コースの特徴
ピュアクライマーでもタイムトライアリストでもない選手にとっては、今大会でステージ優勝を手にする最後のチャンス。アルプスのど真ん中で戦いは繰り広げられるが、ステージで使用される5つの山岳は、徹底して3級のみだ。
ツール常連ギャップから走り出すと、とにかく小さな起伏には事欠かない。巨大峠に辺りを囲まれた谷間を巡りつつ、ところどころアクセントのように3級山岳を乗り越える。中でも3つ目のマンス峠は、下りの恐ろしさで有名だ。2003年大会、前日まで総合2位につけていたホセバ・ベロキが、下り途中に溶けたアスファルトに車輪を取られ酷い落車の犠牲となった。なにより総合首位アームストロングが間一髪で危機回避した逸話は、いまだに語り継がれている。
マンスの下りが細いヘアピンに苦労させられるのだとしたら、4つ目の3級山岳サン・アポリネールの下りは、勾配自体がずば抜けて厳しい。山頂からの下り序盤2kmにわたって、なんとマイナス10〜11%台が続く!
等級山岳を終えても起伏は続く
5つ目の3級「ヘアセットしたお嬢さんたち」を終えれば、ラスト40kmにもはや等級のつく山岳はない。それでも選手たちは最後の最後まで起伏と取っ組み合わねばならない。49年ぶりにツールの区間を迎え入れる……しかもフィニッシュ開催は初めてというバルスロネットまでは、30km近くもじわじわと上り基調が続くのだ。
Fumyのステージチェック
明らかに逃げ向きのステージです。総合ではすでに大きなタイム差ついてるはずなんで、ここは行かせちゃうんじゃないかな。1つ目の3級山岳は、距離は4kmしかないけど、勾配が6.3%。ここをハイペースで攻め上ることで、実力のある選手たちが逃げていく。そのまま彼らが、ステージ優勝に向けた戦いを繰り広げるだろうと予想してます。
強力なメンバーが逃げに乗るかも
しかも総合トップ10にジャンプアップしたい選手が、積極的に前に行きそうな気がします。総合11位なのか、それとも10位なのかは、チームにとっても選手にとっても大きな違いがありますから。それからクラシックも走れるし、単独でもチャンスをもぎ取れるスプリンターたち、例えばファンデルプールとかピーダスン、マシューズのような選手が逃げに乗るかもしれない。総合で上位につけているクライマーと、上りもこなせるスプリンター。その2つの脚質が一緒に逃げ出せば、かなり強力なメンバーが集まるような気がします。
で、総合勢は、背後でひたすらついていくだけ……っていう形になりそう。実力者たちの逃げに対して、後ろで追走かけても、簡単に追い切れるわけじゃないですから。それに翌日からの2日間、難しい山岳ステージが待ち構えてます。あまりにコントロールに励んで、アシストたちの脚を疲れさせたくはないはず。力の無駄遣いをしないためにも、この日の総合リーダーたちはセーブモードで走る可能性がありますね。
解説:別府史之/文:宮本あさか
残り距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
43 km/h | 41 km/h | 39 km/h | 43 km/h | 41 km/h | 39 km/h | ||
179.5 km | オフィシャル スタート |
13:20 | 13:20 | 13:20 | 20:20 | 20:20 | 20:20 |
147.3 km | 3級山岳 | 14:05 | 14:07 | 14:10 | 21:05 | 21:07 | 21:10 |
122.0 km | 3級山岳 | 14:40 | 14:44 | 14:48 | 21:40 | 21:44 | 21:48 |
95.2 km | 中間SP | 15:18 | 15:23 | 15:30 | 22:18 | 22:23 | 22:30 |
82.2 km | 3級山岳 | 15:36 | 15:42 | 15:50 | 22:36 | 22:42 | 22:50 |
58.5 km | 3級山岳 | 16:09 | 16:17 | 16:26 | 23:09 | 23:17 | 23:26 |
40.4 km | 3級山岳 | 16:34 | 16:43 | 16:54 | 23:34 | 23:43 | 23:54 |
0.0 km | フィニッシュ | 17:30 | 17:43 | 17:56 | 00:30 | 00:43 | 00:56 |