ツール・ド・フランス2022

     

栗村修の脳内選手プロフィール

昨年実施した「栗村修のビギナーズガイド」改め、新たに5選手を追加してお送りする、題して「栗村修の 脳内選手プロフィール」。J SPORTSサイクルロードレースの解説でおなじみの栗村修さんが、想像力を爆発させて注目選手の魅力を独自解説。妄想アンケートでは、選手のパーソナリティーを分かりやすくイメージしていただくために《完全妄想》で勝手に回答しました。是非、お楽しみください!

\Pick up/

注目選手

2021

2021年の選手は昨年特集した選手です。古い情報が含まれる場合がございますの で予めご了承ください。

2022大会出場予定

2022年大会への出場が予定されている選手です。

マテイ・モホリッチ
絶品アウトインアウトで固定概念を打ち破れ
2022大会出場予定

マテイ・モホリッチMatej MOHORIČ

ポガチャル ポガチャル

ミラノ〜サンレモ優勝後のモホリッチ

ポガチャル ポガチャル

2021年のツール・ド・フランスでステージ勝利を挙げた

ポガチャル ポガチャル

ドロッパーシートポストを使ったモホリッチ

絶品アウトインアウトで
固定概念を打ち破れ

プリモシュ・ログリッチとタデイ・ポガチャルという、スロベニアの2大スターの影で「スロベニア第3の男」と呼ばれているのがモホリッチです。ただし、第3の男と言っても、その経歴は華々しく、今年モニュメントの一つであるミラノ〜サンレモを制し、また、ジュニアとアンダー23の世界選手権でチャンピオンに輝いています。つまり、エリートの世界選手権で優勝すれば、3階級制覇の偉業達成です。今年オーストラリアで行われる世界選手権は、モホリッチにとって相性の良いコースであるため、前人未到の大記録達成が見られるかもしれません。3階級制覇のあかつきに、もはや「スロベニア第3の男」だなんて言われなくなることでしょう。

そんな彼の最大の武器といえば超高速ダウンヒルです。トップチューブの上にしゃがむようにして空気抵抗を減らす「スーパータック」は別名「モホリッチ乗り」と呼ばれており、彼が初めてそれを披露したときには話題になりました。この走法は高速ダウンヒルを実現でき、その後ほぼ全てのプロ選手が取り入れる様になったものの、一般のサイクリストがマネをすると危険ということもあって、昨年UCIによって禁止されてしまいました。

モホリッチ乗りを封じられた彼は今年のミラノ〜サンレモで、UCI規則には抵触しない新たな大技を繰り出します。その秘密兵器は「ドロッパーシートポスト」。オフロード系のバイクで使われる、サドルがついている棒の部分が上下に可変し、下り区間でバイクを低重心化させるシステムを導入したのです。結果は見事下りでライバルを突き放して優勝。ロードレースでこれを使うという発想もまた、固定概念を打ち破るものでした。

サイクルロードレースの長い歴史の中で、誰もやらなかった走法を編み出し、常識を捨てて新たな機材を導入する・・・その発想力にはただただ驚かされます。勝利への貪欲さとベンチャー魂を感じますね。きっとお酒に酔ったときには「俺は固定概念が大嫌いなんだ!やってみて規制されたらやめたらいいじゃん!」とチャーミングな八重歯をのぞかせながらモホリッチ節を炸裂させているに違いありません。

新たなアイデアを閃いては即実行する彼ですから、もし会社員だったら「新規事業部」への配属がオススメです。きっと新たな売上に貢献してくれるはずです。また、ダウンヒルを得意としている彼は加減速の少ないスムースなアウントインアウト走法が信条。街中で「必要以上にブレーキを踏む車」を見かけたら、きっと八重歯で噛みつきたくなるほどイラッとするでしょう。

栗村修の妄想アンケート

レースでの振る舞いやインタビュー映像から、栗村さんが選手のイメージをアンケート形式で勝手に回答!(*あくまでも栗村さんの妄想です。)

  • 日本の好きなことわざ
    好きこそ物の上手なれ
  • 向いてそうな仕事
    メッセンジャー
  • 好きそうな動物
    インパラ
  • 休みの日にしそうなこと
    マリオカート
  • 朝起きて一番最初にしていそうなこと
    日によって違う
  • 好きなものは...
    絶妙のタイミングを見計らって食べる
  • 会社で最も力を発揮しそうなポジションは
    新規事業部のエース
  • 他人から言われて嬉しそうな言葉
    いつも固定概念を打ち破るよね
  • 子供の頃に先生から褒められたこと
    キミは自分の強みがわかっているな
  • 街中で見るとイラッとする他人の行動
    必要以上にブレーキを踏むクルマ
  • 酔うとついつい言ってしまう口癖
    規制(UCI規則)はキライなんだよ
  • 自転車のココに拘っていそう
    シートポスト
  • 得意そうな教科
    実は理系
  • 羨ましポイント
    仕事を楽しむ力
  • お風呂で最初に洗う場所
    歯磨き(八重歯)
  • 乗ってそうな車
    86
ファビオ・ヤコブセン
瀕死の重傷から蘇ったプロフェッショナルスプリンター
2022大会出場予定

ファビオ・ヤコブセンFabio JAKOBSEN

ポガチャル ポガチャル

レース後に笑顔をのぞかせるヤコブセン

ポガチャル ポガチャル

2021年ブエルタ・ア・エスパーニャのステージ勝利で完全復活

ポガチャル ポガチャル

勝利後に淡々と喜ぶヤコブセン

瀕死の重傷から蘇った
プロフェッショナルスプリンター

2020年のツール・ド・ポローニュでその大事故は起きました。最後のスプリント勝負に挑んだヤコブセンは、同国のオランダ人スプリンター、ディラン・フルーネウェーヘンの斜行により進路を妨げられ、およそ時速80km/hで大クラッシュ…。顔の骨もぐちゃぐちゃになる、命を落としてもおかしくない大事故でした。一命をとりとめた彼は、その後の懸命なリハビリや整形手術を経て、2022年に奇跡の復活を果たします。まさに瀕死の重傷から蘇った不屈の男です。生死を彷徨った人間は生きるという価値観のところで大きく物事を見る目が変わると聞きますが、復帰後の彼の言葉には、走る喜びやプロ選手でいられることの喜びが滲み出ています。スプリンターの選手はある意味で肉食動物のように命を顧みない攻撃的な人間性を備えていたりするものですが、彼はその攻撃性の中に達観した精神性を備えているように思います。まるで引退間際の選手のように、1レース1レースを大事に愛でながら走っているように僕には見えます。

