ツール・ド・フランス2020

STAGE 20

第20ステージ

リュール>ラ・プランシュ・デ・ベルフィーユ

36.2Km
9月19日(土)午後7:35 - 深夜2:15
/J SPORTS 4J SPORTSオンデマンド
【現地実況・解説版】ステージ全編 午後7:45 ~ 深夜2:30/ J SPORTSオンデマンド限定
決戦の種目は個人タイムトライアル。
 

コースの特徴

第1ステージ

3週間前にニースから走り出したプロトンは、19日間かけて、3300km以上の野山を駆け巡ってきた。しかしこの36.2kmが、おそらく最も濃密だ。2020年ツールの総合争いの全てが、この短距離走の果てに決まる。

決戦の種目は個人タイムトライアル。ストップウォッチとの戦いがパリ到着前夜に組み込まれたのは、過去10年で6回。そのうち5回、表彰台の顔ぶれ、もしくは順番が入れ替わっている。2011年はマイヨ・ジョーヌ交代劇さえあった。つまりただでさえ極めて重要なステージである上に、なんと今年はプランシュ・デ・ベルフィーユ登坂が待ち受ける。2012年にツール初登場して以来、選手たちを震え上がらせてきた、いわゆる「激坂」だ!

1時間弱の全力疾走は、3つのパートに分けられる。第1部はティボー・ピノが生まれたリュール村から、9km地点でそのピノが現在暮らす(父上が村長を務める)メリゼ村を通過して、14.5kmの第1回計測地点まで。道は比較的真っ直ぐで、起伏もほとんどない。つまりスピードの出るパートだ。

第2部は30.3kmの第2計測地点プランシェ・レ・ミーヌまでの、緩やかな上りと下り。下りはヘアピンカーブが連続し、街中も通過するため、少々テクニカル。

そしてラスト第3部は、ひたすら登坂力を要する。プランシュ・デ・ベルフィーユの全長5.9kmの山道に入る前に、自転車を変える作戦を取る選手も多いだろう。平均勾配は8.5%。登坂口にいきなり13%の急勾配が待ち受け、中盤には9.5%ゾーンが2kmにも渡って続く。なによりフィニッシュ直前は20%!

一瞬でもよろめいたら、運悪くメカトラが発生したら..再出発は困難な急坂だ。だからこそ最終走者=マイヨ・ジョーヌが山頂のラインを越えるその瞬間まで、ジャージの行方は分からない。

文:宮本あさか

【こぼれ話】決戦のタイムトライアル

決戦のタイムトライアル

選手が1人ずつ道に走り出していく。敵はただストップウォッチの数字だけ。

そんな個人タイムトライアル(以下TT)は、2020年ツール・ド・フランスでは、たった1回しか行われない。しかも距離は36.2kmと、過去20年では、1大会あたりのTT総距離としては最も短い。残る20ステージは全て「マスドスタート」。つまり大会出走者全員が一斉にスタートを切り、人間同士のぶつかり合いで勝負を決める方式だ。

21世紀に入ったばかりの頃は、TTはなんと4回も行われていた。ツールにある種の「定形」が存在した時代である。つまり「プロローグ」と呼ばれる短距離個人TTで大会は走り出し、序盤にチームTT、中盤に個人TTが争われる。そして最終盤(たいていは最終日前夜)に、決戦の個人TT。

回数が多いだけではなく、距離もやたらと長かった。あの頃のチームTTで65km以下なんてあり得なかったし、個人TTは平気で50kmを超えていた。2002年大会はトータル176.5kmもTTを走った。一方でこの5年間に3度行われたチームTTの平均距離は30.4kmで、一番長い個人TTが37.5km。かつては、とにかく、タイムトライアルの重要性が極めて高かったのである。

脱TT化は少しずつ進んでいった。2004年からは3回以上タイムトライアルが行われることはなくなったし、2014年大会の「1回」を皮切りに、以降最大でも2回しかお目にかからなくなった。2012年を最後にプロローグは行われていない。

実は脱プロローグ化の原因を作った、1人の選手がいる。それがファビアン・カンチェッラーラだ。個人TTで4度の世界王者に上り詰め、2016年、2度目の五輪金メダルを手土産に現役を去った稀代のTTスペシャリスト。この彼がツール初日のTTを5回もさらい取り、しかもうち4回は約1週間もマイヨ・ジョーヌを着続けてしまったのだから……主催者が困ってしまうのも当然だ!「1週目から活発なレースを」というのが近年の大会モットーなのに、カンチェがあまりに強すぎるゆえに、1週目がいつも同じ展開になってしまうという皮肉。

それでも大会最終盤のサスペンスとして、TTはいまだに存在感を放つ。 1989年最終日のシャンゼリゼで8秒差の逆転……なんていうドラマチックな幕切れも、TTならでは。「5、4、3、2、1……ローラン・フィニョンがツールを落としました!」というTV実況のカウントダウンと共に、フィニッシュエリアで待っていたグレッグ・レモンが目を丸くする映像は、いまだツール史上最高のシーンとして語り継がれている。

文:宮本あさか

Difference in height
高低差図
第20ステージ
Time schedule
タイムスケジュール
距離 ポイント 現地時間 日本時間
第1走者 最終走者 第1走者 最終走者
0km地点 スタート地点 13:00 17:14 20:00 24:12
14.45km地点 中間タイム計測地点 13:19 17:33 20:19 24:33
30.3km地点 中間タイム計測地点 13:40 17:54 20:40 24:54
36.2km地点 1級山岳
ゴール地点
13:55 18:09 20:55 25:09

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