ばれ、頭部や耳を保護する帽子状のもの。高校生以下は着用が義務づけられており、各高校でお揃いのものをつけている。大学生以上はつけなくてもいいが、母校のヘッドキャップをつけている選手も多い。プロ選手はカラフルなものをつけていて、トレードマークになっている選手もいる。

ペナルティキック

重い反則を犯した時に与えられるキック。ペナルティゴールを狙うことができ、タッチラインの外に蹴り出した場合は、続けてマイボールでラインアウトができる。

ペナルティゴール

ペナルティキックでゴールが成功した場合の得点で3点。

ペナルティトライ

守備側の反則がなければトライが取れたと判断された場合、トライと認定され、レフリーはポスト中央でトライを与える。ゴールは蹴らずに、直接7点が入る。

ペネトレイター

FW、BKに関わらず突破役の選手のことを「ペネトレイター」(penetorator)と呼ぶ。大きかったり、強かったり、重かったりする選手が選ばれることが多く、スクラム、ラインアウトといったセットプレーからは、まず、ペネトレイターにボールを預けることが多い。

ホイール

スクラムが90度以上回転すること。スクラムのやり直しになる。

ホールディング

タックルした後、相手を離さず次のプレーを妨害する反則。相手にペナルティキックが与えられる。

ホーン

前半や試合終了を知らせる音。ロスタイムを除き、前後半40分に達すると鳴らされる。このホーンの後、プレーが途切れたところで終了となる。但し、ペナルティでは試合は終了しない。

ボックスキック

スクラムなど、プレーヤーが密集した裏に高く蹴り上げるキック。スクラムハーフがよく使う。

ポッド

FWとBK一体となったユニット(=ポッド、鯨などの群れの意味)を、グラウンド全体に配置するアタック戦術。「ボールは人より速い」という基本概念の下、2つ、3つとユニットが増えて、現在では4つが主流となり、世界中のチームが採用。グラウンドの中央はFWのフロントファイブの選手が2つのユニットを組んで、両サイドにFLやNo.8など大きな選手を組ませて配置する例が多い。ゲームコントローラーはSO、FBやCTBの2人が務める。

ま行

マーク

相手チームが蹴りこんだボールをノーバウンドで、自陣22mラインの内側で「マーク」と言いながら直接キャッチすること。キャッチしたチームにフリーキックが与えられる。

前へ

13度目の大学選手権で優勝を果たした明治大学ラグビー部の伝統的なスローガンで精神的支柱となる言葉。1929年から67年に渡り監督を務めた故・北島忠治氏の遺訓となっており、「前へ」のスローガンの下、「重戦車」と呼ばれる強力FWで黄金期を築いた。

マッチオフィシャル

「マッチオフィシャル」とはいわば「審判団」で、レフリー1名、アシスタントレフリー2名、TMOの4人のことを指す。ほかにも交替指示者(サブコントローラー)などもレフェリーの資格を持っている人が務める。

ミスマッチ

ボールを持った選手とそれをマークする選手で、身体の大きさやスピードが異なる場合を「ミスマッチ」と呼ぶ。攻撃側は戦術やサインプレーでミスマッチを意図的に狙う場合も多い。

モール

ボールを持ったプレーヤーを含め、両チーム3人以上が立った状態で組み合った状態。

モール・アンプレアブル

モールでボールが出ない状況。相手ボールのスクラムで再開。

や行

ユーズイット

審判が密集からボールを出すように指示する時の言葉。ユーズイットの指示があってもボールを出さない場合には反則で、相手ボールのスクラムになる。

ユニオン

英語で15人制ラグビーを指す。13人制ラグビーの「ラグビーリーグ」(Rugby league)に対し、15人制は「ユニオン」(Union)はまたは「ラグビーユニオン」(rugby union)と呼ばれる。

ら行

ラインアウト

タッチラインの外にボールが出た後、試合再開で行われるプレー。タッチラインと垂直に並んだ両チームプレーヤーの間にボールを投げ入れる。ボールを外に出したチームではない方がボールを入れるが、ペナルティキックで蹴り出された時は、蹴り出したチームが入れる。

ラインアウトの解消

モールに参加しない選手はマーク・オブ・タッチ(ラインアウトの中心線)から10m離れていなければいけない(その中からプレーしたらオフサイド)。10mのオフサイドが解消(ラインアウトの解消)されるのは以下の場合。ボールまたはボールを持った選手がラインアウトから離れた場合。タッチラインと5mラインのエリアに入った場合。15mラインを越えた場合。ラインアウトからモールやラックが形成されたとき、選手全員の足がマーク・オブ・タッチを越えた場合。