復帰後初のグランツール(ブエルタ・ア・エスパーニャ2021)でステージ優勝したときも、しっとりと喜んでいた様子が印象的でした。周囲の人たちが祝福に来てくれる一方で、泣くこともなく、感情を爆発させることもなく、淡々とチームメイトと握手をしていて喜びを分かち合っていた姿はプロフェッショナルな美しさを感じました。

そんな彼ですが、大事故の原因を作ったフルーネウェーヘンへの恨みは深いようで、らしからぬ攻撃的なコメントを発言することもあるようです。きっと彼にとって「斜め」であることは最大の敵であり、街中で「斜めに歩いている人」をみたらイラっとするに違いありません。

同チームの生ける伝説スプリンター、マーク・カヴェンディッシュと比較されがちな彼ですが、本人はいたって冷静で「カヴェンディッシュとはうまくやっているし、あまり煽らないでくれ。僕は僕のやるべきことを粛々とやっていく」とメディアの過剰な煽りもなんのその。チーム側も今年のツール・ド・フランスはヤコブセンが軸になることを発表しています。カヴェンディッシュはおそらく来年に移籍すると思いますが、瀕死の重症から蘇ったヤコブセンの前に、一度は引退しかけたカヴェンディッシュが同チームのライバルとして存在したことは、ヤコブセンを大きく成長させる試練になったと思います。

「みんな生きていることにもっと感謝すべきだよ」。ほろ酔い気味のヤコブセンはきっとそう呟いていることでしょう。

栗村修の妄想アンケート

レースでの振る舞いやインタビュー映像から、栗村さんが選手のイメージをアンケート形式で勝手に回答!(*あくまでも栗村さんの妄想です。)

  • 日本の好きなことわざ
    命あっての物種
  • 向いてそうな仕事
    職人
  • 好きそうな動物
    オオカミ
  • 休みの日にしそうなこと
    家族サービス
  • 朝起きて一番最初にしていそうなこと
    鏡をみて朝がやってきたことに感謝
  • 好きなものは...
    最後に食べる
  • 会社で最も力を発揮しそうなポジションは
    製造部
  • 他人から言われて嬉しそうな言葉
    戻ってきてくれてありがとう
  • 子供の頃に先生から褒められたこと
    物静かだけど芯がある子だね
  • 街中で見るとイラッとする他人の行動
    斜めに歩いているひと
  • 酔うとついつい言ってしまう口癖
    みんな生きていることにもっと感謝すべきだよ
  • 自転車のココに拘っていそう
    ブレーキ
  • 得意そうな教科
    理系
  • 羨ましポイント
    特別な才能を持って生まれながらも今この瞬間に感謝できる器を持つ
  • お風呂で最初に洗う場所
  • 乗ってそうな車
    X6
ワウト・ファンアールト
自転車の聖地が生んだ万能型マシーン“WVA”
2022大会出場予定

ワウト・ファンアールトVAN AERT Wout

ポガチャル ポガチャル

両手を広げてステージ勝利を勝ち誇るファンアールト

ポガチャル ポガチャル

2021年ツール・ド・フランス ステージ勝利後の表彰式

ポガチャル ポガチャル

2021年ツールの第21ステージで勝利し今大会3勝を飾った

自転車の聖地が生んだ
万能型マシーン“WVA”

昨年取り上げたマチュー・ファンデルプールの永遠のライバルとして知られる男、それがワウト・ファンアールトです。めちゃくちゃ強くてとにかくなんでもかんでも勝ちまくっている選手です。とにかく攻撃的な走りが信条で、その走り方が災いして、力尽きて勝ちを落とすこともあります。「セコイ勝ち方はしたくない」といった彼なりの美学があるので、それを貫いて負けても悔しくないのかもしれません。一方で、彼が本当に勝ちたいロンド・ファン・フラーンデレンやパリ〜ルーベといったクラシックレースでは勝てていないのと、意外と2位が多いのも事実。一見キャラクターも濃いように思いますが、こうして話していくと癖が無い(全部に秀でていてエッジが立っていない)からキャラが薄いと感じてしまうような一面も。彼がロードレースに本格的に転向してからは、クラシックレースを戦えて、スプリントが強く、タイムトライアルも速くて、更に上りもこなしてしまう「なんだこの選手は!」って感じでしたが、全部に強いけど本当の意味で突き抜けられない可能性もある点で、瀬戸際に立っているのかもしれません。そんな彼ですから、酒に酔って弱さを見せれば「オレはどうせ本命を落とせない男なんだよ」と愚痴をこぼしているかもしれません。

ライバルであり、常々比較されがちなマチューとワウトですが、よく見てみると2人の性質の違いに気づきます。マチューはスター性抜群で、トリオのグループだったら間違いなくセンターポジションで決まり。一方で、ワウトにセンターは似合わない・・・どちらかと言うと、華やかさよりも職人気質な魅力を感じさせます。世界で最も自転車が盛んな地域、ベルギーのフランドル地方で生まれ育ち、DNAレベルで自転車と生きる職人ライダーという感じです。マチューがアイドルなら、ワウトは日本海が似合う大物演歌歌手ですね。スター性の塊であるマチューが華やかで女性的な歓声をあびる一方、ワウトには男性からも好かれる強靭なアスリート性を感じます。僕はマチューには惚れますが、完璧なパッケージを誇るワウトには尊敬を抱くのです。ちなみに彼には、映画トランスフォーマーにでてくる変身するクルマのような「マシーン感」を感じています。

栗村修の妄想アンケート

レースでの振る舞いやインタビュー映像から、栗村さんが選手のイメージをアンケート形式で勝手に回答!(*あくまでも栗村さんの妄想です。)

