コースの特徴
「エル・プエルトで闘牛を見たことのない者は、闘牛の一日がなんたるかを知らない」と、伝説の闘牛士ホセリート・エル・ガジョが語ったとされるエル・プエルト・サンタ・マリアの闘牛場から、自転車に乗ったマタドールたちが走り出す。モナコの開幕ステージに続く、今大会2度目の個人タイムトライアル。初日は10分強の全力疾走だったが、この日は約35分の孤独なバトル。より忍耐と体力配分が求められる。
TTスペシャリストたちにとっては輝くチャンス。なにしろスタート直後こそいくつかのコーナーが連続するもの、その後は基本的に長い直線と大胆な方向転換の組み合わせ。全方向にまんべんなく進路を取るコースだからこそ、もちろん、向かい風と対峙する時間も必ずやってくる。幸いにも、この季節の地中海岸コスタ・デ・ラ・ルス(光の海岸)は、それほど強風に悩まされることはないはず。
また全体を通して起伏と呼べるほどの勾配はないものの、ラスト7kmは延々と微妙な登り基調。全長32.1kmで獲得標高は217m。ブエルタ閉幕の1週間後に控える世界選手権TTが40km/290mだから、絶好のテストにもなりそうだ。
つまりピュアクライマーにとっては、ある意味では難関山岳以上の難関と言える。これぞ「prueba de la verdad」、いわゆる「真実の試練」。最終山岳2連戦の前夜に、ここまで17日間かけて築き上げられてきた総合のヒエラルキーが、大きくシャッフルしてしまう危険性もはらんでいる。21世紀に入ってからだけでも、ブエルタ最終週の個人TTは、6人の総合リーダーを頂点から引きずり下ろしてきた。
ラスト2kmは椰子の木の立ち並ぶ大通りを駆け抜けて、フラメンコ、アンダルシア馬、そしてシェリー酒で有名なヘレス・デ・ラ・フロンテラの市街地へ。2014年大会では開幕チームタイムトライアルの、1992年大会では初日個人TT+2日チームTTの舞台を務めたことのある、まさにタイムトライアルのために存在してきたような土地が、またしてもコンマ単位の戦いの結末を見届ける。
文:宮本あさか
| 残り距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 第1走者 | 最終走者 | 第1走者 | 最終走者 | ||
| 32.0 km | スタート | 14:06 | 16:55 | 21:06 | 23:55 |
| 0.0 km | フィニッシュ | 14:41 | 17:30 | 21:41 | 00:30 |