コースの特徴
北のアングリルやコバドンガとも比される、南の難峰パンデラ。21世紀ブエルタの激闘の記憶を抱く山が、4年ぶりに、マイヨ・ロホ争いを迎え入れる。
獲得標高4170m。プロトンの行く手に平地はない。オリーブオイルの一大産地ハエンを出た直後から、道は上り基調だ。ただ前半は、すべて無印のアップダウン。決戦前のウォーミングアップに過ぎない。
コースはハエン東側に大きな輪を描き、いったん市内に戻ると、そこからは南を目指す。いよいよ本格的な山上りの始まりだ。
まずは2級山岳プエルト・デ・ロス・ビリャレス(登坂距離10.5km、平均勾配5.4%)。過去パンデラが登場した6回のうち5回は、この山から連続して最終峠を上った。今回はあえて迂回し、さらに2級山岳プエルト・デ・ロクビン(8.8km、5.1%)を越える。
ロクビンは2021年第11ステージでも使用された。下った先のバルデペニャス・デ・ハエンでは激坂フィニッシュが争われ、プリモシュ・ログリッチが勝利を収めた。この「壁」とも称される全長900m、平均9.6%、最大17.9%の上りも、今回のルートに潜んでいるらしい。
もちろんラスボスは、1級シエラ・デ・ラ・パンデラ。内戦時代にはスペイン軍の通信基地が置かれた山頂へ、全長11.9km、平均7.2%の登坂が続く。
いまだ低木が残る前半には、15%ゾーンが待ち構える。むき出しの山肌が目立ち始める後半に入ると、2kmにわたり二桁勾配が続く。最大は17%。
山頂へと近づくにつれ、風景は岩ばかりの無機質な世界に変わる。灼熱の太陽や風雨を遮るものは何もない。ラスト1km前後で再び15%が襲い、尾根伝いにわずかに下った後、改めて上りながらフィニッシュへ。
過去6度の登坂で、その年の総合勝者が山頂を制したことは一度もない。むしろここは、すでに敗戦を悟ったヒルクライマーが雪辱を果たす山。総合優勝をかける者が、苦しみ嘆く地──。
20年前、アレハンドロ・バルベルデはここで完全なる敗北を悟った。前日わずか9秒差で奪われたリーダージャージは、パンデラを覆う冷たい霧の中、二度と手の届かぬものとなった。4年前には、表彰台の望みを失ったリチャル・カラパスが大逃げ勝利。その背後では、レムコ・エヴェネプールが暑さに喘ぎ、主要ライバルから50秒近くを失う。それでも赤いジャージだけは、最後まで守り切った。
文:宮本あさか
| 残り距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 41 km/h | 39 km/h | 37 km/h | 41 km/h | 39 km/h | 37 km/h | ||
| 154.5 km | オフィシャル スタート |
13:33 | 13:33 | 13:33 | 20:33 | 20:33 | 20:33 |
| 61.7 km | 2級山岳 | 15:44 | 15:51 | 15:59 | 22:44 | 22:51 | 22:59 |
| 30.9 km | 中間SP | 16:21 | 16:30 | 16:39 | 23:21 | 23:30 | 23:39 |
| 21.3 km | 2級山岳 | 16:39 | 16:49 | 16:59 | 23:39 | 23:49 | 23:59 |
| 0.0 km | 1級山岳 フィニッシュ |
17:19 | 17:31 | 17:44 | 00:19 | 00:31 | 00:44 |