  • 日本の好きなことわざ
    能ある鷹は爪を隠さず
  • 向いてそうな仕事
    トランスフォーマー
  • 好きそうな動物
    ドーベルマン
  • 休みの日にしそうなこと
    休まない
  • 朝起きて一番最初にしていそうなこと
    冷水シャワー
  • 好きなものは...
    すぐに食べる
  • 会社で最も力を発揮しそうなポジションは
    営業部長・開発部長・事業部長・製造部長 兼務
  • 他人から言われて嬉しそうな言葉
    あなたの走りはもはや勝敗を超えている
  • 子供の頃に先生から褒められたこと
    キミは勝ち方にこだわるんだな
  • 街中で見るとイラッとする他人の行動
    行列を見るとすぐに後ろに並ぼうとするひと
  • 酔うとついつい言ってしまう口癖
    オレはどうせ本命を落とせない男なんだよ
  • 自転車のココに拘っていそう
    空気圧
  • 得意そうな教科
    理系
  • 羨ましポイント
    羨ましさしかない
  • お風呂で最初に洗う場所
    大腿四頭筋
  • 乗ってそうな車
    バンブルビー
ロマン・バルデ
フランスの期待を一身に背負ったインテリライダー
2022大会出場予定

ロマン・バルデRomain BARDET

ポガチャル ポガチャル

笑顔でフィニッシュするバルデ

ポガチャル ポガチャル

2021年ツール・ド・フランスでは山岳賞を獲得

ポガチャル ポガチャル

フランスの期待を
一身に背負ったインテリライダー

ツール・ド・フランスの国に生まれてしまった選手の宿命――。ツール総合優勝というとてつもない期待を背負い、その呪縛に苦しむ選手の一人、それがロマン・バルデという男です。インテリ系の文武両道ライダーで、はじめて出たツールで総合15位に入るなど、若くしてフランス期待の星でした。ベルナール・イノーの優勝(1985年)以降、フランス人によるツール制覇は成し遂げられていませんが、そこに突如として現れた貴公子バルデ。端正なルックスで、勉強もできて、自転車も強くて高身長…僕と比べたら正反対の存在です。下手に出る必要がない完璧なパッケージです。この選手はどこまで綺麗にキャリアを進めていくのだろうと思わされた選手です。

2016年のツール・ド・フランスで総合2位に入り、総合優勝まであと1つというところでしたが、バルデは2020年にプツンと張り詰めた糸が切れてしまいます。それまで一筋を貫いてきたAG2Rからの移籍です。俗に言う高学歴の人が、親や先生など周囲が期待する型に嵌ってしまうように、フランス自転車界のエリートであるバルデもその呪縛から逃れようと必死だったのかもしれません。この移籍は「初めての反抗期」だったのだろうと僕は推察します。2021年はフランスのレースを1回も走らなかったところを見ると、かなり強めの反抗期ですよね。8年間出場し続けたツールにも昨年は出場していません。

そもそも、タイムトライアルが強くないと総合優勝できない昨今の流れを鑑みると、彼がフランス以外の選手であれば、ツール・ド・フランスの総合優勝候補には挙がらないのかもしれません。実力はありますが、ツール総合優勝という大ミッションを背負わされていることで、実力が低く見られてしまう残念な一面もあるように感じます。

それでも、今年はツール・ド・フランスにも出場しますし、5月のジロ・デ・イタリアもリタイアするまでは調子が良さそうでした。フランスの期待を完全に裏切ったわけではなく、一旦外の景色を眺め、再び自分の意思で戻ってきました。反抗期を経て、再びツールを走るフランスの貴公子に期待しましょう。ちなみに僕は、どんなに立派な人間も、どこかでバランスを取る必要があると考えています。完璧なパッケージを誇る貴公子バルデにだって、きっと人には言えない癖の一つや二つあることでしょう。悪い酔いしたときにはダークサイドのバルデが出現し「オレはなぁぁぁ#&%!@?&%」とくだを巻いているに違いありません。それくらい、バルデの背負う期待は重いはずです。

栗村修の妄想アンケート

レースでの振る舞いやインタビュー映像から、栗村さんが選手のイメージをアンケート形式で勝手に回答!(*あくまでも栗村さんの妄想です。)

  • 日本の好きなことわざ
    急がば回れ
  • 向いてそうな仕事
    コンサル
  • 好きそうな動物
    ブリティッシュショートヘア
  • 休みの日にしそうなこと
    経営学の勉強
  • 朝起きて一番最初にしていそうなこと
    ビジネスチャットの確認
  • 好きなものは...
    バランスよく食べる
  • 会社で最も力を発揮しそうなポジションは
    経営企画
  • 他人から言われて嬉しそうな言葉
    フランス人選手ってプレッシャーが大きくて大変ですよね
  • 子供の頃に先生から褒められたこと
    キミはなんでもそつなくこなす優秀な子だな
  • 街中で見るとイラッとする他人の行動
    エリートを見ると妬んで悪口を言うひと
  • 酔うとついつい言ってしまう口癖
    オレはなぁぁぁ#&%!@?&%(酔うと裏バルデが出現する)
  • 自転車のココに拘っていそう
    フレームディメンション
  • 得意そうな教科
    理系
  • 羨ましポイント
    エリートな人生に憧れる(自分が雑草系なので)
  • お風呂で最初に洗う場所
    髪の毛
  • 乗ってそうな車
    DS9
ティボー・ピノ
父マディオの愛を一心に受けて育ったフランスの癒し
2022大会出場予定

ティボー・ピノThibaut PINOT

ポガチャル ポガチャル

渾身のガッツポーズで勝利を喜ぶピノ

ポガチャル ポガチャル
ポガチャル ポガチャル

2014年のツールでヤングライダー賞を獲得

父マディオの愛を一心に
受けて育ったフランスの癒し

ロマン・バルデと同じく、フランス国民の期待を背負った男、それがティボー・ピノという男の横顔です。フランスのチームを自ら飛び出す反抗期を迎えたバルデに対し、ピノは過保護なマディオの元を離れられずに今日まで過ごしてきました。マディオとはグルパマ・エフデジのトップで熱血漢な名物監督です。喜怒哀楽がめちゃめちゃすごい方で、フランスのドキュメンタリー番組では、レースに敗れたピノに群がるメディアに対し「ピノを責めるな!これは怪我のせいだから仕方ないんだ!お前たちが期待するからダメなんだ!」と怒鳴る姿も映っていました。そんなマディオさんの秘蔵っ子としてフランスのチームで2010年からひたすら走り続けているのがピノという男。僕は以前「ピノは一度移籍した方が良い」と言っていました。それは、バルデがそうであったように、ピノも“期待の呪縛”に囚われると思ったからです。ただ、それも既に機を逸したという感じで、マディオとの関係性は解消できないものなのだろうと思います。

