コースの特徴
ステージ距離は最長。山岳数は最多で、累積獲得標高は最多。マドリード帰還前夜の、奇想天外なコース。グランツールではいまだかつてお目にかかったことがないタイプのステージは、果たしてどんな結果をもたらすのだろう。3週間の終わりに、総合順位が入れ替わってしまう可能性も秘めている。
マンサナレス・エル・レアルとグアダラマという、マドリード北部の小さな2つの都市を結ぶステージ。スタートを走り出すと、すぐさま3級コリャド・デル・ポルタスゴ(登坂距離10.8km、平均勾配3.4%)へと取り掛かり、ほんの22kmほど走った先であっさりフィニッシュ地にたどり着く。
……ただし、お楽しみは、ここから。まるで知恵の輪のようなコースへと、足を踏み入れる。一旦フィニッシュ地を素通りしたプロトンは、南西へと進路を取ると、3級デ・ラ・クルス・ベルデ(7km、5%)を上る。その山頂から、時計回りに、約50kmの周回コースへと突入だ。ここでは3級ラ・エスコンディダ(9km、4.1%)、3級サンタ・マリア・デ・ラ・アラメダ(5km、5.6%)、3級ロブレドンド(5.1km、4.8%)と立て続けにこなす。これを2周回。ちなみにロブレドンドの下りルート上に、デ・ラ・クルス・ベルデの山頂と下りがある。
3周目にも差し掛かるのだが、3連山には向かわない。途中で東側へと逸れると、別の小さな周回を1つ。この輪の終わりに、3級デ・ラ・クルス・ベルデを別方面から攻略する(7.2km、3.9%)。そして今度は北東側へと下り、ようやく本格的にフィニッシュを目指す。ただし食いしん坊の今ステージは、最後にもう1度だけ寄り道するのだ。帰還途中に北西に折れ、3級サン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアル(4.6km、6.6%)を上って下りる。
決して難関山岳は組み込まれていない。登場するのは小さな3級峠だけ。しかし、塵も積もれば、山となる。今大会最長の207.8kmのコースで、10回の上り下りを繰り返すうちに、いつのまにかトータルで標高を4270mも上っている。リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ風と言うべきか。もしくはミニ世界選手権か。今どきのマイヨ・ロホは、クラシック風コースだって得意なはずだ。
文:宮本あさか
距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
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40 km/h | 38 km/h | 36 km/h | 40 km/h | 38 km/h | 36 km/h | ||
0 km地点 | スタート | 12:02 | 12:02 | 12:02 | 19:02 | 19:02 | 19:02 |
12.8 km地点 | 3級山岳 | 12:21 | 12:22 | 12:23 | 19:21 | 19:22 | 19:23 |
43.0 km地点 | 3級山岳 | 13:06 | 13:09 | 13:13 | 20:06 | 20:09 | 20:13 |
70.8 km地点 | 3級山岳 | 13:48 | 13:53 | 14:00 | 20:48 | 20:53 | 21:00 |
87.0 km地点 | 3級山岳 | 14:12 | 14:19 | 14:27 | 21:12 | 21:19 | 21:27 |
94.0 km地点 | 3級山岳 | 14:23 | 14:30 | 14:38 | 21:23 | 21:30 | 21:38 |
124.2 km地点 | 3級山岳 | 15:08 | 15:18 | 15:29 | 22:08 | 22:18 | 22:29 |
140.4 km地点 | 3級山岳 | 15:32 | 15:43 | 15:56 | 22:32 | 22:43 | 22:56 |
147.4 km地点 | 3級山岳 | 15:43 | 15:54 | 16:07 | 22:43 | 22:54 | 23:07 |
181.0 km地点 | 3級山岳 | 16:33 | 16:47 | 17:03 | 23:33 | 23:47 | 00:03 |
192.8 km地点 | 中間SP | 16:51 | 17:06 | 17:23 | 23:51 | 00:06 | 00:23 |
195.6 km地点 | 3級山岳 ボーナスタイム |
16:55 | 17:10 | 17:28 | 23:55 | 00:10 | 00:28 |
207.8 km地点 | フィニッシュ | 17:13 | 17:30 | 17:48 | 00:13 | 00:30 | 00:48 |