コースの特徴
2023年ブエルタは容赦しない。開幕してたったの3日目に、いきなり難関山頂フィニッシュが組み込まれた。しかも、たどり着く先は、ほぼ標高2000m。3週間後の栄光を追い求める者たちは、早くもトップギアに切り替えねばならない。
目指すはピレネー山脈の小国アンドラ。ブエルタはもちろん、ツールでもおなじみの山国へ入るまでは、これといった難所は登場しない。それでもカステルタヤ山塊の麓から走り出すステージ前半は、小さなアップダウンには事欠かないし、カルダネー川のほとりを走る道は、幾多のうねりもはらむ。50kmほど進んだ先で進路を北に取った後も、じわり、じわり、と少しずつ標高を上げていく。
107.1km地点で国境を越えたら、あとはひたすら高山の戦いへとまっしぐら。延々30kmかけて山を上る途中の、標高1000mを超えた先に中間スプリントが待ち受けているのは、まさにブエルタならではと言うべきか。その長い山道の終わりに、1級オルディノ峠(登坂距離8.9km)に差し掛かると、勾配は一時7%台へと跳ね上がる。標高1980mまで上り詰めた果ての、酸素の薄い山頂には、ボーナスタイムもかけられている。
ヘアピンカーブ多発の長い下りを挟み、改めて上りへ。スキーリゾートとして名高い1級アリンサルで、史上初めてブエルタの区間フィニッシュが争われる。全長8.3km・平均勾配7.7%の山道は、登れば登るほど険しさは増していく。中でも山頂まで4kmを切ると、10%前後の難勾配が延々2kmにわたり続く。最大13%ゾーンもあちこちに散らばる。
勝負が決するのは標高1914mの山の上。幾多の尾根を見下ろすように、あたりには雄大な景色が広がり、真の山男がゆうゆうとマイヨ・ロホを身にまとうことだろう。ただし、これは全部で6回登場する難関山頂フィニッシュの、いまだ1つ目に過ぎない。
文:宮本あさか
距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
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41 km/h | 39 km/h | 37 km/h | 41 km/h | 39 km/h | 37 km/h | ||
0 km地点 | スタート | 13:27 | 13:27 | 13:27 | 20:27 | 20:27 | 20:27 |
117.0 km地点 | 中間SP | 16:18 | 16:27 | 16:36 | 23:18 | 23:27 | 23:36 |
137.1 km地点 | 1級山岳 ボーナスタイム |
16:47 | 16:57 | 17:09 | 23:47 | 23:57 | 00:09 |
158.5 km地点 | 1級山岳 フィニッシュ |
17:18 | 17:30 | 17:44 | 00:18 | 00:30 | 00:44 |