ツール・ド・フランス2020

STAGE 14

第14ステージ

クレルモン・フェラン>リヨン

194Km
9月12日(土)午後8:55 - 深夜2:00
/J SPORTS 4J SPORTSオンデマンド
【現地実況・解説版】ステージ全編 午後7:50 ~ 深夜2:20/ J SPORTSオンデマンド限定
最終10kmに2つの4級峠が連続で襲いかかる
 

コースの特徴

第1ステージ

西へと一直線。中央山塊に2度目の別れを告げ、4つ目の山地、ジュラ山脈へと大急ぎで接近する。そんな移動ステージは、起伏がきついわけでもなく、かといってもゆるいわけでもなく。逃げ向きか否か。果たして勝利の女神は、どんな脚質に微笑むか。

ミシュランタイヤの本拠地、クレルモンフェランから一行は走り出す。ステージ上には5つの山岳。前半には大きな2級べアル峠(登坂距離10.2km、平均勾配5.6%)がそびえ立つ。ただし、その後の長い下りと谷間とを利用すれば、スプリンターだって十分に遅れを取り戻すことができるはずだ。またステージ後半にも20kmほどかけてゆっくり無印ブロス峠へと上るけれど、20kmかけてゆっくり下るうちに、脚は回復しているかもしれない。

むしろ難題はステージの最終10kmに、2つの4級峠が連続で襲いかかること。残り9.5kmで4級デュシェール(1.4km、5.6%)、残り4.5kmで4級クロワ・ルス(1.4km、4.8%)を上って下りる。ちょっとしたクラシック風ルートで……パンチャーたちのアタックが炸裂するはずだ。

1903年第1回ツールの第1ステージのフィニッシュ地リヨンは、2013年第100回記念大会でも、同じ最終2峠を用意している。7年前は、18人の逃げ集団から、デュシェール峠で1選手が飛び出だした。しかし今年と同じく、ローヌ川沿いに引かれた長い長い最終ストレートで、ぎりぎりライバルたちに追いつかれた。最後に笑ったのはトレンティン。つまり「上れる」スプリンターだった。

文:宮本あさか

【こぼれ話】美味しいツール

パスタ

クレルモン・フェランと言えばミシュラン・タイヤ。ミシュランと言えば美食。そして美食と言えばリヨン!

リヨンは3つ星シェフとして有名なポール・ボキューズの町であり、市内外には19の星付きレストランが点在する。ただしお上品なマカロン付きフレンチーーフランス人たちはミシュランの「星=エトワール」を、マカロンと呼ぶのだーーもいいけれど、ツール・ド・フランスで出会うべきは、むしろその土地の人々が愛する地元料理たち。

たとえば2020年大会なら初日にニース風サラダ(にんにく、トマト、ゆで卵、アンチョビもしくはツナ、黒オリーヴ)を、5日目のギャップではトゥルトン(じゃがいものピュレとひき肉を詰めた揚げ餃子)を楽しもう。

直後に通過するアルデッシュでは、断然、栗が食べたい!フランス南西部からピレネーにかけては、やっぱり鴨肉だろうか。マグレ、コンフィ、フォワグラ……。カスレ(白インゲン豆とソーセージや鴨肉の煮込み)は外せないけれど、食べすぎには要注意。だってお腹の中でガスが膨らみすぎて、夜眠れなくなるから。個人的にはジェジエ(鴨の砂肝)が好きだ。

休養日明け第10ステージでは、フレッシュな魚介類が堪能できる。嬉しいことに、フランスで言うところの「Rが付く月(9月〜4月)」、つまり生牡蠣が美味しく食べられるシーズンに突入したばかり!続く中央山塊が広がるオーヴェルニュ地方は、まさにフランスの胃袋。トリプー(子羊の内蔵巾着煮込み)かソーシス・オ・クトー(必要分だけ切って調理する生ソーセージ)に、アリゴ(じゃがいものピュレ+トムフレッシュチーズ)がトリュファード(ピュレ+チーズ+ベーコン)で、がっつり行きたい。

14日目の夜には前菜にリヨン風サラダ(レタス、堅焼きベーコン、クルトン、半熟卵)、メインにはクネル(白身魚のはんぺん風)、デザートにはプラリーヌ(アーモンドをピンクの砂糖でくるんだもの)のタルトをチョイスしたい。ただ街角のパン屋さんで、ショソン・オ・シトロンを買い食いするのもいいなぁ。パイ生地にりんごを包んだ仏国民的菓子パン、ショソン・オ・ポムのレモン版、いわゆる「レモンパイ」はリヨン近郊でしかお目にかかれない。

再び最終盤で突入したアルプスでは、オーソドックスにラクレット(チーズを溶かしてじゃがいもなどにかけて食べる)やクロゼ(そば粉の四角いパスタ)に、サヴォワの白ワインを合わせるのが吉。食後にはジェネピやイゾップといった、ありがたい薬草酒をちびちび。そう、お酒と言えば、フランスはワインだけではないのだ。大西洋岸ステージではおいしいコニャックが手に入るし、最終ステージ前夜のプランシュ・デ・ベルフィーユの付近では、キルシュ(さくらんぼの蒸留酒)を試してみてほしい!

こうしてツール・ド・フランスは、約3500kmかけて、美味しい旅をする。残念ながら、肝心の選手たちが、名物料理を口にする機会はない。彼らがひたすら毎日食べるのは、「パスタ・ビアンカ(ソースのない白いパスタ)」ばかりである。

文:宮本あさか

Difference in height
高低差図
第14ステージ
Time schedule
タイムスケジュール
距離 ポイント 現地時間 日本時間
38KM/H 40KM/H 42KM/H 38KM/H 40KM/H 42KM/H
0km地点 スタート地点 13:20 13:20 13:20 20:20 20:20 20:20
32km地点 4級山岳 14:08 14:06 14:04 21:08 21:06 21:04
38km地点 中間スプリント 14:16 14:14 14:11 21:16 21:14 21:11
68.5km地点 2級山岳 15:02 14:57 14:53 22:02 21:57 21:53
93km地点 3級山岳 15:39 15:33 15:27 22:39 22:33 22:27
184.5km地点 4級山岳 17:56 17:43 17:31 24:56 24:43 24:31
189.5km地点 4級山岳 18:04 17:50 17:38 25:04 24:50 24:38
194km地点 ゴール地点 18:11 17:57 17:45 25:11 24:57 24:45

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