コースの特徴
いわばブエルタ名物であり、謎掛けのようでもあり。大会開催委員会により「フラットでありながら山頂フィニッシュ」という奇妙な分類がなされたステージ。約4時間もの平坦な時を過ごすからこそきっと、登坂距離わずか6.5kmの勝負地では、凝縮された、熾烈な戦いが繰り広げられるのだ。
3週間の戦いは折り返し地点に差し掛かった。ブエルタ・ア・ブルゴスではおなじみのレルマが、史上初めて、ブエルタ・ア・エスパーニャのプロトンを戦いへと送り出す。スタートからの145kmはほぼ平坦。等級のつく山岳は一切存在せず、ひたすら標高1000m前後の高原地帯を進む。ただ最終登坂突入前までに獲得標高は1500mを超えるから、当然、小さな上り下りはあちこちに点在する。
山入り前の145km地点=残り18.2km地点には、中間スプリントポイントが待っている。前日の個人タイムトライアルの結果次第では、最大6秒のボーナスタイムを狙って、総合エースたちが平地でもがく姿が見られるかもしれない。そもそも最終峠へ向けた熾烈なポジション取り&駆け引きは、とっくに始まっているはずだ。
道の終わりに待ち構えるのは、1級ラグーナ・ネグラ。仄暗い水を湛えた「黒い湖」へと誘う6.5kmの山道は、平均勾配自体は6.8%でしかない。ただ山頂まで1.5kmを切ると、最大勾配14%ゾーンの通過と共に、勾配はぐっと険しくなる。残り1kmで平均9%に至り、ラスト500mは11%を超える!
2020年大会の3日目にブエルタでこの山が初めて使用された際、ひどく目まぐるしい展開の末に、ラスト300mまでは9人が勝負に残っていた。最終的に3人のスプリントをダン・マーティンが制し、背後では、この300mという短距離で12秒失った総合エースさえいた。もちろん山頂には、10秒のボーナスタイムもかけられている。油断大敵だ。
文:宮本あさか
距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
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41 km/h | 39 km/h | 37 km/h | 41 km/h | 39 km/h | 37 km/h | ||
0 km地点 | スタート | 13:19 | 13:19 | 13:19 | 20:19 | 20:19 | 20:19 |
145.0 km地点 | 中間SP ボーナスタイム |
16:51 | 17:02 | 17:14 | 23:51 | 00:02 | 00:14 |
163.2 km地点 | フィニッシュ | 17:17 | 17:30 | 17:43 | 00:17 | 00:30 | 00:43 |