ラグビー校

1823年、イングランド中部・ラグビーの街にあるパブリックスクールのラグビー校で、エリス少年がボールを持って走ったという伝説がラグビーの起源とされている。そのため、この高校の名前が競技にそのままついた。ラグビー校のエンブレムが赤いバラのため、イングランド代表のエンブレムも赤いバラになったと信じられている。ラグビー校は現存しており、日本にも2023年に開校予定。

ラック

地面にあるボールを両チーム合わせて2人以上が立った状態で組み合って奪い合う状態。また攻めていた方のチームが、地面にあるボールをまたいだだけでもラックとなる。

ラックアンプレアブル

ラックでボールが出ない状況。再開はレフリーが優勢と判断したチームのボールでスクラム。

ラッチ(ラッチジング)

ボールキャリーしている選手に味方選手がジャージーに手を掛けてバインドしている状態のこと。味方選手に1人の選手がバインドしてキャリーすることはOKだが、2人以上バインドした状態でコンタクトするとフライングウェッジのペナルティとなる。

ランパス

選手が横に並んで、パスしながら走ることでトレーニングの定番となっている。真夏の暑い中、何十本もやって、トラウマになっている選手もいる。高校のラグビー部の夏合宿の締めは、全員でのランパスが定番。

リーグワン

18シーズン続いたトップリーグにかわり、2022年から始まった日本のラグビー新リーグ。正式名称は「ジャパンラグビー リーグワン」。

リーグラグビー

ラグビーとサッカーが袂を分かった直後の1895年、ラグビーはアマチュアの15人制ラグビー「ユニオン」と、プロ化を進めた13人制ラグビー「リーグ」に分かれた。13人制ラグビーでは、スクラムは形だけあるだけで、タックルで4回相手を倒す(背中を地面につける)と攻撃権は相手に移るというルール。そのためリーグ出身の選手はタックルが上手く、リーグのディフェンスシステムがユニオンに入ってくることも多い。

リサイクル

ボールをアタックして継続すること。近年のアタック戦術は、ゲインベースではなくリサイクルベースで相手を崩すことを狙う。

ルーティーン

「決まった手順、所作」でルーティーンワークという言葉も浸透していたが、2015年にワールドカップで3勝を挙げた日本代表FB五郎丸歩のプレースキックを蹴る前の動作=ルーティーンが注目され、一気にお茶の間まで浸透。忍者のようなポーズを真似ることが流行した。

レイトタックル

相手がボールを放した後、遅れてタックルする反則。相手にペナルティキックが与えられる。

レッドカード

非常に悪質だったり、危険な反則や、2枚目のイエローカードを受けた時に出るカード。退場処分となる。

ロスタイム

ケガ人の治療などでプレーが止まっている時間。トップレベルの試合ではその時間は表示している時計も止めており、前後半40分が表示された後、プレーが途切れたところで終了となる。

ロック(LO)

フォワード第2列のポジションでセカンドローとも言われる。背番号「4」は左ロック、「5」が右ロック。

わ行

ワールドラグビー

1886年に創設された、世界のラグビーの統括団体。ワールドカップなどの国際大会を開催したり、世界ランキングを算出したり、ルールの変更などを決める。7人制ラグビーがオリンピック競技になり、ラグビーの人気、人口が増加したことにより、よりラグビーを活気のあるものにしていくという狙いから2014年より「IRB」( International Rugby Board/国際ラグビー評議会)から「ワールドラグビー」へと名称変更した。本部はアイルランドのダブリン、加盟国は100を超える。

ワラビーズ

ラグビーのオーストラリア代表の愛称。1991年と1995年の2度ワールドカップで優勝経験のある強豪。ワラビーズという愛称は1908年の英国と北米遠征時につけられた。ちょうどニュージーランド代表にオールブラックスという愛称がついた時期で、英国メディアは最初「ラビッツ」と呼ぼうとしたが、オーストラリア側がこれを了承せず、オーストラリア固有の動物「ワラビー」(小型のカンガルー)にちなんだ。1980年代まではこの愛称は海外遠征時のみ使われていたが、次第にトレードマークになっていった。ちなみに「カンガルーズ」は13人制ラグビーの愛称だったので使えなかった。

ONE TEAM(ワンチーム)

2019年ワールドカップでラグビー日本代表が掲げたスローガン。日本代表は史上初めてベスト8に進出し、この言葉はその年の新語流行語大賞にも輝いた。

ワンフォーオールオールフォーワン

「1人はみんなのために、みんなは1人のために」という意味。もともとはアレクサンドル・デュマの「三銃士」(Les Trois Mousquetaires)が発祥。海外のラグビー界では、この言葉はまったく浸透していないが、日本ではラグビー精神を示す言葉としてすっかり定着している。

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