コースの特徴
ツール一行は、2週間ぶりにアルプスに帰り着く。第1週目はたった1日で抜け出したが、今回はたっぷり最終日までアルプスに留まる。この日はデヴォリュイ山塊の、短くも厳しい上りが舞台。ラスト35kmには、3つの連続登坂も待ち受ける。
スタート地はすっかりおなじみ。この12年でツール区間開催5回目というサン=ポール=トロワ=シャトから、東へと進路を取る。遠くにモン・ヴァントゥのありがたい姿が拝めるかもしれない。つまりは風の通り道を意味する。北東からの風ならミストラル。南西からならマラン。道はおおむね平地で直線的はあるけれど、もしも突風が吹きつけたら、決して一筋縄ではいかないはずだ。幸いにもステージ中盤に差し掛かると、風の影響は収まる。その後は無数にうねる道と、緩やかな起伏が、選手たちの脚を試すだろう。
1級ノワイエは、上りも下りもアタック向き
最終盤はひたすらアップダウンの繰り返し。特にラスト11.5km地点にそびえる1級ノワイエ(登坂距離7.5km、平均勾配8.1%)は、上りも下りもアタック向き。つまり上りはヘアピンカーブ満載で、山頂手前2kmだけなら平均勾配は10%にも達する。逆に下りは直線が多く、高速ダウンヒラーには好都合。
フィニッシュ地3級シュペルデヴォリュイはツール初登場。ただクリテリウム・デュ・ドーフィネでは過去2回、ノワイエ+シュペルデヴォリュイのセット登坂が使われた。特に2013年大会はノワイエの山頂手前でS・サンチェスとフルサンが飛び出し、そのままの勢いで短い最終山岳を駆け上がると、2人きりのスプリント勝負を争っている。
Fumyのステージチェック
ここまでまったく成績を残せてないし、この先のステージを考えると手も足も出ない。そんなチームや選手たちがステージを狙ってくるんじゃないかな。ギャンブルじゃないですけど、逃げに乗って、あわよくばステージを取りたい。だって、これくらいだったら、もしかしたら上り切れちゃうかもしれない……って欲が出る地形ですから。逃げ屋と言われる選手たちが、頑張りたいステージになりそうです。間違いなく、激しく長い飛び出し合戦が繰り広げられます。
前は前で後ろは後ろで、それぞれに戦いが繰り広げられる
前半に十分なリードを稼げば、最後まで行ける可能性は高い。おそらく総合もすでにタイム差が開いて、表彰台の顔ぶれも見えてきているでしょうから、無理には逃げを追わないと思うんですよ。とにかく前は前で、後ろは後ろで、それぞれに戦いが繰り広げられそうです。
ただ、もしも総合2位、3位が接戦な場合は、総合チームも黙ってはいないはずです。なんだかんだ2級も1級も勾配がきつい上りなので、たとえばポガチャルがアタックしたら、逃げの残りに追いつくか追いつかないかみたいな状況もありえます。ジロでもキンタナが長時間がんばって、あともう少しで勝てそうだったのに……ってところで、ポガチャルに追い抜かれて負けたシチュエーションがありました。そんな展開に持っていかれちゃうイメージもありますね。
解説:別府史之/文:宮本あさか
残り距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
42 km/h | 40 km/h | 38 km/h | 42 km/h | 40 km/h | 38 km/h | ||
177.8 km | オフィシャル スタート |
12:45 | 12:45 | 12:45 | 19:45 | 19:45 | 19:45 |
63.0 km | 中間SP | 15:18 | 15:25 | 15:33 | 22:18 | 22:25 | 22:33 |
32.1 km | 2級山岳 | 16:06 | 16:16 | 16:27 | 23:06 | 23:16 | 23:27 |
11.5 km | 1級山岳(B) | 16:42 | 16:54 | 17:08 | 23:42 | 23:54 | 00:08 |
0.0 km | 3級山岳 フィニッシュ |
16:58 | 17:11 | 17:26 | 23:58 | 00:11 | 00:26 |