コースの特徴
開幕から1週間。早くも3回目の難関山岳ステージが訪れる。むしろ逃げ屋向きの地形だが、マイヨ・ロホを巡る殴り合いも、最後の激勾配で勃発するはずだ。
舞台はコスタ・ブランカの内陸部。つまりトレーニングキャンプのメッカであり、ほぼすべてのプロ選手が、この一帯を知り尽くしている。中でもスタート地デニアは、「低酸素室」を有するアスリート専用ホテルで有名だ。そのデニアの海辺からスタートすると、序盤20kmだけは平坦な道を走る。その後はひたすらタフなアップダウンの繰り返し。
まずは2級山岳が4連発。一つひとつは決して恐るべき上りではない。しかし酷く曲がりくねった道と、絶え間ない上り下りが、確実に選手たちの脚を削っていく。山岳ポイント収集に励む選手もいるだろう。4つの峠を越えた先には、中間ポイントも待っている。過去2大会は、緑のジャージは順当にスプリンターの手に渡ったが、今大会の「キング・オブ・スプリンター」の称号の行方やいかに。
そして目まぐるしく、爆発的な、ラスト10kmがやってくる。選手たちの目の前には、文字通りの「壁」が立ちはだかる。1級ショレト・デ・カティの山道は3.9kmと短いが、平均勾配はなんと11.4%。途中1kmにわたって15%超の激勾配ゾーンも待ち構え、最大勾配は22%にまで跳ね上がる!
しかし全部で7つある難関山岳ステージの中で、唯一、この日は山頂で終わらないのだ。フィニッシュは山頂から3.3km先。勝ちが欲しいなら、約2kmのダウンヒルと、約1.5kmの平地(微妙に上り基調)を攻略せねばならない。まさに2017年大会で同じ山が使われた際は、得意なはずの激坂で上手く力を温存したジュリアン・アラフィリップが、3人による平地スプリントを制した。また後方では後の総合覇者クリストファー・フルームが、激坂で3度の加速を切り、大多数のライバルから17秒差をもぎ取っている。
文:宮本あさか
距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
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40 km/h | 38 km/h | 36 km/h | 40 km/h | 38 km/h | 36 km/h | ||
0 km地点 | スタート | 13:10 | 13:10 | 13:10 | 20:10 | 20:10 | 20:10 |
28.8 km地点 | 2級山岳 | 13:53 | 13:55 | 13:58 | 20:53 | 20:55 | 20:58 |
49.4 km地点 | 3級山岳 | 14:24 | 14:28 | 14:32 | 21:24 | 21:28 | 21:32 |
81.7 km地点 | 2級山岳 | 15:12 | 15:19 | 15:26 | 22:12 | 22:19 | 22:26 |
110.2 km地点 | 2級山岳 ボーナスタイム |
15:55 | 16:04 | 16:13 | 22:55 | 23:04 | 23:13 |
125.6 km地点 | 中間SP | 16:18 | 16:28 | 16:39 | 23:18 | 23:28 | 23:39 |
161.7 km地点 | 1級山岳 | 17:12 | 17:25 | 17:39 | 00:12 | 00:25 | 00:39 |
165.0 km地点 | フィニッシュ | 17:17 | 17:30 | 17:45 | 00:17 | 00:30 | 00:45 |