ピノは動物が大好きで、レース会場に大きな犬がいれば一緒に写真を撮ったりする心優しい選手です。一方で、大事なところで怪我や病気をしてしまう弱さや運の悪さに苦しめられた選手です。ピノ本人も「なんでいつも俺はこうなんだ...」と塞ぎ込んでしまうほどです。

そんな彼も今年で32歳を迎えます。若手の突き上げもあり、ポガチャルのような選手もいるなかで、現実的に考えればツール・ド・フランス総合優勝は難しい位置にいるでしょう。本人もツールの総合優勝は狙わないと発言しています。ただし、ツール総合優勝を達成できなくなったフランス人総合系選手において、引退はしていないけど次のキャリアをどうすべきかといった問題は、本人にとっても周囲にとってもモチベーションの保ち方が難しい。周囲がどこかのタイミングで過大な期待の呪縛から解放してあげて、普通のプロ選手として見てあげるようにしないと、フランスの総合系の選手はずっとこのサイクルの中で苦しまなければいけないのだろうと思います。

マディオ監督が「お前は世界に50人しかいない才能を持っているんだ!」とピノを励ます一幕が以前ありました。僕は「50人もいたら世界で勝てなくね?」と思わず突っ込んでしまいましたが、ピノ自身の実力に疑いの余地はありません。怪我からの復活を期して挑むツール・ド・フランスでどんな走りを披露してくれるのか期待しましょう。そして、秘蔵っ子の勝利にご満悦なマディオの誇らしげな笑顔もみてみたいものです。

栗村修の妄想アンケート

レースでの振る舞いやインタビュー映像から、栗村さんが選手のイメージをアンケート形式で勝手に回答!(*あくまでも栗村さんの妄想です。)

  • 日本の好きなことわざ
    可愛い子には旅をさせよ
  • 向いてそうな仕事
    酪農家
  • 好きそうな動物
    ヤギ(好きそうではなくて本当に好き)
  • 休みの日にしそうなこと
    ヤギと牛の世話
  • 朝起きて一番最初にしていそうなこと
    乳搾り
  • 好きなものは...
    持って帰る
  • 会社で最も力を発揮しそうなポジションは
    庶務(世話好き)
  • 他人から言われて嬉しそうな言葉
    マイペースにやればいいんだよ
  • 子供の頃に先生から褒められたこと
    キミは才能があるタイプなのに優しい子だな
  • 街中で見るとイラッとする他人の行動
    動物に優しくないひと
  • 酔うとついつい言ってしまう口癖
    オレだって自分の意見くらい言えるんだよ(記者会見でマディオ監督が殆ど喋ったあと)
  • 自転車のココに拘っていそう
    ハンドルまわり(ダンシングが武器なので)
  • 得意そうな教科
    文系
  • 羨ましポイント
    見捨てずにサポートし続けてくれるチームと監督がいる(しかし時に親離れも必要)
  • お風呂で最初に洗う場所
    足首からふくらはぎ(かなり細い)
  • 乗ってそうな車
    カングー
タデイ・ポガチャル
天才なのにアホ毛がトレードマーク
2021
2022大会出場予定

タデイ・ポガチャルTadej POGACAR

ポガチャル ポガチャル

トレードマークの《アホ毛》がヘルメットから飛び出している。

ポガチャル ポガチャル

2020年大会総合優勝

ポガチャル ポガチャル

天才なのにアホ毛が
トレードマーク

初出場した2020年のツール・ド・フランスを21歳という年齢で制した若き天才。とにかく才能の塊みたいな選手で、どこまで伸びていくのか分かりません。ペダル一踏み一踏み強くなっているような選手です。2017年にスロベニアのコンチネンタルチームでUCIチーム入りを果たしますが、その当時はお給料なんて殆どもらっていなかったと想像します。それが、今では推定年俸6億4000万円!(フランスレキップ紙)個人収入など含めれば実質年収10億円に迫るのではないでしょうか。

一気にセレブリティーの仲間入りを果たした彼ですが、インタビューの中で、それ以前の生活と変わらずに彼女と質素な生活を続けていると話しています。ツール優勝後に地元スロベニアからモンテカルロにお引越しされたとのことですが、それも税金対策なのでしょう(モンテカルロで質素な生活ってどんな生活...?)。でも、実際に彼の振る舞いや言動からは質素さが伝わってきます。彼のトレードマークであるヘルメットから飛び出る《アホ毛》もそれを象徴しています。あの毛の出方は、真似しようと思っても真似できるものではありません。もはや計算して(素朴さの演出!?)出していることすら想像してしまいます。計算じゃなければ偶然の産物だし、僕が選手だったら憧れる代物です。ちょうどサッカー選手がソックスをずらして履くみたいな、ある種の厨二病的カッコ良さを感じます(僕も学生時代は学ランの丈短くして着ていました?)。

自転車界の年齢的なピークは30歳前後と言われています。5勝クラブの選手たちも、最初のツール制覇は23歳を過ぎてからです。それを考えると、ポガチャルは5勝クラブなんて余裕で到達する気がしてきますが、こうして僕らが話していることが、彼へのプレッシャーに変わってしまわないか心配します。フィジカル面は最強ですが、実態は22歳の若者です(※2021年時点)。若くして栄光を掴んだ選手が潰れていく実例はスポーツ界に多く存在しますが、彼もまたそのリスクに晒されています。ツールのチャンピオンは自転車界の象徴です。ランス・アームストロング時代の問題の全てが清算されたわけではなく、様々な噂や疑惑が浮上しては消えていく中で、強すぎるがゆえに、彼にも疑念の目が向けられても不思議ではありません。彼の天然素材的なパーソナリティーが、さまざまリスクを中和させられるのか。「僕は天然素材だから大丈夫」。きっと彼ならそう言ってくれるはずです。

解説

5勝クラブ・・・過去にツール・ド・フランスで5度の総合優勝を果たした4人の偉大な選手たちを総称して「5勝クラブ」と呼ぶ。ジャック・アンクティル(フランス)、エディ・メルクス(ベルギー)、ベルナール・イノー(フランス)、ミゲル・インデュライン(スペイン)がその人で、現役最多優勝を誇るクリス・フルーム(4勝)も、この5勝クラブ入りを目指している。

