コースの特徴
ドロミテ山地で迎える2021年最難関ステージ。ステージ距離200km超+2000m超級3つ+累計獲得勾配は5700mと、いかにもジロらしいサディスティックなコースが用意された。幸いにも翌日は大会2度目の休息日。選手たちは思う存分、死闘を繰り広げることができる。
スタート直後からいきなり1級峠へと上り始める。山が苦手な者たちは、大急ぎでグルペットを作り上げねばならない。続く試練は60km以上もだらだらと続く上り坂。長く苦しい奮闘の果てに、今大会初の標高2000m級山頂へとたどり着く。稀代の山岳王マルコ・パンターニが、1998年大会第17ステージで攻撃に転じ、後のマリア・ローザ獲りにつなげた1級フェダイア峠だ。しかし後半5.5kmの平均勾配が11%超という「パンターニの山」さえ、この日の序の口に過ぎない。
次の難関こそ今大会最高標高地点「チーマ・コッピ」、標高2239mのパッソ・ポルドイ。ちなみに登坂距離11.8km・平均勾配6.8%・最大10%と、単体で見れば飛び抜けて難しい峠ではない。ジロにおける最高標高地点ステルヴィオ2758mに比べれば、標高自体もはるかに低い。ただ忘れてはならないのは、この直後にポルドイよりほんの6m標高が低いだけの1級パッソ・ジャウ(9.9km・9.3%・14%)を登らねばならないこと。そう、言うなれば、「ダブル・チーマ・コッピ」。そもそも標高2000m超の峠が1日で3つも詰め込まれたのは、2016年第20ステージ以来の一大事でもある。
すでに2週間の疲れが蓄積された肉体で、薄い酸素と厳しい上り坂を耐え忍んだ後、フィニッシュまでは標高1000m差を一気に駆け下りるダウンヒル。1956年冬季五輪開催地であり、2026年に再び聖火を迎え入れるコルティナ・ダンペッツォが、ばら色の勝者を選び出す。
text:宮本あさか
※悪天候によりコースが変更になりました
フェダイア峠および今ジロのチーマ・コッピだったポルドイ峠がキャンセル
スタート直後の1級山岳のあと1級ジャウ峠に向かうコースに変更
距離は212kmから153kmに短縮となります
距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
32km/h | 34km/h | 36km/h | 32km/h | 34km/h | 36km/h | ||
0km地点 | スタート | 11:00 | 11:00 | 11:00 | 18:00 | 18:00 | 18:00 |
25.3km地点 | 1級山岳 | 12:05 | 11:59 | 11:55 | 19:05 | 18:59 | 18:55 |
90.9km地点 | 中間SP | 13:46 | 13:35 | 13:26 | 20:46 | 20:35 | 20:26 |
116.2km地点 | 中間SP | 14:30 | 14:17 | 14:05 | 21:30 | 21:17 | 21:05 |
128.1km地点 | 1級山岳 | 15:10 | 14:53 | 14:38 | 22:10 | 21:53 | 21:38 |
194.5km地点 | 1級山岳 | 17:20 | 16:53 | 16:30 | 00:20 | 23:53 | 23:30 |
212.0km地点 | ゴール | 17:43 | 17:15 | 16:51 | 00:43 | 00:15 | 23:51 |