ジロ・デ・イタリア2022

移動に費やすことなく、ようやく本物の休息日を過ごしたジロ一行が、アドリア海岸から静かに大会2週目を走り出す。幸いにもレース勘を取り戻すための時間もたっぷりある。なにしろスタートから約100kmは、ただひたすら、完全に平坦かつ直線の道を北上するだけなのだから。ただ強風に襲われないことだけを祈ろう。

ステージ後半は、うって変わって、なにやらクラシック風。道は内陸に切り込むと、3つの4級峠を含むアップダウンと細かいカーブを延々と繰り返す。残り100kmだけで獲得標高1760mということは……換算すればリエージュ〜バストーニュ〜リエージュと同じだけのアップダウンを行うことになる！

最後の上りは、フィニッシュ手前8.5kmの4級モンサーノ。ここで勝利への飛び出しが決まるだろうか。11％ゾーンはあるものの、登坂距離4.2km、平均勾配4.2％と、上り自体はそれほど厳しくはない。

ただし残り1.5kmまで続く下り坂には、ヘアピンカーブ1つを含む、いくつものコーナーが潜んでいる。いわゆるミラノ〜サンレモ風に、大胆なダウンヒルに挑む余地は、十分にある。

text：宮本あさか