アームストロング・・・自転車界で一時代を築き、ツール・ド・フランス総合優勝7連覇を記録するも、後にドーピングが発覚し、タイトルを剥奪された。

栗村修の妄想アンケート

レースでの振る舞いやインタビュー映像から、栗村さんが選手のイメージをアンケート形式で勝手に回答!(*あくまでも栗村さんの妄想です。)

  • 日本の好きなことわざ
    可愛い子には旅をさせよ
  • 向いてそうな仕事
    大学生
  • 好きそうな動物
    小動物
  • 休みの日にしそうなこと
    森の中で彼女とバーベキュー
  • 朝起きて一番最初にしていそうなこと
    寝グセなおし
  • 好きなものは...
    最初に食べそう
  • 会社で最も力を発揮しそうなポジションは
    若手営業エース
  • 他人から言われて嬉しそうな言葉
    若いのにしっかりしてるね
  • 子供の頃に先生から褒められたこと
    キミは人の話を聞いていない様で全部聞いているんだな
  • 街中で見るとイラッとする他人の行動
    最初からできないと諦めてるやつ
  • 酔うとついつい言ってしまう口癖
    ぼくは天然素材だから大丈夫?
  • 自転車のココに拘っていそう
    こだわりなさそう
  • 得意そうな教科
    文系
  • 羨ましポイント
    持って生まれた才能
  • お風呂で最初に洗う場所
    髪の毛(クセ毛)
  • 乗ってそうな車
    ポルシェ
プリモシュ・ログリッチ
持ち前のジャンプ力で逆境を跳ね返せ
2021
2022大会出場予定

プリモシュ・ログリッチPrimoz ROGLIC

ログリッチ ログリッチ

衝撃的な敗戦を喫した後、ポガチャルを笑顔で祝福するログリッチ(左)

ログリッチ ログリッチ

まさかの逆転負けを喫した2020年大会の第20ステージ

ログリッチ ログリッチ

持ち前のジャンプ力で逆境を跳ね返せ

元々スキージャンプの選手でしたが、怪我で引退した後、ロードレースに転向した特異な経歴を持つ選手です。ユンボ・ヴィスマという強豪チームでエースを務めるその実力は誰もが認めるところですが、こちらを驚かせる逆転負けや落車による敗戦など、不運なイメージがある選手でもあります。2020年のツールでも最後の最後でポガチャルに逆転負けを喫しました。

ただ、彼の素晴らしいところは、切り替えの早さが半端じゃない。目も当てられないような敗戦を喫しても勝者を讃える姿や、真摯にインタビューに答える姿は、もはや仏の境地です。人生とは苦難がベースにあり、欲に溺れずに現実を受け入れる姿は、どこか私たち日本人に訴えるものがあります。

とてもシャイで、派手なことを好まない性格。メディア嫌いな印象を相手に与えることもありますし、日本人的な感覚では気が利かないと映ってしまうこともあるようですが、彼は純粋に勝利だけを追い求めているのだと感じます。赤い炎ではなく、青い炎をメラメラと燃やしている印象です。カリスマ性のあるリーダーという感じはしませんが、チームメイトが彼を懸命にサポートしている姿を見ると、知れば知るほど好きになってしまう魅力を持つ人間なのかもしれません。みなさんの学校や職場にもいると思いますが、空気を読まない言動で最初ちょっと遠ざけられるけど、その後に力を発揮して一気に注目の的になるタイプだと想像します。

自分の仕事に忠実であるからこそ、集中しているときにズケズケと他人に入って来られるとあからさまに嫌な顔をしそうな印象があります。ラーメン屋で隣のおじさんに話しかけられて舌打ちしちゃうようなタイプです。「めっちゃ集中して食いたいのに、お前話しかけてくんなよ」みたいな。僕だったらイラっとしてもその人と話しちゃうと思うんですけど、ログリッチはたぶんガン無視で食べ続けると思います。でも根はすごく優しい職人タイプですね。

栗村修の妄想アンケート

レースでの振る舞いやインタビュー映像から、栗村さんが選手のイメージをアンケート形式で勝手に回答!(*あくまでも栗村さんの妄想です。)

  • 日本の好きなことわざ
    雨降って地固まる
  • 向いてそうな仕事
    庭師
  • 好きそうな動物
  • 休みの日にしそうなこと
    昼寝
  • 朝起きて一番最初にしていそうなこと
    散歩
  • 好きなものは...
    最後に食べる
  • 会社で最も力を発揮しそうなポジションは
    制作部
  • 他人から言われて嬉しそうな言葉
    いつか報われるさ
  • 子供の頃に先生から褒められたこと
    我慢強い子だね
  • 街中で見るとイラッとする他人の行動
    好きなラーメンを食べている最中に話しかけるやつ
  • 酔うとついつい言ってしまう口癖
    夜明け前がもっとも暗いんだ
  • 自転車のココに拘っていそう
    ポジションをミリ単位で調整してそう
  • 得意そうな教科
    文系
  • 羨ましポイント
    引き摺らないメンタル
  • お風呂で最初に洗う場所
    足の指先
  • 乗ってそうな車
    Eクラスステーションワゴン
ゲラント・トーマス
シュールなギャグがお好きな機関車トーマス
2021
2022大会出場予定

ゲラント・トーマスGeraint THOMAS

ゲラント・トーマストーマス ゲラント・トーマストーマス
ゲラント・トーマストーマス ゲラント・トーマストーマス

2019年はエガン・ベルナルのアシスト役として勝利に大きく貢献

ゲラント・トーマストーマス ゲラント・トーマストーマス

2018年はフルームの代わりに総合優勝に輝いた

シュールなギャグがお好きな機関車トーマス

鉄の意志を持った努力家である彼は、多くの人の証言として、どんな環境や苦しい練習でも淡々とこなす精神力を持っています。2018年のツール・ド・フランスでは、総合エースだったチームメイトのクリス・フルームのアシストとして出場するも、チーム戦略により総合優勝を果たします。それでも彼は最後まで「エースはフルームだ」と言い続けるほど、どこまでもアシスト気質な男です。

例えば、すごい食べたいラーメンがあって、徹夜して並んでいたとします。いよいよ食べられるぞってときに店主から「残り1杯です」と言われたらみなさんはどうしますか?きっと彼ならシュールなギャグを言いながら「どうぞ!どうぞ!」と後ろの人に譲ってあげるに違いありません。でもね、内心ではやっぱり食べたいんですよ。人間だもの。だから、酔ったときにはついつい「全部食いたいよ!(勝ちたいよ!)」と本音をポロリとこぼしてしまうタイプでしょう。

