コースの特徴
ラインステージとしては今大会で最も獲得標高が少なく(950m)、山岳ポイントが一切発生しない唯一のラインステージ。地形的にはこれ以上ないほど簡単で、普通に考えればピュアスプリンターの独壇場だ。しかし1回目の休息日を明けたプロトンは、必ずしも今大会で最も簡単な1日を過ごせるわけではない。むしろ強風のせいで、今大会屈指の過酷な1日となるかもしれない。
むき出しの風が選手たちに襲い掛かる
史上初めてパリに立ち寄らないツール一行が、今大会では最もパリに近い地、オルレアンから走り出す。ステージの序盤3分の2ほどは、深い緑と無数の沼地で知られるソローニュの森をほぼひたすら南下するから、静かに、つつがなく、レースは進むのだろう。ところが終盤戦に差し掛かり、残り60km前後で道を東に折れると、突如としてむき出しの風が選手たちに襲い掛かる。楽しくも恐ろしい横風分断区間の始まりだ!
さらにはラスト30km前後から、立て続けに3つの方向転換が待っている。2013年大会、わずか14人しか先頭集団に残れなかった魔の第13ステージで、やはり横風分断が発生したのが、まさしくこの近辺だった。しかも11年前は14人中なんと6人がサクソバンクの選手で、エースのコンタドールは、フィニッシュ地のサン・タモン・モンロンで当然のようにあらゆる総合勢から1分以上ものタイムを稼いでしまった。ニースでのマイヨ・ジョーヌを夢見る総合エースたちは、吹きすさぶ風の中、必死に食らいつかねばならない。
Fumyのステージチェック
まさに風が強い地域。もちろんその日の風向きにもよりますけど、南北に移動するコースだと、たいていは風の影響を受けるんですよね。フィニッシュの隣町を起点に行われていたシャトールー・クラシックでは、風分断のせいで4位と表彰台に乗れなくて、悔しい思いを味わったこともありました。
総合系選手にとってはストレスの多い1日になるはず。サイクリストとしての真価を問われる重要なステージになりそうです。自転車とは、登りだけではないのだ……と。
ただ、総合リーダーが単体で遅れることは、まずありえないんですよ。経験値の高いチームメイトが側についていれば、横風の危険はたいてい切り抜けられる。つまりチームのサポート体制がしっかりしていれば、リーダーは前に残れるんです。……EFとかモビスターとかって、こういう場面でリーダーが下がってしまうイメージがあります。個々は実力者だとしても、総合系チームとしての「まとまり」がいまいち足りないのかもしれません。
最後に向けた微妙な位置に「こぶ」
スプリンターにとって気になるのは、むしろラスト7〜8kmにある「こぶ」ですね。ちょぴっとに見えるけど、40mくらい上昇します。道幅も広いので問題はないとは思いますが、こういうのが一番厄介です。スプリントの場合、ラスト5kmまでに前に上がっていければ、ポジション取りには間に合う。でも、ちょうどその手前の、微妙なところにありますから。スプリンターにとってはできるだけ息を整えておきたいタイミングなのに、前に出るためには息を上げなきゃならなくなる。なんだか鬼門となりそうです。
解説:別府史之/文:宮本あさか
残り距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
47 km/h | 45 km/h | 43 km/h | 47 km/h | 45 km/h | 43 km/h | ||
187.3 km | オフィシャル スタート |
13:25 | 13:25 | 13:25 | 20:25 | 20:25 | 20:25 |
130.2 km | 中間SP | 14:38 | 14:41 | 14:45 | 21:38 | 21:41 | 21:45 |
0.0 km | フィニッシュ | 17:24 | 17:35 | 17:46 | 00:24 | 00:35 | 00:46 |