コースの特徴
フランスとスペインを股にかけて行われる、ピレネー2連戦の2日目。前日とは異なり、ほぼ無名の、しかし敬意を払うにふさわしい難峠たちが、プロトンの前にそびえ立つ。特にステージ中盤の2つの超級は、とんでもない激坂だ。
ブルゴスBH所属のフランス人、シリル・バルトの生まれ故郷である中世都市ソヴテールを走り出すと、約55kmは平坦な上り基調。逃げの形成にはしばらく時間がかかりそうだ。なによりこれが意味することは、ステージの後半100kmに、2つの超級を含む4つの山岳がぎゅうぎゅうに詰め込まれているということ。つまり100kmで累積獲得標高3700m!
この平地から、突如として超級ウルセールへと上り始める。ツールでは2回しか用いられたことがないマイナーな山ながら(ただ2020年大会で登場したため登坂経験のある選手は多い)、11.1kmの山道は、平均勾配8.8%・最大14%と凄まじくキツイ。直後には20kmの急降下も待っている。
下り終えたら大急ぎで超級プエルト・デ・ラローへ。てっぺんで国境を越えるこの山もまた、2007年を最後にツールでは使用されていない。登坂距離は14.9km、平均勾配は8%。直前のウルセールが麓から山頂まで延々と一定の難勾配が続くのに対して、こちらのラローは、途中に3か所計4kmほど勾配が大きく緩む場所がある。それ以外の場所は9〜11%と恐ろしい数字が並ぶ。しかも中盤には11%ゾーンが3kmにもわたって続くのだ。もしも、ここで、脚が止まってしまったら……大きくタイムを失ってしまうかもしれない。フィニッシュまでは、いまだ50km以上も残っている。
大会の母国スペインに帰り着いた後は、3級ラサを経て、最後の1級プエルト・デ・ベラグアへ。ブエルタ初登場のこの山は、登坂距離9.5km・平均6.3%と、数字的にはそれほど恐ろしくはない。ただ、手強い超級を2つ乗り越えた後に、決してイージーな上りなどありえないのだ。
文:宮本あさか
距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
39 km/h | 37 km/h | 35 km/h | 39 km/h | 37 km/h | 35 km/h | ||
0 km地点 | スタート | 13:17 | 13:17 | 13:17 | 20:17 | 20:17 | 20:17 |
65.2 km地点 | 超級山岳 | 14:57 | 15:02 | 15:08 | 21:57 | 22:02 | 22:08 |
109.0 km地点 | 超級山岳 ボーナスタイム |
16:04 | 16:13 | 16:23 | 23:04 | 23:13 | 23:23 |
123.1 km地点 | 3級山岳 | 16:26 | 16:36 | 16:48 | 23:26 | 23:36 | 23:48 |
130.5 km地点 | 中間SP | 16:37 | 16:48 | 17:00 | 23:37 | 23:48 | 00:00 |
156.2 km地点 | 1級山岳 フィニッシュ |
17:17 | 17:30 | 17:44 | 00:17 | 00:30 | 00:44 |