2020年のツールではメンバーから外される屈辱も味わいました。しかも、代わりに出場した2020年のジロでは落車骨折リタイアという悲運に見舞われます。エースを任されるといまいち嵌らない彼ですが、年齢的には今年35歳(※2021年時点)、残されたチャンスは決して多くありません。それでも、インタビューから漏れ聞こえてくるのは、彼の女房役としての性。ニヒルでシュールなコメントの裏には、他人が嫌な思いをするなら俺が我慢すればいい的な、信念を感じます。厳しいトレーニングに打ち勝つ精神力を備える彼は、自分自身の欲までやすやすと抑え込んでしまうに違いありません。でも、私が考えるに、それでは人間として辻褄が合いません(そんな聖人君子がいるわけない!)。きっと彼には人には言えない癖があり、そこで日頃のフラストレーションを爆発させているのでしょう。

そんな彼の会社での適正ポジションは....経理部長とか、総務系ですね。固い職種なんだけど、ちょっと悪っぽいスーツ着て真面目さを隠してるみたいな。経理部長が抜擢されて社長をやるケースもありますもんね。

栗村修の妄想アンケート

レースでの振る舞いやインタビュー映像から、栗村さんが選手のイメージをアンケート形式で勝手に回答!(*あくまでも栗村さんの妄想です。)

  • 日本の好きなことわざ
    縁の下の力持ち
  • 向いてそうな仕事 :
    電力会社社員
  • 好きそうな動物
    かわうそ
  • 休みの日にしそうなこと
    長距離トレーニング(休みなのに)
  • 朝起きて一番最初にしていそうなこと
    Zwift
  • 好きなものは...
    最後に食べそう
  • 会社で最も力を発揮しそうなポジションは
    経理部長(見た目は営業っぽいのに)
  • 他人から言われて嬉しそうな言葉
    笑いのセンス最高っすね
  • 子供の頃に先生から褒められたこと
    友達想いだね
  • 街中で見るとイラッとする他人の行動
    自分の友人を悪く言っているやつ
  • 酔うとついつい言ってしまう口癖
    本当は全部勝ちてえんだよ
  • 自転車のココに拘っていそう
    パワーメーターのデータ管理がすごそう
  • 得意そうな教科
    理系
  • 羨ましポイント
    欲を抑える能力
  • お風呂で最初に洗う場所
    もみあげ
  • 乗ってそうな車
    Gクラス
クリス・フルーム
鉄の意思を持つ自転車レース界の良心
2021
2022大会出場予定

クリス・フルームChris FROOME

クリス・フルーム クリス・フルーム
クリス・フルーム クリス・フルーム

さいたまクリテリウムでのフルーム

クリス・フルーム クリス・フルーム

フルーム・スマイル

鉄の意思を持つ自転車レース界の良心

ツール4勝(現役最多)を誇る自転車界のスーパースターであり、鉄の意志を持つ自転車界の良心です。ツールで勝つということは、人々の妬み嫉みの対象にもなるため、宿命的な逆境に襲われます。彼もまた、レース中に沿道のファンから唾をかけられたり、ときには尿をかけられることもありました。ブーイングの中を走ることは当たり前、それでも彼は常に笑顔を絶やさず、淡々と《継続》してきた男です。

その原動力が何かと分析するに、表面的な穏やかさの裏側には、勝つことに対する計り知れない執念の存在を感じます。彼を「終わった」と言う人も少なくない中で、現在の年齢や満身創痍のコンディションを考えれば、ツール5勝クラブ入りの夢(あと1勝)を諦めても不思議ではありませんが、それでも諦めないのがフルームという男なのです。

普通、人間は弱さを隠すものですが、彼は自分の溢れる執念と強さを隠しているようにさえ見えます。猛獣のような飽くなき向上心やハングリー精神を、紳士の仮面で隠しているに違いありません。過去、ツールで7勝したアームストロングという選手がいました(後にドーピングで剥奪)。彼はフィジカルの強さだけではなく、人を蹴落としてまで勝つような選手でしたが、裏を返せばツールでそれだけ勝つためには国を動かすくらいの政治力や傲慢さが必要で、4勝しているフルームの中にもその獰猛性は隠れているはずなのです。しかし、それがコントロールされているのが彼であり、その精神力には驚嘆するばかりか、恐ろしさすら感じてしまいます。

会社組織で力を発揮するポジションはやはり社長でしょう。顔の特徴からしてソフトバンク社長の孫正義さんを彷彿とさせますよね。笑顔で相手を油断させながらも、内面には想像を超える野心やビジョンを抱えているに違いありません。大腿骨を骨折しながらもツール5勝目を目指すという、我々には想像できない向上心を持つ、逆境をも力に変えてしまう尊敬すべき選手です。

栗村修の妄想アンケート

レースでの振る舞いやインタビュー映像から、栗村さんが選手のイメージをアンケート形式で勝手に回答!(*あくまでも栗村さんの妄想です。)

  • 日本の好きなことわざ
    継続は力なり
  • 向いてそうな仕事
    先生
  • 好きそうな動物
    ねこ(愛猫:CoCo)
  • 休みの日にしそうなこと
    筋トレ
  • 朝起きて一番最初にしていそうなこと
    ストレッチ
  • 好きなものは...
    栄養学に従う
  • 会社で最も力を発揮しそうなポジションは
    経営企画部
  • 他人から言われて嬉しそうな言葉
    がんばり過ぎないでね
  • 子供の頃に先生から褒められたこと
    目標達成率がすごい
  • 街中で見るとイラッとする他人の行動
    文句ばかり言っているやつ
  • 酔うとついつい言ってしまう口癖
    お酒はカラダに良くありません
  • 自転車のココに拘っていそう
    少しでも速く走れる要素を常に探してそう
  • 得意そうな教科
    理系
  • 羨ましポイント
    衰えることのない強烈な勝利への欲求
  • お風呂で最初に洗う場所
  • 乗ってそうな車
    Sクラス
ジュリアン・アラフィリップ
フランスが世界に誇る虹色エンターテイナー
2021
2022大会出場

