コースの特徴
いわばブエルタ名物、チームタイムトライアルで、第78回大会は幕を開ける。スペイン一周の初日にTTTが行われるのは、21世紀に入ってから15回目。トップタイムを叩き出したチームの中で、1番にフィニッシュラインを越えることを許されたエース……もしくはチーム一の功労者が、大会1枚目のマイヨ・ロホを身にまとう。
実に61年ぶりに開幕の地に選ばれたバルセロナに、なんとも贅沢なTTTコースが描かれた。海浜客で賑わうソモロストロビーチから走り出すと、ガウディ初期作品のあるシウタデリャ公園やバルセロナ凱旋門、さらにはモヌメンタル闘牛場跡の脇を通過する。新名物の超高層ビル、トーレ・アグバールを足元から見上げ、永遠のシンボル、サグラダ・ファミリアの真ん前を全力疾走。カサ・ミラとカサ・バトリョ、つまりユネスコ世界遺産に指定されたガウディ2作品は当然見逃せないし、最終盤にはジョアン・ミロ公園の、巨大な彫像ドナ・イ・オセル(女と鳥)も堪能したい。そしてフィニッシュラインが引かれるのは、かつて万博や五輪の会場となったモンジュイックの……魔法の泉の眼の前!
観光地区のどまんなかを駆け抜ける14.8km。ただ高低差はそれほどないものの、90度を超えるコーナーがなんと18回も登場する。もちろんその他コーナーやロータリーも多発するから、選手たちには風景に見とれている余裕など決してない。
全22チームは、4分間隔で、この美しくも難解な市街地コースへと走り出す。チーム8人全員で同時に出走し、チームタイムとして採用されるのは、フィニッシュラインを5番目に通過した選手のタイム(同集団から遅れた選手は、実走タイムが与えられる)。開催委員会の計算によれば、16分程度の全力疾走だ。
文:宮本あさか
距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||
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第1走者 | 最終走者 | 第1走者 | 最終走者 | ||
0 km地点 | スタート | 19:05 | 20:29 | 02:05 | 03:29 |
9.6 km地点 | 中間計測 | 19:15 | 20:39 | 02:15 | 03:39 |
14.8 km地点 | フィニッシュ | 19:21 | 20:45 | 02:21 | 03:45 |