ジュリアン・アラフィリップJulian ALAPHILIPPE

ジュリアン・アラフィリップ ジュリアン・アラフィリップ

フランスの期待を一身に背負いう

ジュリアン・アラフィリップ ジュリアン・アラフィリップ

表情豊にファンを魅了する

ジュリアン・アラフィリップ ジュリアン・アラフィリップ

フランスが世界に誇る虹色エンターテイナー

生まれながらのエンターテイナーであり、喜怒哀楽に豊かで、プロスポーツ選手として見ている人たちが求めているものを良く理解している選手です。その一挙手一投足で観衆を飽きさせずに魅了し続けるという意味では、現在のロードレース界において最も入り口となっている選手かもしれません。自然体で派手な印象を与える彼ですが、才能だけでここまで上り詰めた選手ではありません。高い才能を持ちつつも、自己マネジメントに長けており、元々持っている勝負勘みたいなものが、選手としての強みと言えます。

最近第一子が生まれた彼ですが、奥さまも元々有名な自転車選手で、その奥様の元旦那さんはAG2Rの選手(略奪婚ではないようですが)。ラムールの国フランスでは、既婚者でも彼氏彼女がいる?という、日本人的な発想ではやや違和感のある世界ですが、僕はアラフィリップは異性関係ではピュアだと踏んでいます。活発でやんちゃな女性が奥さまの場合、旦那さんは異性に対して奥手な傾向があると私は分析しています。アラフィリップの奥さまも活動的な女性なので、一見派手な印象のあるアラフィリップは子どもが生まれたことで安定感が出るかもしれません。

彼が2019年のツールで総合優勝しかけたときには沿道のフランス人ファンが一気に増えたそうです。ある意味で、フランス自転車界の救世主と言えるかもしれません。

栗村修の妄想アンケート

レースでの振る舞いやインタビュー映像から、栗村さんが選手のイメージをアンケート形式で勝手に回答!(*あくまでも栗村さんの妄想です。)

  • 日本の好きなことわざ
    笑う門には福来たる
  • 向いてそうな仕事
    ドラマー(実際にやっていた)
  • 好きそうな動物
  • 休みの日にしそうなこと
    音楽鑑賞
  • 朝起きて一番最初にしていそうなこと
    大音量で好きな音楽を聴きながらコーヒーを飲む
  • 好きなものは...
    意外と最後に食べそう
  • 会社で最も力を発揮しそうなポジションは
    広報部
  • 他人から言われて嬉しそうな言葉
    キミの走りを見ていると笑顔になる
  • 子供の頃に先生から褒められたこと
    少し落ち着きがありませんね
  • 街中で見るとイラッとする他人の行動
    まっすぐ走っているやつ
  • 酔うとついつい言ってしまう口癖
    (ひたすら踊っている)
  • 自転車のココに拘っていそう
    デザイン
  • 得意そうな教科
    文系
  • 羨ましポイント
    スター性
  • お風呂で最初に洗う場所
    鏡の前でポージング
  • 乗ってそうな車
    マセラッティ
ペーター・サガン
自転車レース界のロックスター
2021
2022大会出場予定

ペーター・サガンPeter SAGAN

ペーター・サガン ペーター・サガン

マイヨ・ヴェールには7度輝いた

ペーター・サガン ペーター・サガン
ペーター・サガン ペーター・サガン

自転車レース界のロックスター

この20年で《才能の塊》が誰かと問われれば、迷わずサガンを挙げます。20歳そこそこで出てきて、発言も自由奔放で、色々とやらかしもしてきましたが、本当に勝ちまくってきた選手です。若い頃はポテトフライは食べるしビールは飲むしで、到底自転車選手とは思えない食生活だったとも伝え聞きます。自由奔放さの性質として、アラフィリップが永遠の少年タイプだとすれば、サガンは《元ヤンさん》タイプですかね。年を重ねるごとに哲学的な思想を持ち、人間性も厚くなって、今は一国の主。「でも俺、昔はヤバかったんだぜ」みたいな男です。そういう意味ではロックスターですよね。

そんな彼の最大の敵は《飽き》。インタビューでは酒に酔わずとも「なんか楽しいことしてぇなぁ...」と公言する始末でした。世界選手権3連覇をはじめ、マイヨ・ヴェールも7回奪取(※2021年時点)。自転車界の顔として勝ちに勝ち続けてきた結果、彼はロードレースに飽きを感じてしまったと。そこからというもの、彼の成績はやや停滞し、コロナ禍の2020年はあまり勝てませんでした。彼にとってはおそらく初めての敗北....周囲からも「サガンは終わった」という声が聞こえはじめたほどです。しかし、そこで終わらないのがサガンという男。彼が元々持っている闘争本能にスイッチが入った気がします。サガン第2章の幕開けは近いのかもしれません。

引退後は「楽しいことしてぇなぁ」と言いながらいろいろな事業に手を広げていきそうなイメージです(あくまでもイメージです)。奥さまとも早々にお別れされていますが、もっと楽しいことをしたいからお別れになられたのかもしれませんね。

解説

マイヨ・ヴェール・・・ポイント賞ランキング1位の選手が着用できる緑のジャージ。中間スプリント地点と、ゴール地点に設定されたポイントを、最も多く獲得した選手が着用する権利を得られる。スプリンターが多くポイントを獲得できるルールやポイント配分になっているため、キング・オブ・スプリンターをの証でもある。

栗村修の妄想アンケート

レースでの振る舞いやインタビュー映像から、栗村さんが選手のイメージをアンケート形式で勝手に回答!(*あくまでも栗村さんの妄想です。)

  • 日本の好きなことわざ
    好きこそ物の上手なれ
  • 向いてそうな仕事
    イタリアンレストランオーナー
  • 好きそうな動物
    意外にもねこ
  • 休みの日にしそうなこと
    マウンテンバイクで遊んでいる
  • 朝起きて一番最初にしていそうなこと
    寝起きは悪そう
  • 好きなものは...
    最初に食べる
  • 会社で最も力を発揮しそうなポジションは
    個人事業主
  • 他人から言われて嬉しそうな言葉
    天才って大変だよね
  • 子供の頃に先生から褒められたこと
    ウィリーうまいね
  • 街中で見るとイラッとする他人の行動
    なんでもかんでも型にはめてくるやつ
  • 酔うとついつい言ってしまう口癖
    なんか楽しいことして?な?
  • 自転車のココに拘っていそう
    他人の自転車でも勝てそう
  • 得意そうな教科
    文系
  • 羨ましポイント
    バランス力
  • お風呂で最初に洗う場所
  • 乗ってそうな車
    ハマー
マチュー・ファンデルプール
神は三物を与えたサラブレッド
2021
2022大会出場予定

マチュー・ファンデルプールMathieu VAN DER POEL

マチュー・ファンデルプール マチュー・ファンデルプール
マチュー・ファンデルプール マチュー・ファンデルプール
マチュー・ファンデルプール マチュー・ファンデルプール

神は三物を与えたサラブレッド

三つの種目(ロードレース・シクロクロス・マウンテンバイク)をまたにかける、世界トップライダーです。ロードレースでも大暴れしていて、2021年の春先に行われたストラーデ・ビアンケでは、並み居る強豪をなぎ倒して優勝を果たしました。はっきり言って、もはや別惑星の強さを持っている選手です(宇宙人です)。近年、これだけ各種目のレベルが上がってきた中で、種目を横断して活躍することは簡単ではありませんし、同時に三種目を横断している時点で前例がありません。ただ強すぎて、もう意味不明です。この後もどこまで行ってしまうのか分からない規格外の強さをもった、自転車界の大谷翔平といったところでしょうか。

そんな彼のお父さまも元々有名なロードレースの選手で、祖父はレイモン・プリドールという世界的に有名な選手でした(まさにサラブレット)。そして、彼が2021年のツール・ド・フランスに初出場するというニュースは世界中で関心を集めました。春のクラシック以降はマウンテンバイクに専念しましたが、ロード復帰戦のツール・ド・スイスではいきなりステージ2勝の強さをみせたので、ツールのスプリントステージ&丘陵ステージを全勝してしまいかねないほどの恐ろしさを秘めています。見た目も正統派なイケメンで、筋肉もモリモリです。上腕二頭筋が好きな人は彼に惹かれること間違いなしです(mathieuvanderpoel)。男に好かれる男とも言えるかもしれません。彼を見たいがために、2021年のツールを視聴する人も世界中で増えるでしょう。今、最も旬な選手です。

栗村修の妄想アンケート

レースでの振る舞いやインタビュー映像から、栗村さんが選手のイメージをアンケート形式で勝手に回答!(*あくまでも栗村さんの妄想です。)

  • 日本の好きなことわざ
    三兎を追うものは三兎とも得る
  • 向いてそうな仕事
    売れっ子クリエイター
  • 好きそうな動物
    大型犬
  • 休みの日にしそうなこと
    シクロクロス
  • 朝起きて一番最初にしていそうなこと
    腕立て伏せ
  • 好きなものは...
    三角食べ
  • 会社で最も力を発揮しそうなポジションは
    エリート出世コース
  • 他人から言われて嬉しそうな言葉
    お父さんを超えたね
  • 子供の頃に先生から褒められたこと
    なんて子だ
  • 街中で見るとイラッとする他人の行動
    ひとつのことしかできないやつ
  • 酔うとついつい言ってしまう口癖
    おれは酒如きでは酔わない
  • 自転車のココに拘っていそう
    タイヤ
  • 得意そうな教科
    文系
  • 羨ましポイント
    すべてを持っている
  • お風呂で最初に洗う場所
    上腕二頭筋
  • 乗ってそうな車
    フェラーリ
トーマス・デヘント
夢と希望を与える逃げ屋の浪漫飛行
2021

トーマス・デヘントThomas DE GENDT

トーマス・デヘント トーマス・デヘント

逃げるデヘント先生

トーマス・デヘント トーマス・デヘント
トーマス・デヘント トーマス・デヘント

夢と希望を与える逃げ屋の浪漫飛行

デヘント先生の愛称でファンから親しまれる《逃げ職人》。髭モジャの風貌が物語るように、癖のある職人気質な選手です。逃げの選手はオンとオフがはっきりしていて、自分が狙うステージ以外では、集団の後ろで休んでいることが多いです。上りになると前にいた選手が遅れだしますが、集団の一番後ろを走っている彼は、その疲れ果てて息も絶え絶え走る選手たちを抜くのが趣味だと公言するほど変わった性癖の持ち主です。そもそも前を走れるなら走って!という話ですが、謎の性癖を公言しても許されるところが、彼の魅力と強さを物語っています。チームにはカレブ・ユアンというトップスプリンターがいるので、最近は平坦ステージでもユアンのために仕事をしていますが、ユアンは2021年3つのグランツール全てに出場するため、ツールは途中でリタイアするかもしれません。ですので、大会中盤以降に、デヘント先生の《浪漫飛行》が見られるのではないでしょうか。注目です。

そもそも彼はグランツールで総合3位になるほどの実力の持ち主です。本当は総合優勝も狙えるはずなのに、狙わない。ジロで総合3位になったときが相当しんどかったらしく、「それしんどい....俺のキャラじゃない。俺はアシストと逃げ専門でいいや!」と心に誓ったのでしょう。でも、そんなわがままが通用するくらいに強いしキャラも立っているので、チームとしても契約しているということです。

解説

逃げ・・・ロードレースでは、プロトンと呼ばれる集団が形成される。集団内は空気抵抗が減ることで体力温存ができる他、様々な戦術・戦略が企てられるが、その集団から飛び出して先行することを「逃げ」と呼ぶ。

栗村修の妄想アンケート

レースでの振る舞いやインタビュー映像から、栗村さんが選手のイメージをアンケート形式で勝手に回答!(*あくまでも栗村さんの妄想です。)

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    農業
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    爬虫類
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    部屋に持ち帰ってあとで食べる
  • 会社で最も力を発揮しそうなポジションは
    人事部
  • 他人から言われて嬉しそうな言葉
    少し変わってますね
  • 子供の頃に先生から褒められたこと
    小学生には思えないな
  • 街中で見るとイラッとする他人の行動
    いつも一生懸命なやつ
  • 酔うとついつい言ってしまう口癖
    集団の後ろで遅れてくるやつ抜くのが一番楽しいんだな
  • 自転車のココに拘っていそう
    なぞの拘りを持っていそう
  • 得意そうな教科
    実は理系
  • 羨ましポイント
    世界観
  • お風呂で最初に洗う場所
    ヒゲ
  • 乗ってそうな車
    フォルクスワーゲン